1
輪廻転生
その際に運が悪いと前世の記憶が引き継がれることがある。
鳥が虫に虫が犬に犬が猫に猫が人に
人が魔物に
習慣、記憶が引きずられロクなことにならない。
輪廻転生を経て世界を跨ぎ、別世界の生物に言い方を変えると再利用されるのが魂である。
とある人間、地球という恵まれた星があった世界の生き物は数多の神が管理する世界、エデンに転生された。
人の神犬の神猫の神…水の神火の神魔法の神魔物の神
勇者の神、魔王の神、全知全能とうたわれている全ての神をまとめた神
神々が管理する星 エデン
魔王の神は悔しながら懇願する
「お願い!今度こそ私に勝利を!やられたみんなの想い!」
神々の世界は真っ白で思念があるという高次元の世界。
魔王の神が願いを込めていると二つの概念の気配が現れる
そこに悪びれずいつもの淡々とした調子で勇者の神が、そして困った風に人の神が苦言を挟む。
「無駄です。また私の勇者に殺されるだけですよ?」
「本当に勘弁してくれ!別に人間に手を出さなくてもいいだろう?なんで毎回お前の出すやつは攻撃的なんだ!」
「ぐぬぬぅ仕方ないじゃない!転生してきたら直ぐに生物的本能で動くんだもん!勇者も勇者よ!すぐ殺しにくるじゃない!何人目だと思ってんの!」
悔しくて仕方ない魔王の神を軽蔑的に勇者の神が言う。
「精々今回は大人しくするように言いなさい。人の神また何かあったら呼んで。勇者に大陸の移動の助言と新しくくる勇者を導くために仕事に戻ります。」
「はぁ〜また魔王が出るのかぁ…勇者の神分かりましたよ。」
2柱の神の声が消えた。
「どうして皆んな!くそぉ!…!?きた!誕生よ!…洞窟?ダンジョンってこと?今回は隠れられそうね!」
地団駄を踏むような感覚白い空間に何もないはずだが
そこに新たな魔王が誕生したことが伝わった。
「元のベースは人間の魂かぁ…へぇ別世界とはレアだ!まあ頑張って生きてちょうだい!私にはそれしかお願いできないから!」
勇者、英雄、ドラゴンなど直接ではないにしろ助言できる神が多くいる
魔王の神はそれが出来なかった。
その中転生された元日本人という記憶、その世界に何があったか流行ったかは覚えているが人の名前が出てこない自分の元の名前も、中途半端に記憶を引き継がれてしまった魔王がひとりごちっていた。
「知らない天井…ここはどこ私は誰?」
全てのテンプレを言い放った人型をした真っ黒なそれが
このエデンに誕生してしまった瞬間だった。