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「澱」  作者: まりも。
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彼の無骨な手が、彼女のふくらみの縁をなぞるたび、押し上げられた輪郭がかたちを変え、細かく震えた。


指先が撫でながら寄せ集め、淡く押し潰された起伏が内側へと溶け込み、喉の奥からかすかな吐息が洩れる。


湿りを含んだ熱が肌の奥へと滑り込む。

鈍い疼きは奥深くに根を下ろし、その波紋を静かに広げていった。


沈んだ熱は肌の内側に残り、ゆるやかな静寂を伴い動きを鈍らせていく。

掌の動きとともに、舌と唇は絡み合い、 肌の表面から深層へと響きを送り込んでいた。




舌先が乳尖の縁をゆるやかに描き、やわらかなふくらみを内から押し上げる。


唇が輪郭を縫うように重なり、湿りをひそかに引き寄せる。

内側を押し出す舌が、柔らかな先端の境目を内と外から挟み、撫で回す。


吸い寄せられた唇の奥で、わずかに尖った乳尖が掠れ、絡む湿りに熱が帯びていく。


寄せた掌の温もりに呼応し、舌と唇は律動を織り成し、肌の奥へ熱を落とし込んでいく。


「ん、……っ、ん……!」


下腹部にこもる熱が脚の奥へと染み込み、寄せ合った膝頭に微かなしなりを与える。


触れ合うたび喉奥から細切れの声が零れ、残された余熱が静かに内へと浸透していく。


絡む脚は形を持たずに、そっと免れてはまた寄せ合い揺らいでいた。

 


指先が彼女の腰にかけられた布地をなぞる。

かすかな引きに応じて布が浮き、脚を伝い、下の衣服も軌跡を描いて剥がれ落ちる。


露わになった内腿を、わずかに残る布がかろうじて覆う。

内に帯びた熱が、生地を伝って肌の色彩が淡く浮かび上がっていた。


離さぬままに膝が脚のあいだへと据えられ、

薄布の内側に残る熱が内腿を這い、解かれた脚は静かに開いていく。




触れた境目を離さぬまま、膝が脚のあいだへと滑り込む。

生地越しに伝わる微かな熱が内腿をかすめ、脚はゆるやかに解かれていく。


膝が据えられると、柔らかな肌がわずかに沈み、圧が静かに染み渡っていく。

押し上がる動きに応じて腰が微かに揺れ、すり寄るような反応が積み重なった。

まとわりつく脚はごくわずかに震え、押し殺された吐息が喉の奥に滲む。


「あっ……あっ、ゃ、あっ……」


擦れ合う膝が編む小さな摩擦は、薄布の内側で淡い熱を揺らし、肌の深層へ静かに広がっていく。

その繰り返される動きに合わせ、彼女の腰もゆっくりと沈み込み、淡く溶け合うような接触が静かに重なっていった。



ふと、彼の膝の動きが途絶え、音のない静けさが満ちる。

熱を追うように微かに揺れた脚が、名残を求めて空を掻く。触れ損ねた肌は、淡い痕跡だけを残して、なおも余韻に揺れていた。



彼女の下腹部がわずかに波打つ。

そこに視線を落とした彼は、言葉なく再び圧を送る。



刺激が覆いの下で滲み、粘膜の縁をかすめながら肌の裏側を波紋のように這い広がっていく。


彼女の背がわずかに反り、震えが骨の奥まで届いた。


「あっ、ひ、ぁっ、……ぁ……っ!」


その声が喉奥で断ち切れ、短く弾けてから残響をまとって内奥へと沈んだ。

絡み合う脚はわずかな痙攣を繰り返しながら、揺れる残響に引かれ、肌を寄せ合うのをやめられなかった。



やがて、彼の脚が離れる。

膝が滑ると、わずかに揺れた身体は、その在り処を探すようにその場にとどまり、やがて失われた感覚を静かに受け入れていく。



指先が薄い縁をつかみ、なぞるように滑らせていく。

最後の衣がほどけ落ちると、露わになった粘膜が薄く湿りを含み、淡い光をその縁にわずかに滲ませていた。

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