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恋の果実  作者:
11/21

恋の花火

「怖い……」

 私は人気のないところまで走った。

 そこは、大きな桜の木のある、私の好きな場所だった。

 ここは、星川神社という、この町では結構有名な神社で、小さい頃からよくこの神社に来ていた。そのため、どこに何があるのかぐらいはわかる。

 この場所は、神社の裏側に位置しているため、ここに大きな桜の木があることも、ほとんどの人は知らない。しかも今日、この神社に訪れている人のほとんどは、花火を見るためだ。当然こんなところに足を運ぶ人などいない。

 私は桜の木に寄りかかり、涙を流した。

 彼女たちは、私が小学6年生のときに、私をいじめたうちの二人。私はあるときを境に、三人の女の子に、徹底的に痛めつけられた。あの二人は、いじめの黒幕ではなかったため、少し安心した。

 そんなことを考えていると、頭上から、優しい声が降ってきた。

「桜?」

 私はふと上を向いた。

「藤咲……君? なんで?」

 なんで藤咲君がここにいるの?

「桃山が急に走り出すから、迎えに来た」

 そう言って、藤咲君は私を抱きしめた。

 まるで、温かい光に包み込まれたような、そんな感じだった。藤咲君の胸の中は、すごく温かくて、安心する。

 やっぱり私、藤咲君のことが好きなんだ。もう一度だけ、信じてみようかな。傷つくかもしれないけど、それ以上の幸せが待ってるような気がする。

 バン!

 丁度そのとき、きれいな花火が空に浮かび上がった。

「きれいだね」

 私は空に上がった花火を見ながら、そうつぶやいていた。

「そうだな。桃山、これからどうする? まだ、花火見てくか?」

どうしよう……。あの人たちに会いたくないし。

「帰ろうかな。藤咲君はどうする?」

「桃山が帰るなら、俺も帰る」

なんか、藤咲君に悪いことしっちゃったかな。

「帰ろう、桃山」

そう言って、藤咲君は私に手を差し出してくれた。

「うん」

私はその手を取り、二人で自分たちの部屋へと帰った。

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