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恋の果実  作者:
8/21

同居終了!?

 今日からいよいよ夏休み! もう私の頭の中には夏休みのスケジュールでいっぱい。なので今の私は、テンションがいつもより高いのです!

 ピーンポーン

 誰だろう? お客さんなんて珍しいなぁ。

「はーい。あっ! 大家さん!!」

 彼女は神代雪菜(かみしろゆきな)さん。ここ、グリーンコーポの大家さんで、腰よりも少し上にある髪が横で結ばれている。足も細くて長い美人さん。

 でも、大家さんが来るなんて珍しいなぁ。どうしたんだろう?

「大家さん、今日はどうなされたんですか?」

「あっ! あの、藤咲君はいらっしゃるかしら」

 藤咲君に用事?

「ちょっと待ってくださいね」

 私は急いで藤咲君のところに行った。

「藤咲君、大家さんが呼んでるよ」

 藤咲君にそう伝え、私は昼ご飯の仕度をすることにした。でも、大家さんの一言が、私の手を止めた。

「部屋の修理が終わったから、もう部屋に戻れるよ」

 えっ!? じゃぁ、もう藤咲君とは一緒に暮らせないってこと?

「わかりました。わざわざありがとうございました」

 私は頭の中が真っ白になってしまい、なにも考えられなくなってしまった。

「桃山」

 たぶん、部屋のことだよね。でも、なんか藤咲君の口からは聞きたくない。だから私は、

「聞いたよ。部屋の修理終わったから、戻れるんでしょう?」

「あぁ」

 やっぱり、本当なんだ。

「よかったじゃん」

私は藤咲君の顔を見ずに言った。藤咲君の顔見ながら言ったら、笑えてないのが気付かれてしまうから。

「今までありがとな。お礼ってことで、どっか遊びにいかねぇ?」

 遊び? まぁ、気分転換にはいいかな。

「うん、行こう」

 私は笑顔を作った。

 私と藤咲君はただの隣人。今日からそれに戻るだけ。なにもおかしくない。

「じゃぁ、どこに行く?」

 どこ行こう? ショッピングだと思いっきり遊べないし。あっ! そうだ!

「遊園地がいい!!」

 遊園地なら気分転換にはちょうどいいし。まぁ、同じ学校の子に会う可能性もあるけど、逃げれば大丈夫!

「じゃぁ行くか」

「うん」

 もう忘れよう。私はもう、あんな思いしたくないんだ。


 ふぅー。やっと着いた。さて、遊ぶぞー。

「桃山、早く行こうぜ!!」

 そう言って子供のように笑う藤咲君。

 こんな笑顔も、もう見れなくなるのかな? そんなことより、今日は思いっきり遊びまくるぞー!


「はぁー。楽しかったー」

「桃山、思いっきり遊んでたな。びっくりした」

 思いっきり遊びまくってしまった。だって、この遊園地、遠すぎて全然行く機会なかったし。

「さて、帰るか」

「うん」

 もう今日は満足。すっごく楽しかったなぁー。


 我が家に到着。今日は疲れたー。

「桃山、じゃぁ俺、部屋に戻るな」

 えっ! もう帰っちゃうの? でも、こんなこと言ったら藤咲君に迷惑だよね。

「うん」

 と、そっけない態度で返事をした。

 これがいつも通りの生活。もとに戻るだけ。

 部屋の中を見ると、一人というのに少し違和感があった。 

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