1話
現代日本に突如出現した塔 - ダンジョン。
1週間だれもダンジョンに挑戦しないと魔物が塔からあふれ出して世界が滅亡するらしい。
日々妄想を繰り替えすデブでニートな主人公がダンジョンに挑む物語。
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---2035年---福岡県の田舎町に突如現れた大きな塔。それは雲よりも高く目視では確認できないほど巨大な塔だった。
田舎町に現れた塔は政府の意向によりテレビやニュースに流れることはなかった。しかしネットが普及した現代社会では情報を隠し切れずに噂が広がっていく。
そんな中でとあるSNSでのつぶやきから事態は加速する。
●「おまいら心して聞け。[ステータスオープン]って呟いてみそ?」
re:なんだこれ!ステータスが空中に出てきたんだが!
re:まるでゲームやんけ!
re:スピードが2しかないんだが皆はどうなん?
re:デブ乙
re:痩せろwww
re:陸上部俺氏スピード46ドヤッ
re:終わりの始まりか?
re:そうなると福岡の塔ってダンジョンじゃね?
re:異世界に行くんじゃねぇ!異世界がこっちに来やがった!!!
●塔の近くに住んでるけど入り口に三つ目の受付嬢がいたぞ
re:美人か?
re:うん。ブロンドで綺麗な人だったよ。日本語話してた。
re:話したんかい!
re:これは何ですか?って聞いたらダンジョンって言ってたよ。
この書き込みにより福岡県の塔がある田舎町。岡勝町を目指して多くの人が腰を上げた。
なかでも多いのはいわゆるオタクという人種だった。幾度となく妄想を繰り返したものが現実世界に来たのだ。動かないわけがない。
受付嬢からの情報でステータス画面の右上にある[?]ボタンからヘルプが見れるということが分かった。
その場にいた人はヘルプを開き、チュートリアル説明動画を見ている。
やはり想像していた通りのダンジョンで、魔物や宝箱があるらしい。魔物を倒せばドロップ品があり、宝箱には名の通りお宝が入っている。
ドロップ品やお宝は受付嬢が現金に交換してくれるみたいだ。
ダンジョンに入るためにはダンジョンカード、通称D-カードを作成する必要があるらしい。
交通機関の改札のような形でD-カードを入口にかざすことでダンジョンに入れる仕組みだ。
ちなみにD-カードにはプレイヤーネームを登録するだけで誰でも作成できるみたいだ。
忘れてはいけない重要事項としてダンジョンに誰も挑戦せずに1週間が過ぎると魔物がダンジョンから溢れてきて世界が滅ぶ可能性があるらしい。
一攫千金を狙うもの。自分の秘めた力を信じるもの。世界を救うヒーローになりたいもの。
多くの人がダンジョンへと挑戦していった。
「D-カードの名前を変えさせてくれよおおお!」
D-カード Name:マッハパンツマン
「変更は受けてけておりません。[チ]と[ツ]を間違えるなんで馬鹿なんですね。」
受付嬢は無表情で答える。
「1回多くタップしちゃったんだよ」
変更を受け付けてないことを知り下を向いてこぶしを握っている。
マッハパンツマン。そう、スピード2の彼である。