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第二十八話 疑問

今回は主人公は名前のみの登場です

冬美side


ーー

どうも皆さん、関澤冬美です。深桜高校の生徒会長をやってるわ。まぁこの学校は生徒会の仕事はそこまで多くないけれどね。あるのは大体が揉め事の処理とか服装のチェックなの。後は一年前と数日前に起きた時計破壊戦の対処。それと学校行事の運営とかね。この学校は生徒会が風紀委員も担っているから負担も重いわ。今は人数も三人だけだから忙しいし。たまに手伝ってくれる人も多いけど。でもやっぱり一番凄いのは彼ね。世刻秋渡君。最初に五神将の棗達也を撃退したり同じく五神将の黒坂虎雄を返り討ちにしたりと。そして数日前の時計破壊戦。夏希相手にほぼ瞬殺だったのには驚いたわ。いや五神将を二人退けただけでも凄いけどね。


「そう考えるとやっぱり秋渡君には生徒会に入ってほしいわ……」


「突然どうしたの?冬美」


無意識に呟いた言葉に書類とにらめっこしていた綺羅が声を掛けてきた。まぁ聞こえちゃったんだし綺羅も秋渡君のことは高評価してたしいっか。


「秋渡君が生徒会に入ってくれたらなぁって思ってね」


私が綺羅そう言うと綺羅の反対側でパソコンを打っていた優衣がパソコンから私に目を移してきた。


「確かに彼がいれば色々安泰ね。彼が仕事をするかは別だけど」


優衣は秋渡君の性格上、しっかり仕事をしないと判断してるようだ。無理はないように思えてしまうけど。実際に秋渡君はかなりのめんどくさがり屋だ。でも別にこういった作業は私達がして秋渡君が見回りをすればいいような気がするよ。


「でも世刻君の腕っぷしは認めるしかないわ」


綺羅は溜め息を付きながらそう言った。まぁ二人とも五神将との戦いも凛桜女子学園との戦いも見てるしね。綺羅は眼鏡を押し上げる。やっぱり認めてた。


「や、それはわかってるよ。けど彼ってこっちは強いの?」


と優衣が自分の頭を指した。ああ、そっちの心配をしてたのか。私は優衣が秋渡君に対する評価は高いことを悟った。しかもいればありがたいというのは否定してないし。


「その点に関しては問題ないと思うわ。記憶が正しければ彼の成績は学年一番だったはずよ」


と言った私の言葉に優衣と綺羅が驚いて私を見てきた。二人の目は疑っている。まぁそうよね。遅刻常習犯がずば抜けて成績が高いんだもの。そりゃ驚くわよね。かくいう私も知った時はかなり驚いたもの。


「本人から成績表を見せてもらったから本当よ」


「……世刻君って何者?」


綺羅が思わずそう呟いた。でも綺羅が言いたいこともわかる。だって今は普通運動神経はともかく学力で一番を取れる男子はあまりいない。取れても精々十位以内だ。それなのに一般人(とはもう呼べないけど)の男子が軽々と遅刻しながらも一番を誇ってるんだし。


「秋渡君は異常な一般人。としか言えないわ」


私はそう答えた。五神将ということは本人から聞いた方がいいでしょう。本人も私、恋華ちゃん、星華ちゃんにしか教えてないらしいし。なら黙っていた方がいいだろうと私は判断した。


「まぁそうね。というかもう私には彼が隠れてる五神将にしか見えないわ」


優衣がそう言ってきた。秋渡君の戦いっぷりを見てるからこそだろう。現に同じく秋渡君が五神将と戦って無傷で勝ってるのを見てる綺羅も頷いてるし。秋渡君、これ、バレるのも時間の問題じゃない?


「とりあえず私達は仕事を……」


私がそう言った瞬間だった。不意に嫌な感覚に襲われた。五神将?いえ、違うわね。彼らならもっと凄まじい殺気を感じるもの。でもこれは殺気じゃない。一体なんなの?


「綺羅!優衣!」


「大丈夫よ!」


「同じく!」


二人の安否を確認した。すぐに返事が来たから二人とも無事だ。そこにまずは安堵。でもこんな時に襲撃?一体どうして?


「あら、生徒会長はさすがに効かなかったみたいね。さすがと言うべきかしら?」


不意に聞こえた声。話し方、声の高さからして女性だろう。でもそれよりも驚いたことがある。今の声、まさか……。


沙彩さあや……なの……?」


「覚えてたんだ。久しぶりね、冬美、綺羅、優衣」


目の前に突然現れたのは元生徒会副会長であり、凛桜に強制的に転校することになった新崎にいざき沙彩さあやだった。


ーー

私達は突然ここに現れた沙彩に驚いていた。凛桜からはすぐに消え、消息を断ち、携帯にも連絡がつかなかった故に。


「それにしてもここも久しぶりね。何も変わっていないわ」


懐かしそうに生徒会室を見回す沙彩。これだけならただ帰ってきたって言えるんだけど最初に沙彩は私達に何かをしてきてた。だから警戒をしてる。一体今になってとうして……?すると室内を見回していた沙彩がこちらを向く。


「さて、あなた達には効かなかったみたいだし、ここに用はなくなったわね。私は失礼するわ」


言って本当に何もせずに去ろうとする沙彩。私は沙彩に違和感を感じた。どこか知ってる姿とはかけ離れたかのような、そんな感じだ。


「沙彩、もうここには戻って来ないの?」


綺羅が突然そんなことを言う。その声にはまたこの四人でいたいという思いを感じた。沙彩は首だけ振り返って、


「……残念だけどもうここには来れないわ。私にはやることがあるし」


と答えた。そしてまた前を向いて歩き出す。


「やること?それってこの学校が関係してるのかしら?」


今度は優衣が質問をした。けど優衣の質問は私も聞きたかった。沙彩は突然深桜に現れ、この学校にやって来た。しかも私達に何かをしようとしてた。だからこそ気になる。


「………ささやかな復讐、とだけ言っておくわ。ちなみに勘違いしてほしくないけどこの学校に対してではないよ」


次は体ごと振り返って答えた。けど深桜高校に対して、ではない。そこに少し安心した。でもそれなら私達に何かしてきたのはおかしい。復讐の対象が深桜ここではないならここに来る必要はないはず。と、私を見ていた沙彩が私の心中に気付いたのか、ふっと微笑を浮かべた。


「私自身ではないけど上の者がここにいるある人物が気に食わないらしくてね。それで仕方なく、ね」


上の者?沙彩、あなたは今までどこで何をしていたの?それにある人物?心当たりが思い付かない。その上の者がわかればまだ絞れるんだけど……。


「あ、そうそう、この復讐が終わったらまた来るわ。その時は刺客じゃなくて一人の友人として」


と沙彩が言ってきた。その復讐はとんでもなく凄まじいのでしょうね。でも復讐は沙彩がすること。私達は止められないでしょうね。ここにまだいた当時から彼女は自らの意思を曲げることはほぼなかったし。


「……わかったわ。でも来るなら事前に連絡をしてね?歓迎できなくなっちゃうし」


と私は言った。それに対して沙彩は、


「わかったわ。その時を楽しみにしてる」


と言って次こそは本当に立ち去った。今度は誰も止めなかった。

優衣と綺羅を見ると、二人とも何事もなかったので安堵をしていた。


「さて、私達も仕事に戻りましょうか」


私がそう言って、二人はまた仕事に戻り、私もするべきことに取りかかった。


ーー

沙彩side


久しぶりの深桜高校は特に変わっていなかった。そこにまず安心をした。冬美達も頑張っていたな。私が復讐心を持たなければここでまたみんなと活動できたんだけどね。自業自得か。


「さて、復讐もさっさと終わらせて、また冬美達と色々やろっと。まずは私の標的を探さないとね」


私はフードを被り、復讐の対象者をまた探し始めた。そう言えば冬美達にあの人が気に食わない奴を聞けばよかったな。それにしてもこの子は一体あの人に何をしたんだろう?私は一枚の写真を懐から出す。そこには金髪で笑顔がとてもかわいい一人の女性が写っている。確かあの人が村破壊時に取り逃がした唯一の人物だって言ってたな。でも見た感じかなり若い。私よりも一つ年下なんじゃないのかな?少し気になるな、この、


横田 舞っていう子が。


私は写真を内ポケットに仕舞い、復讐の対象者の写真を取り出す。ようやく彼を殺れる程の力ーー苦幻夢と幻覚能力を手に入れたんだ。


世刻秋渡!


彼の回りを苦しめようかと思ったけどこれは冬美達も含まれることがわかったから止めよう。でも本当にこの写真の人物が私の両親を殺したのかな?見た目は恐いけど瞳は優しく見える。両親を殺した相手を教えてくれたあの高須武がそう教えてくれたけどまだ半信半疑だ。というか少し前に見た時に刀を持ってたし気配を簡単に感じ取ったから人殺しみたいなのは否定できないけどそれならあの私が苦しめた水嶋恋華、風間星華を救っていた姿は私には理解できなかった。それにあの時の彼は冬美達が苦しんでることにキレていた。目の前で苦幻夢で苦しんでた人がいた時でさえ冷静だった彼が。あの感情は嘘には見えなかったから少し早とちりをしてしまってたかもしれない。だから私は冬美はもちろん、雨音愛奈、木上美沙、世刻舞に苦幻夢をかけるのは止めた。というか冬美には効かなかったし。


「次はまた少し本人から探ってみるか」


私は世刻秋渡にまた会ったら少し聞いてみよう。そう思った。それに、これで間違っていたら多分高須が殺した張本人の可能性が高いし。でも側に五神将もいるんだよね。って、それよりもまずは世刻秋渡を探すか。そう思い私は世刻秋渡を探し始めた。

それに、今更になって考えてみれば高須武の態度はあからさまこの世刻秋渡を憎んでいる顔をしていたな。ひょっとして私は利用されてたのかも。よし、少し、いやかなり危険だけど世刻秋渡に高須武のことを聞いてみよう。何かわかるかもしれない。


秋「お、珍しく僕が出ない話か。いつもこれでいいんじゃねーか?」

愛「ダメですよ、秋渡さん!それでは私達がラブラブなのを伝えられないではないですか!?」

秋「今の言葉でずっと出たくないと思うのは僕だけなんだろうか……?」

舞「お兄様、大丈夫ですか?」

秋「舞か。ああ、なんとかな。ところで作者はどうした?」

舞「環境が一気に変わってパニックになってるみたいですよ」

愛「作者さん、別の作品を書き終えて満足してましたからね……」

秋「やれやれ……。さて、あの刺客は一体誰なんだろうな?」

舞「お兄様、何のお話ですか?」

秋「気にしないでくれ」

愛「それはそうと秋渡さん!デートしましょう

!」

秋「断る」

舞「愛奈さんも懲りないですね……。それはそうとお兄様、ここはもう終わらせてもよいのでは?」

秋「そうだな。それじゃ、」

秋・愛・舞「また次話で会いましょう!」

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