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『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……  作者: ryo-k
序章

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20/21

20.王宮での記念式典(2)

「楽しんでおるか」


「レオノーラ様……」



式典も中盤に差し掛かったくらい。

アシュリー達が一通りの貴族との挨拶を終えたタイミングを見計らって、レオノーラがアシュリーのもとを訪れている。


レオノーラも、式典ということでしっかりとしたドレスを着ている。


「素敵なドレスですね」

「そうか? こういう窮屈な服は好かんがの。早く着替えたいわ」

「レオノーラ様? こういう場でこそ王族としての自覚を……」

「止めるのじゃ侯爵。聞こえん……わらわには聞こえんぞー」


アシュリーは、レオノーラがここに来た途端に、さっきまで自分が感じていた会場のしっかりとした雰囲気が、嘘のように無くなるのを感じた。

まるで学園でのひと時のような空気感になるのを……



「相変わらずね。レオノーラ」


とレオノーラに声をかける女性。


その女性は、ゆったりとした足取りでアシュリー達の元にやってくる。

その女性を見たアシュリーの第一印象は、


「(どこかレオノーラ様に似ている……)」


容姿にとどまらず、佇まいや雰囲気がそう感じさせる。


「姉上……」

「レオノーラ様の……お姉様?」


レオノーラのつぶやきから、アシュリーはその女性がレオノーラの姉だと分かった。


「お久しぶりでございます。リディア様」

「ごきげんよう……隣の方は?」


挨拶も早々にアシュリーの方に視線を向けるリディア。


「お初にお目にかかります。アシュリー・クローネと申します」

「そう……貴方が『王家の面汚し』の王女ね」

「!?」


アシュリーは面と向かってそう呼ばれるのは、王国以来で久しぶりだったため、少しリディアに対し恐怖心を感じてしまう。


「姉上!!」


すかさずレオノーラがリディアに対し詰め寄る。


「何? 事実を言っただけでしょ? 所詮王国の話。帝国では関係ないわ」

「それはそうじゃが……」

「話は入っているわ。騎士科の試験で主席になったそうね」

「は、はい……」

「そう。それなら有能ってことね……」


リディアはアシュリーのことを全身くまなく見ている。

アシュリーはその視線に耐えきれなくなり……


「あの……リディア様……」


「貴女……私のものにならない?」


「えっ……?」


アシュリーは、リディアの言ったことに理解が追いついていなかった。


「有能なんでしょ? それなら私のものにならない?」

「いえ。私なんてそんな……」


アシュリーの様子なんかお構いなしで、リディアは彼女をじっと見つめている。



「近くで見ると中々かわいいわね……貴方」

「あ、あの……」


リディアの熱い視線にたじろいでしまうアシュリー。


「姉上! いい加減にせぬか!」


アシュリーとリディアの間に割って入るレオノーラ。


「アシュリーはわらわが先に見つけたのじゃ。姉上にはやらん」

「レオノーラ様……」

「あら。残念」


と言い残すとリディアはその場を去っていく。



「……一つ忠告よ。貴方に優れた能力があるなら、そんな出来損ないより、私といた方が貴方のためよ」



リディアは去り際にそう言い残して、その場を離れていった。

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