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遅れてきたプログラマー  作者: はるりん
4/11

研修初日

正社員になった!

この時はただ嬉しかったが、

ITを苦にせず、文章が比較的得意で、そして何より

>相対的に低い水準の給与体系の新卒扱いを受け入れた<

というだけである。


正社員になれたことは良いが、

悪い意味でのIT業界の噂通り長時間残業があり、

そこに得たばかりの契約どおりの低賃金が続けばどうなることか。

しかも30歳が近い自分には猶予が残されていない。


とはいえ、その時点でその年収を深刻に捉えておらず、

また、ネットゲームであれだけ天下を取ったのだから

きっと成り上がっていけるだろうという楽天的な思いが支配していた。


そんな考えも、初めて企業に勤めるという緊張の前に一瞬に消え去り、

結局深く考えないまま研修の日を迎えた。


「はい、新入社員はこの4名です。それぞれ挨拶よろしくね。」


西園寺さんという年配の人が案内役で、入社したのは4名だった。

そして他は全員新卒かそれに準ずるような年齢で、男3人に女1人。


「水上と言います。よろしくお願いします。」


年長者としてまずは自分から挨拶をする。


「根岸です。よろしくお願いします。」


形容するなら今風の若者だった。


「長野です。よろしくです。

 プログラムやってたので研修無くても大丈夫なぐらいです。」


少し癖があるが、業界的にこういう人も居るのだろう。

正直男2人はどうでも良い、問題は女の子だ。


「綾瀬です。」


ここで美少女が来た!


なんてことにはならない。

いわゆる女子的には少しふっくらした体型だが、

個人的に可愛いと思うし仲良くなれたら研修が楽しくなりそうだ。


「みんなよろしくね。」


西園寺さんの案内の元、座席に案内された。

2台ずつの机が向かい合い4台で1つの島を構成している。


残念ながら隣は長野だった。

全くがっかりさせてくれる。


初日はPCのセットアップということで、

渡されたマニュアルに沿って自分のPCをセットアップした。


PCを組み立てるところからが研修という企業もあると聞くが、

ソフトウェアを作る会社だからそういうことは無かった。


電源、LAN、ディスプレイのケーブルを確認して差し込み、

Windowsアップデートの完了を待つ。

その間にお昼休憩となった。


「みんなで飯行きましょうよ。」


根岸が4人でのお昼を提案した。

ナイスだ。


「俺はコンビニっす。」


長野が脱落した。

よし、3人だと綾瀬さんと話す機会も増えるだろう。


「あたしはお弁当なので。」


ならばと、


「あ、俺もまだお腹空いてないから周辺散歩しようと思って。」


根岸との1on1ランチを回避する。


午後もメールソフトや研修で

ソフトウェアのセットアップで時間が過ぎた。


自分にとってはその時初めて目にしたものも多く新鮮だった。

ただ、横がうるさく明日以降が心配になった。


「うわ、これ楽勝!」


長野が呟く。


こいつはできる人間として警戒すべきなのか

ヤバい人間として警戒すべきなのか。


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