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第十一話 決着 VS黒坂

遅くなりました。

申し訳ありません。

黒坂は疑いの目を秋渡に向けていた。普通五十体もの機械人間と戦って生き残れるやつはいない。なのに目の前の男はそれを覆した。しかも見間違いでなければほぼ無傷だ。


「なん……だと……!?」


あまりにもあり得なくて思わず驚愕する黒坂。それに秋渡は、


「よぉ、五神将の黒坂虎雄。それと高須なんとか。悪いけどあの邪魔な機械、全部ぶっ壊しちまった。悪いね」


平然とした顔で言って退けた。高須も黒坂もその言葉を聞いてさらに驚愕した。


「秋渡君!」


「秋渡さん!」


冬美と愛奈は先程とは違う涙が流れた。それは勿論、喜びから来る涙だった。それに秋渡も、


「遅くなってすまない。だから責任を取ってこいつらを潰す」


その金と青の瞳で高須、そして黒坂を見やる秋渡。

黒坂は無意識に銃を構えた。五神将としての本能がこう伝えている。ーーこの男はかなり危険だ!

しかし、こんな時でも高須は高らかに笑っていた。


「あっはっは!僕達を潰す?笑えなさすぎてお腹が痛いよ!さっきの機械人間と戦ってその上僕達までも倒すなんて無理に決まってるじゃん!常識を考えなよ!」


と、未だに何も気付いていなかった。しかし黒坂は笑えなかった。なんせ……、


「(こいつ、あれだけの数と戦っておて息を全く乱していない!?だとしたらとんでもない化け物を相手にしてるようなもんだぞ!?)」


秋渡は息は普段してる時みたいに穏やかで、その瞳にはまだまだ余裕があるように思えた。


「(棗が敗れたのはこいつが相手だったのか?あいつですら傷をつけられなかった相手がもしこいつならそれも頷ける。だとすれば俺では勝てないぞ!?)」


黒坂が色々考えている間にも高須は秋渡に斬りかかる。が、

キンッ!ヒュッ!ガッ!

秋渡は刀で軽々と防ぎ、そのまま高須の顔面にバク転をしながら蹴りを食らわせた。それは見事に高須の顎に当たり、勢いも良かったためか高須は後方に飛ばされた。高須は校舎の壁にぶつかり、崩れ落ちた。高須は気を失ったのか、ピクリとも動かない。

黒坂はこれを見て一つ仮定を立てていた。それは、


ー世刻秋渡は隠れていた残り一人の五神将なのでは?


もしそうだとすれば棗が敗れたのも納得する。まだ五神将の内の四人は世間にも知れ渡っている。だが一人は今でもまだ不明。だがたった数年で五神将並の人が現れる可能性はまずない。これは言い伝えでは五百年の間の同じ年に同時に五人だけ現れる、というのが本当の話だったからだ。戦闘力、頭脳、運動神経がずば抜けている男性。これが五神将とされる。だからその五神将を倒せる者。それはやはり同じ五神将しかいない。

黒坂は知らぬうちに冷や汗をかいていた。


「さってと、どうする?黒坂」


秋渡の声で我に返る黒坂。彼は金と青の瞳で黒坂を見ていた。


「僕としてはそこに転がっている馬鹿男を拾って持ち帰ってほしいな」


秋渡はそう言う。が、しかし黒坂は、


「親友をここまでされて黙って帰ると思うか?高須をやった分、俺が借りを返す!」


「仇討ち、か。ならしゃーない。僕も同じように仇討ちをさせてもらうわ」


ーー

あーあ、言っちまったよ。仇討ちとか考えたことねーのに。でも帰ってくれねーならしょうがねーよな。

どうせだし、恋華、星華、冬美、工藤、室川の五人の仇、取るか。喜ぶかは知らんけど。

さーて、こいつをどうやって倒すかな。銃だし中距離から遠距離戦は危険だな。なら、


「先手必勝だな!」


一気に距離を詰め、刀を降り下ろす。黒坂は一瞬驚いたが、すぐにそれを右に避ける。そして銃を出して僕に向かって乱射する。僕はそれを刀で全て防ぐ。さすがは五神将。的確な位置を狙うな……。


「やはりか!」


いきなりそう言う黒坂。どーしたんだ?

黒坂は僕に、


「やはりお前が最後の五神将か!」


「何言ってんだお前」


思わず素で返す。確かに合ってはいるけどな。ただ何故そんなに確信を持って言ったのかが僕にはわからない。てかなんでいきなり……?


「誤魔化すな!お前が五神将なのはもう確かだ!俺の銃は乱射数が一秒で二十発撃ち出せる。今回俺が撃った時間は五秒。つまり百発の弾丸をお前は全て防いだ!この時点で普通じゃないのは確かだ!」


えぇ~……。そうなの?だったら避ければ良かったじゃん。


「ま、んなこたぁどうでもいいや。さて、じゃあ僕はお前を倒させてもらうか」


「質問に答え……っ!?」


黒坂の声が途中で途切れる。理由は簡単だ。それは、


黒坂の腹部に僕の刀が貫いていたからだ。


黒坂から刀を抜く。と同時にブシャッと血が出てきた。って当然か。


「かはっ!?」


黒坂は血を吐いた。だがさすがは五神将と言うべきか、黒坂はフラフラしてるものの、倒れない。多分五神将としての何かがそうさせてるんだろうな。


「やめとけ。そこまで致命傷になってるんだから下手な事をすると色々冗談じゃすまないぞ」


一応僕は警告をしておく。


「ぐふっ!…………その……ようだな……。なら今日は……大人しく……退くと……しよう……」


お、物分かりがいいやつだな。そういったやつでよかったよ。


「高須、退くぞ……」


ゼェゼェ肩で息をしながら高須に声を掛ける。高須はそれでなのかただの偶然かは知らんがタイミングよく目を覚ました。


「黒坂!?そ、その怪我は!?」


「その男にやられた……。俺じゃまだあいつには勝てねーわ。すまんな、高須」


高須が驚いて聞けば黒坂は苦しそうにしながらも答えた。


「高須、とりあえず病院に行くぞ。俺もさすがに止血しねーとやべーし」


「ぐっ……!覚えてろ!世刻!」


「むしろ忘れて二度と来ないでくれ」


本気の願いを言い返しておいた。

とにかくこれでなんとかまた五神将を撃退できたな。いやー、やっぱ少し疲れたな。帰ったらシャワーでも浴びるか。


「秋渡さん!」


ぼふっ!


愛奈がいきなり僕にダイブしてきた。余程心配していたのか、愛奈は涙を流していた。こりゃ今回は他の奴等にも相当心配かけたかもな。愛奈を撫でながら、冬美、恋華、星華、工藤、室川を見る。みんな少し怪我をした程度なのか思ったよりは大丈夫そうだ。だけど……。

なぜみんなそんな冷めた目で見ているんだ?いや、そう見てきてるのは冬美と恋華と星華だけどさ。


「恋華、どうしたんだ?」


恋華に聞いてみると、


「何でもないよ、秋渡!」


刺々しい返事が返ってきた。態度もどこか苛々してるっぽい。絶対なんかあるだろ……。多分星華と冬美も(視線的に)。


はぁ……。折角勝ったのにこれかよ……。なんかめっちゃ悲しい。

ま、いっか。いや実際は全然よくねーけど。それより、


「愛奈、そろっと離れろ。暑いから」


運動した後みたいなものなので、今ちょっと体があっつい。


「嫌です!折角秋渡さんに抱き付く事ができたので」


愛奈が満面の笑みでそう答える。あれ?なんか近くから三つくらい殺気が……。

あと愛奈、今僕の腹になんか柔らかいあるものが当たってるんだが……。


「しゅ~う~と~!?」


「………………ぷぅ」


「秋渡君?」


こえぇ……。この女達めっちゃ怖いんだが……。その中で一人だけ僕の腕の中で笑ってるやつもいるがな。

室川、工藤!助け……、


「私達は生徒会室に戻りましょうか」


「ええ、そうね。お邪魔したら悪いし」


見捨てられた!?薄情者達め!

その後、愛奈に捕まったままの状態で僕は四人の美女達によって色んな意味で揉みくちゃにされた。死ぬかと思ったぜ……。

黒坂との戦闘はこうして少しまた賑やかさを取り戻して幕を閉じた。

けど頼むからこれ以上濃い女が来ないこと願う僕だった。

理由?そんなの簡単だ!僕の身が持たないからな!

けど今は少しこいつらとの時間も楽しいと思ってきてる自分もいるがな。やれやれ……。少し、丸くなったかもな、僕。


ま、いいか。

少しは素直になれたんだろうしな。


どうも、アイギアスです。

ネタが尽き始め、少しピンチです。

けどこれでもまだヒロインがまだ全員は出てないんだよなぁ。

予定ではあと一人です。気分によっては増えます。

とりあえず頑張って書こうと思います。

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