表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/19

2話

俺ことマッハパンツマンはダンジョン1階層に来ている。

1階層にはスライムのみが出現すると報告に上がっており、1人でも簡単に倒せる安全なエリアだ。

イメージで言うと体当たりしてくる水風船だ。衝撃を加えれば割れて経験値やドロップ品が出てくる。

スポーン位置も決まっているようで数カ所で列ができており、しっかりと並んでいる。

日本人らしいといえば日本人らしいがダンジョンっぽさが薄れるのでなんか嫌だ。

まぁ平和が一番なんだけども。


なんて考えていると俺の番が来たようだ。

リスポーンまでは1分かかる。念のため俺は装備を確認する。

両手には軍手をつけ、その上からメリケンサックを装着、上下はジャージで動きやすい服装にコーナーで差がつく靴を履いている。


うっすらと光が出てきた。リスポーンする前兆である。

「さぁ、いつでも来やがれ」

そう呟きながら俺は右腕を振り上げる。


「」グシャ

リスポーン時の鳴き声を上げる前に倒す。安全第一思考なんだ俺は。ご安全に!


周りからは「すげぇ」だの声が上がるが大したことではない。

俺のスピードは2。スライムのスピードは5

逃げられると追いつけないから先に倒すだけである。


先ほどのスライム討伐でレベルが上がったみたいだ。

D-カード

Name:マッハパンツマン

レベル:1→2

攻撃:50→56

防御:27→30

速さ:2→3

魔力:10→13


攻撃の上がり方はすごいな。対して速さは、、、まだスライムに追いつけないな。

しかし俺のパンチのスピード基準が攻撃ステータス基準で本当によかった。

パンチのスピードが速さステータス基準だったら俺のダンジョン攻略なんて

夢のまた夢だったに違いない。



-----



俺は毎日1階層でスライムを狩り続けている。安全だということも理由の一つにあるが、メインの理由としては大抵のゲームでは限りなく低確率ながらも弱小モンスターからとんでもないドロップ品が出るものだからだ。俺はそれを信じてスライムを狩り続ける。


最前線の人たちは5階層まで突破しているようだ。2階層~5階層はスライムや角ウサギが出現するらしく、角ウサギの角は1本1000円で売れるそうだ。毎日10匹狩れば1万円。月に30万だと考えればすごいと思う。一般サラリーマンぐらいの収入になるだろう。



-----


今日も俺はスライムを狩り続ける。先日は倒したスライムから銀色の光が発生したと思ったらドロップ品が出現していた。

受付嬢のところに持っていくと「スライムの雫」というアイテムだった。売値は5万となかなかの高額。軍手もボロボロだしメリケンサックも錆びてきたため売ることにした。


-----


今日も俺はスライムを狩り続ける。スライムの雫が出た際の銀色の光。あれより上の演出があるに決まっているからだ。いわゆる銀色はR(レア)。上の金色であるSR(スーパーレア)がないわけがない。

1階層にはあまり人がいないため入口から見て右側にあるスポーン地点は俺専用といっても過言ではない状態になっている。



-----


今日も俺はスライムを狩り続ける。スマホで1分ごとにアラームをかけては鳴るたびに右腕を振り下ろす作業になっている。


前線組は10階層を突破したらしい。10階層ではボス部屋がありゴブリンナイトが3体いるそうだ。盾持ちのゴブリンが2体と剣持ちのゴブリンが1体という構成で、1人での突破は難しいとのことだった。


10階層突破によってギルドシステムとガチャシステムが解放された。

ギルド所属者には経験値ボーナスが微量ながら入るらしい。きっと今後も機能が増えるのだろう。

ギルドを作れるのも、所属するのにも10階層の突破が条件らしく、「10階層突破までがチュートリアル」とまで言われるようになった。

ガチャは受付嬢の横に大きなガチャポンが設置されていた。1回1000円から~上限はないらしい。俺も1000円使って引いてみたが、あったかい靴下が出てきた。冷え性だからありがたい・・・


-----


今日も俺はスライムを狩り続ける。ちらほら見かけた初心者組でさえ10階層を目指して誰もいなくなった。

座った状態で左手にはスマホで大好きな異世界小説を読みながらアラームが鳴るたびに右腕を振り下ろす作業をしている。

ダンジョン攻略アプリを見ると前線組は18階層まで突破しているらしい。俺はいつまでスライムを狩ればいいのだろうか。


-----


今日も俺はスライムを狩り続ける。

急に目の前がまぶしくなった。虹色の光が出ている。まさか金を超えて虹色とは!!

来たぞ来たぞ来たぞ!キタきたきた!!

心臓がバクバク言っている。破裂しそうだ。出てきたのは1枚の紙きれ。俺は道端に落ちている500円玉を拾うように周りをこそこそ見ながらその紙切れを拾う。1階層なので周りには誰もいないが落ち着かない。

紙切れを見てみると「スキル獲得の書」と書いてある。俺はこれを知っている。ガチャポンの1等賞景品と同じやつだ。最前線でもトップアタッカーと言われる人が当てた商品だ。その人は火炎魔法のスキルを手に入れて頭角を現した人だ、名前は、、なんだっけ。

ランダムでスキルが手に入るスキル獲得の書。誰にも見られていないのを確認した俺は速攻使用した。


頭の中で声が聞こえた「スキル獲得の書によって経験値64倍のスキルを獲得シマシタ」

こ、これは当たりスキルなのでは!?。欲を言えば魔法系スキルが欲しいものだが。

しかし自分を信じてきてよかった。スライムからこんなに当たりなアイテムがドロップするなんてっ!!!


まだ足りない。俺はスライムを狩り続ける。今日も明日も明後日も。



D-カード

Name:マッハパンツマン

レベル:28

攻撃:170

防御:98

速さ:5

魔力:62




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ