①
初投稿です。
六畳ほどのワンルーム。
くすんだ青のカーテンの隙間から、沈みかけた陽が、白くぼやけて差し込む。
窓は閉ざされているが、外の空気は春の名残を帯びて、初夏へと移ろう淡い湿り気を含んでいた。
フローリングには小ぶりなラグ、その上に低めのテーブル。
読みかけの文庫本と、ヘアクリップ。
買ってきたままのコンビニ袋が、口を開けたまま放られている。
天井の灯りは点けられておらず、卓上の間接照明だけが、ベッドの端まで淡く照らしていた。
境界を曖昧にするようなその光の中で、部屋全体が、静かに滲んでいた。
なぜ男がこの部屋にいるのか二人ともはっきりとは、思い出せなかった。
連絡を取り合った記憶も、待ち合わせた覚えもない。
ゼミが早く終わった日だったかもしれないし、そうでなかったかもしれない。
同じゼミに所属する、ただの同級生。
名前を呼び合ったことは一度もなく、レジュメを手渡したのも確かに一度だけだった。
それ以上の接点は、どこにもなかった。
彼は、音もなく、沈むように部屋の奥へと歩を進めた。灯りの滲む薄暗い空間で、揺らいだ女の瞳を静かに見つめている。
ふと伸ばした手に、彼女の身体は自然に傾く。
肌の下で布地が沈み、音もなく受け止める。
ふたりは、緊張も、覚悟も、言葉すら交わされることなく、ただ、互いの体温を重ねていった。
やがて、彼の指が彼女の服をたくし上げた。
布越しに沈んだ指先が柔らかな起伏を辿るたび、たわんだ輪郭が、熱を帯びた肌で押し返す。
その感触に、彼女の喉がふるえ、短く震えるような吐息が、耐えるように零れた。
彼は静かに手を伸ばし、服の裾をゆっくりと首元まで捲り上げた。
下着の縁に触れた指先がそっと押し上げられ、薄く包んでいた布が柔らかな輪郭を惜しげもなく露わにする。
淡い肌の熱が指先に伝わり、彼女の身体は静かに震えた。
がんばります。