第十八話 予想外の展開?
新キャラ登場です。このタイミングでヒロインが新たに追加です。
僕は棗と別れた後に三人仕留めた。弱いな、こいつら。普通五神将の部下ならもう少し強いはず。一人と戦った時なんか弾切れだけで慌てていた。つまり銃の扱いもなっていないってわけだ。となると誰の差し金なんだ?
とか考えていたら上から棗がやって来た。見た感じ無傷みたいだ。当たり前だと思うけど。
「終わったみたいだな。けどこいつら誰の差し金なんだろうな?」
どうやら棗も同じことを考えていたみたいだ。
「さぁな。とりあえず僕はホテルへ行くけどお前はどうすんだ?」
ホテルで待ってる美沙と友里にも報告しないとだし。
「ふぅ。まぁすることもないし俺は帰るよ。ああ、何かあった時のために連絡先を教えてくれないか?」
棗は溜め息と共にスマホを出す。僕も今回は助かったしこいつの情報力はあって損はないだろう。と判断して連絡先を教えた。棗とその確認をしてから棗は去った。さて、
「そこでこそこそしてるのは誰なんだ?」
僕は先程の掃除の途中から僕を付け回してくる奴に声を掛ける。バレてないと思ったのか、そいつはビクッ!とした後にさっと電柱の陰に隠れた。何がしたいんだ?ストーカー?
「出てこなくてもいいが用がないならここでお別れだな。生憎僕はそこまで優しくないんだ」
言って歩き出す。すると気配でわかるほどそいつは付いてきた。そして、
「ま、待ってください……!」
少し弱々しいが、しかし大きな声で話してきた。綺麗なソプラノの声。女か。だが僕の知り合いに 当てはまらないな。
「んで、何か用か?てかお前誰?」
振り返って僕は二つの疑問を聞いた。すると女はまたビクッ!としたがそれでも僕から視線は外さなかった。中々やるな。
さて、ここでこの女、とはいっても僕よりは年下だろうけど。まぁいい。この子の見た目を紹介しておこう。まず顔。幼い感じな子だ。目の色は赤。ルビーのような目と言ったところか。けど片方の目は髪で見えない。僕と同じオッドアイなんだろうかね?んで頬っぺたは引っ張ったら柔らかそうだな。こう、にゅい、って伸びそう。そして髪。金、だな。綺麗な金色だ、うん。長さは肩くらいまででそこまで長くはない、と思う。そして体付きはまだ中学生くらいなのだろうにスタイルがいい。一言で言うならモデル顔負けって感じだ。胸も何気に出てる、と思う。実際は知らん。と、まぁこんな感じで多分物静かな子なんだろうな。少しビクビクしてるから男性と話すのはあんまなかったのかもな。今の世代で普通に男女仲がいいのはうちの学校くらいか。それとも単に僕が刀を持っているからか。うん、絶対後者だな。さて、そんな話はもういいだろう。問題はこの子が誰なのか、そして僕になんの用なのかを聞くことだな。
「わ、私は横田舞と言います。お爺ちゃんから貴方の顔写真を見せられて……その……」
……ん?顔写真?僕は疑問を抱きつつも黙って続きを聞く。
「世刻秋渡っていう男の人が深桜にいるから会って来なさいって……。この顔写真の人は誰って聞きましたら、その……」
また俯く舞。どことなく言いづらいのかもしれない。しかし次の言葉は僕が固まることとなる。
「私の実の兄と……」
ビシッと固まる僕。
「ちょっと待て」
僕は今混乱した。妹?いやいや僕には妹なんかいない。あの馬鹿親父も何も言わなかったし。母親も何も言ってなかった。どういうことだ?てかあの爺、何を考えてやがる。
「え?」
「確認をしたい。そのお爺ちゃんとやらに電話をさせてくれないか?」
「は、はい。どうぞ。これ電話番号です」
言って紙切れを渡してくれる舞。僕はスマホでそこに書かれてる番号に電話をかけた。以外にも二回のコールで出た。
『もしもし?誰じゃ?』
この声はうちの祖父で間違いないな。
「秋渡だ」
『おお、秋渡か。どうしたって野暮はなしか?』
「なしだ。どういうことなんだ」
『一言で言おう。その子はお前の血の繋がった妹じゃ』
すまん、急すぎて頭が付いていけん。しかもこの爺からだから間違いはないだろう。
「だが僕は今まで見たことがないぞ?」
『訳ありでな。あの二人がいなくなる前にワシに預けてきたんじゃ。産まれたと同時にな。だからワシと婆さんでそこまで育てたのじゃ』
「なるほど。滅多にあんたらの所に行かない僕じゃいきなり妹と言っても信じないだろうしな。だから僕が来たときは隠してたってとこか」
僕は爺の話から昔の自分の性格的を思い出す。きっと妹がいても突き放してばかりで心に傷を負わせていただろうな。
「けどそれなら尚更なんで今頃僕の所に?」
『簡単じゃよ。ワシと婆さんがもう長くないからじゃ。しかも数日前によくわからん女が突然来てワシ達を皆殺すと言って来たのじゃ。そして嫌ならここから出ればいいともな。けどワシと婆さんはそこまで移動できるほどの体力はもうない。が、その子は別じゃ。何よりもまだ長く生きてないのにこんな所で殺させる訳にはいかぬと思いお前さんを頼ったのじゃ』
チラッと舞を見る。確かに死ぬには早いほどだろう。僕よりも後に産まれたとなれば尚更。けど、
「あんたらはどうする気だ?まさか死ぬ気か?」
僕の質問に爺はふぅ、と息を吐き、
『ワシ達はもう充分生きたさ。それにいい加減に向こうに行かんとあやつらとも会えんしな』
「そうか……。わかった。せめてあんたらの最期の願いだ。聞いてやるよ」
僕が重々しく言うと爺は安心したのか笑う声が聞こえた。
『恩にきるよ、秋渡。ワシ達の分まで幸せに生きてくれ』
「わかった。次はあっちで会おう。婆さんにも言っといてくれ。線香を添えには行くし」
『わかったよ。ありがとな。それじゃあな、もう、時間のようだしな』
「そうかそれじゃあな、爺さん」
『ああ、じゃあな、秋渡よ』
その言葉を最後に電話を切る。そうか……。爺さんとも婆さんとも別れか。せめて世話になった人達の願いくらい、聞いてやらんとな。
改めて舞を見る。舞は僕が自分をどうするのかわからないからかぷるぷる震えてる。……子犬みたいだ。
「さて、舞。話はよくわかった。舞が実の妹なのも爺さんと婆さんのことも、な」
舞はあの二人のことを思い出したのか、寂しそうな顔をする。気持ちはわかる。自分の恩人が死ぬことをわかってここまで来たんだからな。
「私は……」
「舞は僕の兄妹。それは変わらん。だからほら、帰るぞ」
僕は舞が何か言う前に言葉を遮り、手を差し出す。舞はその行動におどおどしながらもきゅっ、と手を繋いできた。僕は薄く笑い、
「じゃ、帰るぞ。家にな」
と言って歩き出した。
「ありがとうございます、お兄様」
と言って微笑んだ。思わず恥ずかしくて目を反らした。あと思った疑問。なんでお兄様?ま、好きに呼ばせておくか。
ーー
僕は歩いている最中に美沙に電話で報告をした。その後に僕は帰ると言ったら、
『え、帰っちゃうの!?』
と言われた。仕方なく舞のことを話したら渋々承諾してくれた。その後に友里に代わってもらい、今日は迷惑をかけたと詫びた。友里は「仕方ないわよ」と溜め息混じりに言った。なんか疲れてるな。まぁとりあえず二人とは電話で別れを告げて、僕は舞を連れて家へ帰った。鍵を開け、家に入る。舞は少し緊張しながら入った。
「緊張する必要はないぞ。今から舞の家はここだからな」
「は、はい……」
リビングに入って時計を確認すると八時を回っていた。
「さて、すっかり遅くなっちまったな。舞、今から何か作るから休んでてくれ」
僕はキッチンへ行き、冷蔵庫の中を確認する。ふむ、野菜炒めとかしか今日はできないかな。
「お兄様、手伝いますよ?」
と僕の側まで来ていた。僕は舞に向き直ると、
「二人の家から来たんだ。相当疲れてるはずだから遠慮なくゆっくりしていてくれ」
「で、ですが……」
意外と傲慢だな、舞は。ホントは休んでてもらいたかったけどこれは引き下がりそうにないな。即座に折れることにした。
「なら一緒に野菜炒めとか作るか」
「は、はい!」
何故かとても喜んで返事をしてくれた舞だった。
ーー
その後は僕が野菜炒めを、舞が味噌汁を作って二人で食べた。そして舞がとても美味しそうに食べてくれて僕も嬉しい気持ちになった。逆に僕が味噌汁を飲んだ時は不安そうに僕を見てたが僕が美味いと言ったらホッと胸を撫で下ろした。そして夕飯を食べ終えると舞を先に風呂に入れた。最初は後で大丈夫ですとか言ってたけど。僕は舞が風呂に入ってる間に食器を洗った。それが終わり、テレビを見てたら舞が上がってきた。
「お兄様、お風呂をどうぞ」
「おう」
そして僕も風呂に入り、上がってから寝ようと思ったのだがよくよく考えれば舞は布団がない。なので、
「舞、今日は僕のベッドで寝てくれ」
「え、で、ですがそうなったらお兄様は?」
「僕はソファーで寝るさ」
それしかないだろう。他に方法はないし。
「そ、そんな!偉大なお兄様にそんなとこで寝かせる訳には!」
僕はいつ偉大な人間になったんだろうか?しかも単にソファーで寝るだけなのに……。
「気にしなくていいぞ」
しかし、そう言っても舞は聞かずに、
「ならば一緒に寝ましょう、お兄様」
と頬を赤くして言ってきた。僕でもさすがにそれはまずいと思い、
「それこそ悪いだろ。だから気にせずに……」
とか言い争った結果、僕が折れた。そして今は舞とベッドの中。僕はもう少し粘り強さを鍛えた方がいいかもしれない。
「お兄様、今日はありがとうございました」
ベッドで横になって少し経ってから急に舞はそう言ってきた。しかしあれはもう仕方ないことだろう。それに、あの爺さんからの人生最期の願いだからな。聞いてやらないわけにはいかない。
「気にしなくていい。僕はあくまでやるべきことをしただけさ」
「クスッ。そうですか」
僕が即答をするとそれに笑う舞。そして、
「私はとても優しい兄を持っていたのですね。もっと早く会いたかったです」
と言い、僕に寄ってきた。
「僕はそこまで優しい人間ではないけどな……」
僕は否定をした。本当のことだし。
「私からしたら優しいのですよ。お兄様」
「…………そうか」
ならいいか。けど僕の手はやはり汚れると言うのにな。これまでも、これからも……。
「お休みなさい、お兄様……」
「ああ、お休み、舞」
数分後、舞は規則正しい寝息を立てていた。向こうにいる間のことは知らないがやはり寂しかったのだろうか。とても幸せそうな、そしてどこか安心した顔をしていた。あの二人のことだから暴行を加えたことはないだろう。あったら傷が少なからずあるはずだし、あったら僕が斬りに行ったな。そして改めて舞の寝顔を見て僕は、
「僕が優しい、か。そんなもの、僕には一生の無縁なモノなんだがな」
先程の舞の言葉を思い出していた。優しさなんて僕にはないと思うんだがな。実際僕は刀で人を何度も傷付けているし。これからもまた誰かを傷付けるだろう。下手したら相手を死に追いやるかもしれない。けど折角のあの二人からの願いだ。せめて舞だけは幸せにしないとな。
僕はそう誓い、静かに眠り始めた。
こんにちは、アイギアスです。
今回は新たに新キャラが登場しました。しかもまさかの!?です。この作品、ヒロインは何人になるのでしょうか?作者の私にもわかりません。
秋「はっきりしろよ。正直僕が辛いんだぞ?初期設定なんか消えてるし」
ア「あの基本人とはつるまないって奴?まぁ時が立てば変わるんだよ」
秋「無責任な発言だな。今すぐこの刀でたたっ斬ってやる!」
ア「ちょっ!まっ!?」
秋「ふぅ……。アホらし。もう諦めてるし別に今のが悪いわけではないしいいか」
ア「なら斬るなよ……」
秋「ところでまたなんかヒロインが増えるって話なんだがそれは本当か?」
ア「うん、本当」
秋「そうか。ならキャラ設定をよく考えておくんだな。ただでさえキャラ紹介の話がねーんだから」
ア「善処します……」
それではここで失礼します。