作業の見込み方
なんだかんだ言われ心にドンと響きつつも、
なら先に言ってくれよとも思わずにはいられなかった。
とはいえどうするか考えなくてはいけない。
「まず、残りの作業の確認と見込みの確認ですか?」
「うん、良いね。あとどのぐらいだと思う?」
「うーん、1か月ぐらいだと思います。」
残り3週間に対して1か月ということになる。
「ぐらいというのはなんで?」
「テスト設計とテストを実際に業務でやったことが無いので
プログラムと同じぐらいと見込みつつ、
プログラム書くのよりは詰まりにくいと思ったので
1か月+1週間だったのを1か月にできると思ったからです。」
「その考えは悪く無い。
その精度を上げる方法はある?」
「うーん。」
思いつかない。
「浮かばないです。」
「精度を上げるのに必要なことは?」
「経験、ですか?」
「それは確実にあるね。
じゃあその経験を自分が持っていない場合補う方法は?」
「経験がある人に相談します。」
「だよね。」
言いたいことが分かった。
「西園寺さんに相談させてもらえたら精度が上げられます。」
「OK。他にはある?」
「わからないです。」
「他にはその期間誰がその作業に関わる予定か、
そして誰が関わることができるか。」
「作業する人、リソース次第で効率は変わるし、
それを最初に計算に入れるか、最悪のケースで
バッファとして計算できるのはどのぐらいか、
それがわかるともうちょっと精度上がらない?」
「上がります。でも他に誰か居るんでしょうか?」
「目の前に」
若干皺の見えるおじいちゃんではないどおじさんより上
という雰囲気の西園寺さんが微笑んでいる。
「あ、なるほど。」
「そう、じゃあ一緒に予定立てようか。」
「お願いします。」
そうして、残りの作業をした。