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リバイバルシード、でいいのかよ⁉︎   作者: 河原ブーメラン


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20/20

ラシー&ルナの通信体験教室 アナザーサイド 〜ブーメランは戻らない〜

『お前らな〜ウチらはそんなに暇じゃないからな〜? 今は暇だけど・・・』

『ラシーちゃん‼︎ なんでわざわざツッコミ要素入れるの‼︎』

 最早、都原カイトたちの研究室と通信が繋がるのが当たり前になってしまったラシー・セルシーとルナ・コートリアムだった。

 暇があるとこうやって話すようになった。

 一般回線とは別の方式をとっているメイルストローム号とは通常繋がることはないはずなのだが・・・恐らくやたら色々機能を盛り込んだ人工知能のINOを通しているのでそのせいだろう。

「暇なら話しましょうよ。俺たち結構おばさんのこと好きなんだぜ」

 ラシー達の声が発せられるスピーカーとは真逆の方を向き、都原カイトは画用紙をハサミでチョキチョキと切りながら淡々と話す。

『おばさんじゃねえよ‼︎ それよりお前ウチのこと好きなのか⁉︎ おばさんおばさん言っといておばさん趣味なのかお前?』

「ん〜?恋愛の好きとは違う好きって意味なんだけど・・・おばさんも若いね〜・・・」

『実際に若いんだしっ‼︎』

『あんまり必死だと逆効果だから‼︎』

『おねえさん認定されてるお前は引っ込んでろ‼︎ ファイナルコペンハーゲンをコイツらに朗読して聞かせるぞ‼︎』

『いいわよ? ファイナルコペンハーゲンはロマンティックだから』

『ロマンティックってお前・・・あれにそう感じるのはお前だけだし‼︎』

「なにそのファイナルコペンハーゲンって⁉︎」

 都原の隣で同じく画用紙を細長くハサミで切っているドルチェはその奇天烈なタイトルに興味を示す。

『なんか凄い有名な映画に似てる気持ち悪いナポリタン小説だし‼︎ 略してファイコペ‼︎』

『気持ち悪くなんてないわよ〜‼︎ 本格ラブロマンスが分からないの⁉︎』

『さっき読んだら清太が最新話で何も悪くないマルチェロへの復讐を誓ったとこなんだが?』

『そうなの‼︎ その復讐が清太とマルチェロをコートジボワールへ導いていくの‼︎』

「すっごい気になる‼︎ おばさん読んでそれ‼︎」

 都原とドルチェが切った紙3枚をホッチキスで留めながらリッジス。

『ほらラシーちゃん‼︎ この際、忖度の無いこの子達にファイコペの良し悪しを判断してもらいましょう⁉︎』

『なんでそんなに自信満々なんだよ⁉︎ まあいいし・・・あの内容を子供に聞かせるのは気が引けるが責任はルナが持てよ? あと軽い感じのてめえ、ウチはおばさんじゃないし・・・ああ、じゃあ読むぞ、覚悟しろ?』


 ファイコペ読み聞かせ中・・・


『清太のナポリタンがマルチェロの平和な日常を蝕んでいく次回へ続く・・・』

 ラシーが第一話から最新話までを朗読し終えるとルナはすかさず・・・

『どう? これがおねえさんの自信作です。清太がナポリタンの腕を上げるために悲鳴を上げながらフライパンを振る場面なんて感動で思わず涙が出ちゃうでしょう? もう話してて私泣いでるよー・・・』

 顔の見えない通信相手の鼻声に都原たちは絶句しながら天井を見たり床に目をやったりして困惑の表情を浮かべる。

「な・・・んて言えばいいんだこれは? おねえさん? これは斬新なコメディですか?」

『・・・・?』

 都原の問いにルナは黙る。

「いや、そんな何言ってるか分からないみたいな無言で返されても困るんだけど、面白かったんだけどこれはラブロマンスではなくハードコメディにしか聞こえなかったのよ。てかなんかほのかにエロいのもあってか面白すぎて声が出ない笑いで窒息するかと思った」

「っていうかこれ火垂るの・・・」

『ああ〜〜〜‼︎ 版権に関わるから言うなああああ‼︎‼︎ ほれ、聞いたかルナ? これが忖度の無いファイコペの評価だ。だがやっぱり面白いんだよ。ジャンル変更するなら今だし』

『ジャンルは・・・変えない・・・』

「いや、でもこれコメディのカテゴリで検索で出てきたらウケると思うんだけどおねえさん? 読者としてはジャンル変更を所望する。てかここからいつかコートジボワールへ舞台が変わるのか、因みにデンマークのコペンハーゲンはいつ出てくるんです? やっぱりラストに持ってくる感じで?」

『それウチも前から気になってたんだし‼︎ ルナやっぱりデンマークで話は締めくくられるのか?』

『・・・・・・・・・・』

「黙ることじゃないでしょ? おねえさんまだどこの出版社とも契約なんてしてないなら教えてくれても・・・」

『・・・・・・・・・・・・・』

『おい、お前さては語呂がいいからコペンハーゲンって付けただけとかじゃないだろうな?』

『ん〜・・・・正解』

「おねえさんってもしかしておばさんと同じくらいバカなんじゃ・・・」

 小さく呟いた都原をラシーの地獄耳は逃さない。

『全然ちっげえよ‼︎コイツは身体が売りの頭すっからかんだがウチはIQ160のジーニアスだ‼︎‼︎』

「ああ、そうなの?」

「そうねおばさんそういう感じのアレだもんね」

 キャラの濃いラシーに気圧されるリッジスとドルチェの意識はファイコペからは離れたようだった。

『ねえ‼︎ 身体が売りとか言わないでよ‼︎』

『小娘貴様‼︎そういう感じのアレってなんだよ⁉︎』

「おばさんが傷つくから言わない」

『おばさんでもう傷ついてるはあああああああああーーーーーー‼︎‼︎‼︎‼︎ お前らどっかであったらぶん殴るからな‼︎‼︎‼︎‼︎』

「多分おばさんと顔を合わすことなんてないから大丈夫。よし、オネエサンズのおかげで紙のブーメラン作ってる間退屈しなかったよ。ありがとう」

 と、言いながら都原はY字に繋げた細く切った画用紙の先端の端を軽く曲げて、片目を閉じてバランスを見る。

『お前らブーメラン作ってたのかし? あんな物信用するなよ?ウチがいくら川原で投げても戻ってきたことなんて一度もないからな?』

 お互い顔を見られたくないせいかカメラをオンにはしていないので様子がわからないが、なんとなくラシーが口元に手を当ててプププと笑っているのがわかる。

 都原がブーメランを投げると綺麗に弧を描き手元に戻ってくる。

「それは多分思いっきり投げてません? ブーメランって軽く手首のスナップを効かせて投げれば玩具屋とかに売ってるのはほぼ確実に戻ってきますよ?」

『なっ⁉︎ そんな馬鹿な⁉︎ ブーメランがそんな簡単に戻ってくるわけが‼︎』 

「ブーメランの投げ方なんてネットで探せばいくらでも出てくるでしょうに・・・これから今作ったコレ投げてAIに揚力とか空気力学のデータ教えるんでこの辺で失礼します。画用紙のブーメランの作り方はそっちに送るんで作ってみてくださいよ。INO? 通信を遮断してくれ」

『ちょっと待て‼︎ そんな簡単にウチの川原での日々が否定されてたまるか・・・・プツン』

 ラシーの悲痛な叫びに構わず通信は虚しく途切れる。

「エネルギッシュなおばさんだ・・・顔を合わせて話すと疲れそうだから通信だけの関わりにしよう」

「でもなんか、あっちは探しに来そうね。通信ラグからするとそんなに遠くにいる感じじゃないから射程圏内にあたし達は入ってたりして」

「レゾナンス内だとしても相当広いから無い無い」

 三人でヒュンヒュンとブーメランを投げながら朗らかに笑い合うが、彼らとラシー・セルシー&ルナ・コートリアムが衣食住を共にすることになるまで半月も無いのは知る由もなかった。




レゾナンス到着前編の最終話になるはずでしたが思いついちゃったのでまだ少しあります。というかブループロトコル:スターレゾナンスというゲームを始めてしまい見事にハマり腐って更新が遅れました_| ̄|○

 お許しください(>人<;)

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