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第三十六話 彼の噂

青葉龍大との勝負からしばらく経った。

今は夏本番になり、かなり暑くなってきた。正直学校になんて行きたくない。しかし家にいても舞がベタベタしてくるから余計に暑い。だが学校にいても愛奈がベタベタしてくるから結局暑い。正直言ってやめてほしかった。しかし二人とも聞く耳なんて持たないので何か言っても意味がない。


「……暑い」


思わず呟く。今は学校に向かっている最中だ。舞は日直って言ってたから先に学校に行った。今頃仕事を頑張っているだろう。愛奈も今日は用事があるらしい。実に嬉しいことだ。ベタベタされないのはこんなにいいことなんだな。……前まではこれが普通だったんだがな。

恋華はと言うと、


「言わないでよ……。気持ちはわかるけどさ……」


一緒に登校している。僕は恋華に起こされた。まぁおかげで早く起きれたが、何も朝五時に起こさなくてもいいと思うんだ。さすがに眠い。しかも朝飯食って歯磨きして制服に着替えて外出た瞬間に猛烈な暑さに襲われた。だがリターンもするわけにはいかないので、歩いてるのだが……、


「舞のやつ、今日は歩いたんだよな?」


舞はいつも一緒に歩いてる。別に学校に行くのに自転車を使っちゃいけないわけじゃない。だが元々学校に近い人は多いためか自転車を使っている人は少ない。それと男子はたまに女子に奪われるというのもあって乗らない。舞は……、そんなことしないな、うん。僕にどんな時でもしがみついて来るし。


「そうよ。秋渡と行けないのが悲しい、て凄く落ち込んでたわ」


どこか睨むように僕を見る恋華。僕は特に何もしてないぞ。というかそれ以前になぜ睨まれてるんだ?


「それよりも秋渡本当に暑いの?汗掻いてる様子ないんだけど……」


「失礼だな。本当に暑いし汗も掻いてるぞ」


なぜこんな理不尽な言われ方をしてるんだろ。実際に暑いし汗も掻いてる。そもそも今日の気温は三十五度だ。暑いに決まっている。くそ……。コンビニ寄って冷たいものでも買っていこうかな……。と、本気で考えながら学校へ向かった。


ーー

学校へ到着し、恋華と別れたあと教室へ入ったと同時に冷房が付いてるのか、冷たい風が当たった。涼しい……。ちなみにコンビニには寄った。冷たい飲み物を買って道中で飲んできた。恋華も今回は反対しなかったので僕が飲み物を奢った。


「涼しいな……」


「そうだな。今日は体育あったら死んでたしな」


「それは言えてる」


僕は涼みながら橋本と話している。橋本が言った通り、今日は体育がない。正直すごくありがたい。こうした会話をしていると青葉との対決がなかったみたいに思えるな。幸紀はあの後すぐ帰らせたし。凛桜の生徒も最近は事件が収まっているようで勉学に励んでいる。いやー、平和だな。世間は混乱してるだろうが平和で何よりだ。

と、悶々と考えていたら予鈴が鳴った。同時に先生も入ってくる。この人、何気にいつも時間守っているんだよな……。律儀な人だ。


「今日の日程は平常授業だ。いつものように時間割りを確認して動いてくれ。あ、世刻」


「……なんだ?」


てっきりいつものように予定を話したらさっさと出ていくかと思ったがいきなりの名指し。何かしたっけな?


「校長がお呼びだ」


「……」


校長に呼び出しをくらう……だと?あの一部の生徒に対して自分の娘をしつこいほど薦めてくる校長に?


「なんだ、その……。……頑張れよ」


先生も僕の心中を察してか肩をポンッと叩いてきた。あの人の呼び出しほど嫌なものはない。それは他の先生も了承済みだ。


「……帰っていいか?」


一応僕は逃走という名目で聞くが、先生は首を横に振る。観念して行けということだ。僕は溜め息を付きながらも渋々校長室へ向かうことにした。(あの人の呼び出しは基本的にすぐに来いというのが多い。なので授業も公欠扱いになる)


ーー

校長室前に着いた。ここではさすがにノックをする。そして中に入る。


「失礼する」


なお、校長に対しても敬語は使わない。というか使わなくていいと言われた。


「うむ、よく来た、世刻秋渡君」


そこには背の高めで茶髪の女の人がいた。この人こそが深桜高校の校長だ。名前は桜井(さくらい)有栖(ありす)。とっても美人だがこの人はとても残念な人だ。理由は簡単。それは……、


「それで、私の娘と付き合う気はないか?」


「……用がそれだけならば僕は帰る」


このように娘を薦めてくる。正直どうでもいいので、回れ右をする。


「まぁまぁ、一割冗談だ」


と笑いながら言う。一割だということはほぼ本気だということだ。恐ろしい。あ、娘は普通にかわいい。と、親のこの校長がほざいてた。実際は見たことがないからなんとも言えん。


「では本題に入ろうか」


と、急に校長は真剣な顔になった。それを見て僕も真剣な顔付きになる。


「その前に世刻秋渡君、そこのソファーに座りたまえ」


校長にそう言われ、僕は近くのソファーに腰を下ろす。そして校長も反対側のソファーに座る。


「では単刀直入に聞く。世刻秋渡君、君はここ数ヵ月の間に五神将を三人倒したという噂は本当か?」


「……」


やはりそれだったか……。大方呼ばれる理由はそれしか思い付かなかったんだよな。遅刻とかは日常茶飯事だし。かと言って別に成績が悪いわけでもない。欠席数も酷くないし。そう考えるとそれしか思い付かなかった。


「答えは肯定だ」


僕は目を伏せながら答えた。これで何を思われてもどうでもいいと思いながら。




ア「どうも、アイギアスです。まず始めに投稿がかなり遅くなってしまい、申し訳ありませんでした」

恋「まぁ作者もリアルに忙しかったみたいだからね」

舞「とはいえ遅くなったのも事実ですよね」

愛「ふふ、その間は私が秋渡さんと存分にイチャイチャしてましたけど♪」

舞「嘘を言わないでください!お兄様はずっと妹の私といたのですよ!」

恋「反論するところそこなんだ……」

ア「実際は彼どうしてたんですか?」

恋「えっと……、確か美沙さんのライブの警護に行ったとか言ってたような……」

ア「最早ファンどころか護衛になってたんですね……」

恋「あ、いや、違うわね。それはもっと前の話だったわ。実際は本人に聞かないとわかんない」

ア「……でも彼なら強力な護衛になりますよね」

恋「そうね」

舞「お兄様には私がいますのに……」

愛「秋渡さんには私がいるのに……」

ア「でもこのままだと彼、凛桜の幸紀って子と付き合うんじゃ……」

恋・舞・愛「なっ!!!?」

ア「あ、やばい、地雷踏んだ!逃げる!」

恋・舞・愛「待ちなさい!そこを詳しく!!」

ア「いーやーだー!!」


秋「……何してんだ?あいつらは」

冬「新しい遊び……なのかしら?」

星「……秋渡絡みじゃない?」

美「作者さんも大変ですね……」

幸「でも最終的に秋渡さんが誰を選ぶのかは気になりますね」

秋「……さぁな。とりあえず今回はここまでだ。また次話もよろしくな」

冬・星・美・幸・「それではまた」


ア「たーすーけーてー……」


※その後、彼の姿を見たものはいない



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