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遅れてきたプログラマー  作者: はるりん
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初めての就活

その日僕はやる気に満ちていた。

きっと昨日見たアニメの影響だ。


就職しなくちゃといけないと考えてはいたが

大学を卒業し5年以上、アルバイトとネットゲームに勤しんでいた。

もちろんそのままずっと過ごして行けるはずもない。


ただ、大学で漫然と過ごした自分には、武器があまりに少なかった。


コンピュータは比較的に得意だったが、

大学時代の友人はマイコンを制御したり、周波数を分析したり、

プログラマとしてバイトをしていたりと、何も無い自分は明らかに劣っている。


しかし他には無いのだから、あるもので勝負するしかない。

誰かが言った言葉だ。

僕のことだからアニメのキャラだったのだろう。


しかしここで壁にぶつかった。

新卒以外のIT未経験者はまともな仕事にありつけないのだ。


学生の頃からリセットというわけにもいかないので、

まずは今の武器で転職エージェントに会ってみることにした。


ラノベを読みまくり文章構成が多少得意だったおかげで、

塾講師の経験に花びらを咲かせた経歴書を作成できたし、

その結果大手の転職エージェントに登録することができた。

(就職していないのに転職とは?という疑問もあるが)


実は大手エージェントの担当者が企業のことを良く知っている

というわけではないがそれはまた別の機会に。


それはともかく、こうして大量の求人にリーチするチャンスを得て、

エージェントのフィルタリングを通してある企業が紹介された。


当時はIT業界のことを知らず、その企業のヤバさにも気が付かず、

書類選考が通ったという連絡に喜び面接を受けに行くことをなった。


面接当日、その場所はオフィス街の立派なタワービルだった。


エレベーターが高層階・低層階で分かれており戸惑ってしまったが、

高層階用のエレベーターで目的の、株式会社バリューライズに到着した。


入口の電話を取り事前に調べていた受付時の挨拶を思い出し

「水上ま、誠と申します、面接のお約束があって参りました。」

「お伺いしてります。まもなく面接官が向かいますので少々お待ちください。」

と、緊張しながらも必要なやり取りができた。


その後待っている間は、実質5分程度だが緊張して仕方が無かった。

ほどなくして、180㎝ほどはあるだろうか、背の高い大柄な男性がやって来た。

「水上さんお待たせ。こちらへどうぞ。」


会社の中に入ると、広くはないが綺麗なオフィスだった。

しかし、最大で15人ほどは入れるであろう部屋に5人ほどしか居なかった。


とにかく部屋の一角、ソファーが用意された場所が僕の面接場所のようだった。


「どうぞ座って。」

「ありがとうございます。」


そう促されて座ったものの、危うく何も言われなくても座るところだった。

面接では席は促されてから座るものって書いていたのをすっかり忘れていた。


「水上と申します。本日はお時間をいただきありがとうございます。」

「バリューライズ社長の村田です。」


小さな会社なので一次面接が最終面接とは聞いていたが、この人が社長か。

ガタイは良いが優しそうな雰囲気がある。


「履歴書と職務経歴書です。」

そう言ってクリアファイルに入れていた書類を渡した。

すると、


「では自己紹介からお願いします。」


そうして、ついに面接が始まった。

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