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Destiny・Wars  作者: 梅院 暁
第二章 ~謹慎~
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第四話

 間が開きすぎたので、ちょっと前回までのあらすじを振り返ってみる。


<これまでの〝Destiny・Wars〟は!>


「この剣は、いったい……」


 森の中を進んでいたボルスは、一本の剣を拾う。

 その剣は、彼の知る中は最も優れた業物であった。


「ファイアボール!」


 そして、その剣を狙い突如襲ってくる盗賊達。

 ボルスは辛うじて退けたものの、その代償は大きかった……


「俺の飯がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」




 ……うん、こんな感じだった気がする(待て)。

「ただ今を持って貴様に謹慎を命じる」

 男はそう言って一枚の紙を見せた。

 ここは、一般の兵士達が寝泊りする兵舎の一室である。この部屋の住人である青年は朝早く起こされ、冒頭の言葉を言い渡されたのだった。

「理由をお聞かせ願えますか?」

 青年は、普段とは打って変わって真面目に尋ねた。

 もっとも、理由は察しが着くのだが。

 紙を突きつけて来た男は溜め息を()くと、

「パーシヴァル、貴様の凶行には目に余るものがある。まさか、ヴィルジニア(きょう)の御子息に手を上げるとは……」

 と、苦々しく吐き捨てた。

 ヴィルジニア卿。この国の有力貴族にして、代々騎士団長の位を勤める家柄だ。

「城中でヴィルジニア卿から貴様のことを聞いた時は肝を冷やしたわ。御子息に一方的に暴行を加えたそうだな」

「お言葉ですが、私は一方的に暴行に及んだ覚えはありません。あれは、向こう側が……」

「言い訳をするな、パーシヴァル」

 冷え切った上官の声。

「貴様がどう弁明しようと勝手だ。だが、一番の問題は貴様がよりにもよってヴァルジニア卿の怒りに触れるようなことをしたということ……貴様は事の重大さが分からんのか!」

 次々と捲くし立てる上官の声を聞きながら、パーシヴァルは歯軋りする。

 この男は自分が目を点けられるのが嫌なのだ。早い話が、自分の出世のために保身に走っている。そのために、事実を揉み消す。

 一応、誰だって自分の身は大事だから、そのことを責めるわけにもいかないということは理解は出来る。ただ、それに嫌悪を覚えるのとは全く別の話だが。

 だからこそ、パーシヴァルは黙って上官を睨み付けるだけに(とど)めた。

「何だその目は? 命令が聞けぬというのなら、さっさとここを出て行ってもいいんだぞ?」

 それは暗に「軍を辞めろ」と言っているも同じだ。

 思わず手を出しそうになったが、何とか自制する。

 怒りに高ぶった感情を何とか沈め、パーシヴァルは上官の前に肩膝を着き、(うやうや)しく(こうべ)を垂れる。

(つつし)んで……拝命いたします」


 上官が出て行った後、パーシヴァルはしばらく扉を凝視していたが、それを止めると寝巻きから着替えることにした。

 今は夏なのだが、大陸北部に位置するこの国では、季節はほとんど関係ない。せいぜい雪が降るか降らないかの違いだけだ。要は、夏なのに肌寒い。

 生憎(あいにく)、自分はこの辺りの出身ではないから、寒さに対して耐性を持っていない。

 黒を基調としたアンダーウェアの上から厚手のジャケットを羽織る。色は濃い目の紫だ。

 鏡で自分の格好を確認し、髪を整える。朝早くから叩き起こされたために、自慢の一つである黒髪が見事に()ねまくっている。しかも、大分長くなっているから、()かすのも一苦労だ。苦戦しつつも(くし)を通し、滑らかに仕上げる。

「よし」

 と、衣装棚近くの壁に立て掛けた湾刀に手を伸ばそうとしたところで、

(謹慎中に武装するのは避けるべきか)

 と考えた。

 謹慎を命じられた場合、原則として自室待機が求められた。当然、外出は控えるべきだが、素直に従うつもりは毛頭ない。

 それどころか、パーシヴァルはこの謹慎を利用して久々に骨休めをしようと考え始めた。先程の上官の言葉を思い出すと、怒りを覚えないわけではないが、済んだことは仕方がない。今は、この休暇(・・)を有意義に過ごすべきである。

 そんなことを良く言えば前向き、悪く言えば楽観的に考えたパーシヴァルであった。

一部の友人は後書きしか読んでないみたいですが、気にせず続けてみました。


<D・W第三話作成秘話および裏話>

 第二話の前書きを読んでいた人は気付いたと思いますが、元々第二話と第三話は二つまとめて同じ話として更新する予定でしたが、あまりにも文字数が多かったので、分割しました。

 実を言えば、第二話の冒頭と第三話の最後の文章は微妙にリンクしています。

 第二話冒頭で、

「静寂に包まれた森の中――」

 で始まり、第三話の最後で、

「静寂に包まれた森の中――」

 で終わっています。皆さん、気付いていただけましたか?

 これは、第二話の戦いのシーンで、盗賊の一人が焚き火に頭から突っ込んだシーンを書いていた時に、「そうだ! 最後はこんなオチにしよう!」と考えた結果です(最後のボルスの絶叫は、ギャグのセンスが皆無な作者が必死に考えたネタでした)。

 まぁ、結局分割しちゃったんで誰も気付かず仕舞いだと思いますが……


 ちなみに、第二話のタイトルは「火炎」、第三話のタイトルは「魔装具」としましたが、分割前は当然「魔装具」で考えてました。しかし、分割後、一番困ったのはやはり第二話のタイトルでした。

 で、友人に相談したところ、こんなやり取りが……


友「そう言えば、第一話は『剣』だったっけ?」

私「そうだけど?」

友「う~ん、じゃあ、いっそのこと第一話の読み方を『ブレイド』にして、第二話のタイトルは『響k」

私「言わせねぇよ!」


 ……分かる人には分かる。

(注:この会話は事実に基づいたものです)


追記:サブタイトル変えちゃったので、今話の後書きはあまり意味のなさないものになりました。ご了承ください。


 感想、意見等心よりお待ちしています。

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