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第二十話 生徒会の希望

眠気がすごい今日この頃です。

大体の授業は美沙の席と自分の席をくっつけて教科書を見せてた。美沙はノートにカキカキと黒板に書かれてることを書いてた。僕?全く書いてないよ。代わりにノートパソコン開いてる。バレないのかって?もちろんバレてるさ。けど僕がノートパソコンでやってることは授業での内容を細かく打ってることだ。見直しもしやすいし何よりも楽。教師に指摘された時に僕はノートパソコンを見せたら「なんだ、やってたのか」と言い再び黒板に色々書いてた。ノート提出はパソコンで書いたことを印刷して提出してる。特に文句は言われてない。ま、さすがにテストは普通にやってるがな。

と、言ってたら四時間目の授業が終わった。昼飯だな。美沙もすぐにできた友人達と食堂へ向かう。


「世刻ー、昼飯買いに行こうぜ!」


相澤が声を掛けてきた。


「すまん相澤。今日は昼飯持参してるんだ」


正しくは昼飯は購買でパンを買ってるって舞に言ったら栄養が偏るからと持たされただけだがな。


「へぇ、珍しいな。と思ったけどコンビニで先に買ったんだろ?」


橋本がそう言って笑ってる。確かに先にコンビニで買うのはよくあることだ。……少し前までは。


「ああ、そうだったのか。じゃあ少し待っててくれ。すぐに買ってくるから」


と相澤が言い、橋本も頷き購買へ向かう。僕はと言うと、


「まさか実の妹が作った弁当なんて言えねぇ……。あいつらは僕が一人っ子だって思ってるからな……」


実際僕も昨日までは一人っ子だと思ってたし。まだ義理の妹ならわかる。けど誰もいきなりこの年で実の妹がいたなんて信じないだろう。そういや舞は学校になんて名乗るんだ?横田のままか世刻と名乗るのか。まぁそれは帰ってから舞に聞けばいいか。とか五分くらい考えてたら二人が戻ってきた。


「早かったな」


僕は少し驚いて聞いた。いつもなら十分くらいはかかるのに。


「あー、今日はなんか少なくてな。だからすんなり買えたわけ……ってお前、それは?」


説明と同時に僕の机にあるものを見て驚く相澤と橋本。そりゃそうか。なんせ僕は弁当持参なんて今までしたことがなかったからな。やっぱり説明しといた方がいいよな。


「……二人とも、後でこのことについて話すから今はとりあえず食おうぜ」


「それもそうだな。しっかしあの世刻がな……」


おい、どういう意味だ?橋本。僕が弁当を持ってくるなんてそんなにおかしいか?……否定もできないけど。


ーー

そして昼飯が食い終わり、自販機で飲み物を買ってから三人で話せそうな場所へ。


「ここならいいだろう。さて、二人とも心して聞いてくれ」


僕の声が真剣だからか二人も真剣な顔をする。


「ついでに言うと僕がこれから話すことは全部事実だからな?」


「そんなに重い話なのか!?」


僕が付け足したら相澤が声を上げた。そしてすぐに「……すまん」と言って黙った。別に怒ってはいないんだが……。


「実はな」


「「実は?」」


「僕に妹がいた……」


目をそらして僕は言った。そのことに二人はキョトンとしてた。が、


「「えぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」」


二人ともかなりの大声で驚いた。当然か。二人の大声には僕も驚いたけどな。


「ちょっ!えっ!?マジかよ!?」


「こいつはさすがに驚いたな……」


相澤は混乱し、橋本はようやく声を出せたかの反応。


「事実だ。僕の祖父母が言ってた。僕が知ったのも昨日だがな」


「そうか。じゃあ弁当は妹さんが作ってくれたものだったんだな。なら納得だ」


冷静になるのが早かったな、橋本。ある意味スゲーよ。


「話が早くて助かる。てか僕がふりかけでハートなんか書かねーよ……」


と僕はさっきの弁当を思い出す。おかずはもう普通だったから省く。けど飯は今言った通り、ふりかけでハートが書かれてた。見て僕は絶句した。そして素早く食った。なんか嫌だったから。


「それもそうだ。お前にそんな趣味があるわけねーしな」


「当然だ」


と、話してたらチャイムが鳴った。教室に戻ろうと三人で向かってる最中に相澤が唐突に、


「そういや妹さんは何年だ?」


と聞いてきた。さっきよりは幾分か落ち着いたようだ。僕は肩越しに、


「ああ、うちらと同い年だ」


と答えた。もちろん二人はめちゃくちゃ驚いていた。僕も気持ちはわかるぞ、二人とも。僕だって最初は中学生だと思っていたからな。


ーー

教室に戻り、五、六時間目の授業も終わり放課後。

僕はすることもないのでさっさと帰ろうとしてた。そして鞄を持ち、教室から出た所で、


「冬美?」


我らが生徒会長サマの冬美がいた。しかも妙に真剣な顔を、というよりは困惑、か?ともかく冬美がここにいることが気になる。


「どうしたんだ?誰かに何か用か?」


「えぇ。秋渡君、少し時間をもらっていい?」


僕に用事か。前の告白……じゃないな?見た感じ何かがあったのは間違いない。


「ああ。いいぜ」


そう答え、生徒会室へと二人で向かった。その間冬美はずっと何かを考えていた。いや、どこか前の告白の時とは別の意味で覚悟を決めているように見えた。一体どうしたんだ、冬美……?


ーー

冬美side

昼休み、いつも通り生徒会の仕事で生徒会室に来た冬美。そして同じ生徒会に属している室川むろかわ綺羅きら工藤くどう優衣ゆいも同様に生徒会室にいた。そして三人で昼食を取りながらの時だった。コンコンと一人の教師が入ってきた。冬美達は滅多に来ない教師に驚いたが何よりも教師の方が頭を抱えていた。そして黙って一つの紙を差し出した。それを受け取り、読んだ瞬間冬美は絶句した。


「(そんな!またこれをやるの!?)」


そこに書かれていたこと、それは近くの女子校の生徒会長からのもの。そしてその内容は、


『貴女方の所にいる生徒で興味がある人がいます。なので一年前に行ったことと同じように、その生徒を賭けて勝負です。ルールは前と同じ、時計破壊戦です。リーダーを一人決めて他に三人のメンバーで構成しなさい。リーダーの時計が壊されたら負けという単純なルールです。では健闘を祈ります。

凜桜女子学園生徒会長、弓月ゆみづき夏希なつき


とのことだった。そして冬美の姿を見て優衣と綺羅も紙を見る。そして絶句した。


「先生、我々に拒否権は……」


無駄だと思いつつも冬美は聞く。やはりと言うべきか紙を渡してきた教師も首を振る。とても悲痛そうな顔をして。教師でも逆らえないのだ。理由は不明だが……。


「……やるしかないわね」


冬美は静かに宣言する。優衣と綺羅も反対はせずに頷いた。けど二人の顔色は優れなかった。何せ凜桜女子学園の生徒会長、弓月夏希は一年前の勝負で冬美達の深桜高校の生徒会を無傷で、しかもたった一人で倒した相手だったからだ。まだ新しい生徒会が決まってから間もなかった頃に三人ともう一人、今は凜桜女子学園の生徒になってしまった副会長だった者だ。副会長だった彼女は頭脳明晰で状況判断や統率力が強くて責任感のある人だった。その彼女が弓月に見込まれ勝負を挑まれた結果、冬美達は相手に傷をつけることなく敗北した。


「けど私達は決定だとしてももう一人はどうしましょう……」


室川が疑問を上げる。一年前ならまだ副会長もいたからなんとかなった。しかし結局敗れ、その副会長は凜桜女子学園へ転校となってしまった。そして今は冬美、綺羅、優衣の三人しかいない。たが弓月が狙うのはあからさまその三人以外からだ。三人の中からならばあの時に一緒に転校させていただろう。


「やはり三年から選ぶしかないですね」


優衣は心苦しそうに呟く。けど自分でもあの弓月には勝てない。恐らく今も。どうする?と考えた所で一人の生徒が思い浮かぶ。


「(そうよ。彼が協力してくれたら勝てるかもしれない!)」


急に何かを閃いたような態度に優衣と綺羅は身を乗り出し、


「誰かいい候補がいるの!?」


「誰!?冬美!」


希望を得たかのように冬美に問い詰める。それに冬美は答えた。


「秋渡君よ。彼なら夏希に勝てるかもしれない!」


そう言うと二人は希望を持つ。ただ教師は男子生徒の名が上がり、困惑した。


「待ってください、関澤さん。二年である上に男性である人にこれは重たいのではないですか?」


そう、確かに重たい。普通の男性だったら。だが秋渡は三人の前で五神将の黒坂を負かせている。しかもほぼ無傷で。さらに冬美は目の前で同じく五神将の棗を圧倒していた。何よりも秋渡自身も五神将だ。まぁ秋渡との約束なので正体は明かさないが……。


「本人に確認をとってみます。それでダメなら他を探します」


冬美がそう言うと教師はまぁいいかと思い、何も言わなかった。冬美は何よりも秋渡が協力をしてくれるかどうかだけが心配だった。秋渡はこういうことはめんどくさがって手伝ってくれそうにないからだ。


「(お願い、秋渡君。これ以上この学校から向こうに誰かを渡したくないの。だから協力して!)」


冬美はただただそれを願うばかりだった。


ーー

秋渡side

僕は生徒会室でその話を聞いた。そんなことをする学校があるんだな。紙を見せてもらい、どうするか考える。時計破壊戦、ねぇ……。ルールは単純だな。しかし気になる所もある。まぁこれは深入りしないでおこう。誰がほしいとかは書いていなかった。ふーん。誰かはわからんのか。まぁ男子じゃねーことは確実だな。女子学園たし。でも中々興味深いな。やってみるか。何よりもこれに参加すりゃ誰がほしいのかわかるしな。僕は少し不敵に笑って、


「いいぜ、やってやる」


そう答える。すると冬美達は突然立ち上がり、


「「「本当っ!?」」」


と声を揃えて言ってきた。そんなに驚くかね。ともかく僕が気になるのは相手のことだ。向こうの会長さん一人でこちらの布陣を全滅させた。どれほど強いんだ?少なくとも冬美が簡単に敗れたほどだから相当強いだろう。だからこそ興味がある!


「当然だ。代わりの条件だが」


言うと三人はなんでもどんと来いというような顔をしてる。……そこまでして協力してほしかったのか?これ、僕が断っても絶対すがりついてきたな。


「今度何か飲み物奢ってくれ」


「わかったわ。あと一つ作戦というか私の単なる意見なんだけど……」


やった。飲み物代が浮く。これは嬉しい。それよりも意見か。なんだ?


「なんだ?」


「リーダーを秋渡君、あなたに任せたいの」


ほう。まさか僕に任せるとは。てっきり冬美がやるのかと思ってたからこれは責任重いな。ま、スリルがあっていいな!


「構わんぜ。むしろいいのか?」


念のため確認。しかし冬美は何の躊躇いもなく頷く。工藤と室川も見る。二人も頷く。意外に信頼されてるんだな。


「頼むわ」「簡単に壊されないでね?」


工藤は純粋にお願いしてきて室川は軽口を叩いてきた。それに僕は軽く笑って、


「誰が簡単に敗れるかよ。僕の強さは三人とも知ってるだろ?」


力強く答えた。三人とも頷く。

そのあとは対戦日を聞いて僕だけは帰った。三人で少しは情報を集めるんだそうだ。同時に作戦も考えとくらしい。ま、僕は僕なりに動くって言ったがな。三人とも特に反対はしなかった。


「さーて、対戦日はまさかの明後日か。気が早い相手だな」


と呟き僕は帰路についた。対戦場所は凜桜女子学園。地形的にも向こうが有利だけど勝たせてもらうぞ、弓月夏希生徒会長さんよ!



アイギアスです。

バレンタインデーも終わり一ヶ月後にはホワイトデーですね。私には関係ありませんが(泣)。

秋「貰う身にもなれよ。お返しとか結構大変なんだぞ?」

ア「嫌味だ!この鈍感ハーレム主人公め!」

秋「……なんでこんなに罵倒されてんだ?」

ア「……モテない奴の気持ちがわからない奴には一生わからんよ」

秋「ふーん。よくわからんがあんたも貰ったらしいじゃん?なら僕を責める理由はなくないか?」

ア「うぐぐ!」


とまぁいろいろあったバレンタインデーでした。

次回もまた早いうちに更新したいと思います。誤字などがあれば教えてほしいです。


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