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ロザンナ先生質問コーナー

「チンパオ? 僕たちこっちでも活躍してみる?」

「OK、もちろんさ、ハヌマッチ」

「なんか本編凄い途中なのに私の授業だ。別にあのお方が真面目なのに疲れたからとかではないらしいから安心しとけ、絶対真面目なのに疲れたわけじゃないと言っていたから絶対なのだろう」

 VSA操縦士養成学校ソーディスの女教師ロザンナ・ホーキンスはメガネに手を添え教壇の上で教鞭片手に凛として構える。

 この物語は作者が疲れた・・・じゃなく、リバイバルシードという物語を補完するために紡がれる物語である。

 ロザンナはとても優秀な教師であり今日も今日とて問題児が多いこの担当クラスでもなんとか授業は進み、授業時間には10分ほどの余裕が出来た。

「お前らもあんまり良くない頭に難しいことをぶち込んでばかりだと、薬とかに頼りそうだから、雑談でもしようか。私は教師と生徒の壁というものが嫌いでな、そんなものがあるとお前らのポンコツな頭に余計な負荷がかかり更に授業の効率が下がるので、まずは私がお前らのくだらない質問に応えてみせよう。なんでもいいので質問のある奴はいるか?」

 問題児ばかりだが授業態度はいたって普通なクラスなので生徒一同は一瞬黙る。

 この沈黙は自分の受け持つ生徒が良く考えて質問をする兆候と見てロザンナは口角を上げて、うんうんと頷く。

 そこに、ゆっくりと手を上げる生徒が一人、黒髪黒目の純日本人の少年、都原カイトである。実家は辰真流という伝統ある剣術の師範を代々務める名家であり、本人もVSAの操縦に於いては、その剣術を活かした剣技で優秀な活躍を見せる今年度の生徒の中では注目株の生徒である。

「うむ、都原なんでも聞いていいぞ? 先生のスリーサイズとか聞いてきたとしても自信があるから答えるぞ?」

「先生って、なんで土日の夜に見かけると大体道端で泣いてもんじゃ焼き口から吐いてるんですか?」

「フグッ・・・」

 教室が一瞬沈黙に支配される。

「・・・うん、都原。なんでも聞いてもいいとは言ったが、あくまで生徒と教師は他人だから踏み込んで良いことと悪いことがあるんだ。質問を変えてくれ」

 キラキラした笑顔で質問の変更を提案するロザンナ。

「じゃあ・・・先生の部屋ってなんでアニメのイケメンキャラのグッズで溢れているんですか?」

「お前、なんでそんなこと知ってるんだ? 怒らないから言いなさい」

「だって、リッジスが先生めちゃ好きだからやたら色々知ってるんですよ、なあリッジス? お前先生のことなら98パーセント知ってるって言ってたよな?」

「え〜バラカイバラさないでよ〜」

 と、都原の前の席のリッジス・クウ・エンハムが間延びした声で応じる。リッジスはスポーツ万能、特に球技や銃技に関しては学年一の才覚を示す、首に少しかかる長めの金髪に日焼けした肌が特徴の少年である。

「なんで知ってるんだ?」

 ニコニコと首を傾げて聴くロザンナの笑顔はどこか黒い。

「そういうの専門の()()から聞いてるんですよ」

「あっお前も()()と知り合いなんだ」

 なるほどね〜っと都原は感嘆するように言う。

()()とか平然と怖いこと言うのやめてくれる? で、そいつはどこのどいつだ?」

「見た目が合うたびいつも違う奴で、前に会った時は2組だったんですけど、この前会った時は違う学年になってました」

「何⁉︎ そいつ⁉︎ 名前は⁉︎」

「知りません。いつも業者って呼んでますから」

「ちょっと待ってよ‼︎しばらく私寝れないかもしれないんだけど‼︎」

 顔面蒼白で頭を抱えるロザンナだが、

「あ〜、あのいつも顔が違う奴ね? 先生、()()に狙われたら胃の中まで知られてると思って良いわよ?」

 都原の隣の席の赤茶色の髪をポニーテイルにした女生徒、ドルチェ・ド・レーチェスがジト目で口元に手を当て、フフフと笑う。ドルチェは一年生女子ながらにして格闘技系の部活を掛け持ちしいくつものトロフィーを掻っ攫っている、見た目は可愛らしいスペイン国籍の少女である。

「お前も知ってんのかよ⁉︎ 今度そいつ私の前に連れてこい‼︎」

「無理よ。だって向こうから言って来ないとあたしだってわからないもの。名前がほにゃらら業者とかじゃないの?」

「そんな名前の奴聞いたこともねえよ‼︎ なんなんだよ()()ってーーーーーーー‼︎」

 エビのように仰け反るロザンナを他所に、都原たちは、

「基本良い奴だよな?」

「うん」

「よね」

 と、頷き合う。

「先生、そういう反応先生らしくないわよ。安心して()()は良い奴よ。悪いことはしないから」

「本当か?」

 涙目のロザンナに都原は、

「俺たちみたいな優良な生徒のそばにヤバい奴なんて来ると思います?」

「うん、かなり来ると思うぞ・・・もういい次の質問来い‼︎」

 半ば吹っ切れたように新たな質問を乞うロザンナに、一人の黒縁メガネに三つ編みの地味な女子生徒、黒渕鳴子が手を挙げる。

「黒渕・・・失礼かもしれないが見た目からして普通のお前の普通の質問で落ち着かせてくれ」

 黒渕鳴子は少し恥ずかしそうに頬を赤く染め、両手の人差し指を合わせながらモジモジと、

「あの・・・先生はとても恋愛に積極的だと聞いていて、その・・・先生からお付き合いしようとした男性の数が144人に上ると聞きました・・・・そこでなんですけど・・・わ、私も好きな人がいて・・・・それで、あの・・・!」

「待て・・・・その私から付き合おうとした男の数ってなぜ知っている?」

「それは()()が言っていました」

「また()()かよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‼︎」

 これからは生徒のみならず()()にも気を使うことになりそうなロザンナに彼氏は出来るのか。


 後日の昼休み。

 優雅に学食で昼食を済ませたロザンナが渡り廊下をヒールを鳴らせて歩いていると、後ろから駆け寄る女子生徒が、

 

「せんせーい! ()()がよろしくだってーーー!」

「ビクゥッ!」

大人にはふざけたい時ってのがあるんですよ‼︎と言う感じで、最近真面目なリバイバルシードですが、息抜きにこんなのでもどう?ってことで始まりました。リバイバルシード、でいいのかよ⁉︎

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