序序序章だそうです
「はっ」
目を覚ました。
手首には縛られているような感覚。見渡す限り緑一色。
「最初の村はハズレ村だったって感じかなあ。」
気絶した青年を縛り上げて森に放り投げるくらいだもんな。
絶対に戻らない。
「異世界ってことは転生なのかな?転移なのかな?」
と言いつつ自分の体を確認する。
「一回りくらい小さくなってる気がするなあ。」
自分の聖剣を確認する。
「よしっ。転生だな!」
ーーーー
縄抜けに挑戦しながら時間を潰していて気になったことがある。
ステータス確認の方法はあるのだろうか?ということ
「ステータスオープン!」
・・・・・
「能力確認!」
。。。。。。。
「えー、 メニュー表示!」
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
「うぅー、 わからん!」
『思考停止を発動した』
全身の力が抜け、手首に巻き付けられていた縄がするするっとほどけていく。
スッと立ち上がり、周りを見渡す。何かを見つけたのか聞こえたのか、いきなり走り出した。森の草木をかき分けて進むとそこには上流の綺麗な川があった。
顔を水に近づけ、手で若干水を持ち上げる。鼻に入らないようにするためだ。口をつける。喉を潤し、体に水が染み渡っていく。
「くはぁっっっ」
そういえばお腹が空いてることにも、喉が渇いていることにも気づかなっかたなあ。異世界に来て興奮しすぎたか?
それはともかく。
「思考停止ってのは本能のままに行動するスキルか。同時に視力も聴力も鋭くなっていた気がする。.....五感の強化も付与されてるのかな。」
「スキル確認!」
...............
やっぱり諦めきれなかった。
スキルが重要っぽいし、スキル効果の詳細だけでも見ておきたかった。いけるかと思ったんだがなあ。これも違うかあ。
残す方法はギルドっぽいところでカードを発行したり、教会で見てもらうとかかな。
諦めた。
太陽の位置からまだまだ明け方なのはわかるが、移動を始めた。
手持ちは自分を縛っていた縄だけなので、襲われたら無抵抗にやられるしかないなあと思いつつ、川の下流へと向かって歩き出したのであった。
ーーーー
ぽよよんっ--
スライムが現れた!
「うおっスライムか!まじか!いままで異世界要素もファンタジー要素も、うっすいなあって思ってたからマジ助かる!」
スライムは不思議そうにこちらを見ている。
「一般的な水色じゃなくて焦げ茶色なんだ。本当に半透明だなあ。川の近くで出てくるとか、間違って流されるとかないのかなあ。」
スライムは悲しそうな目でこちらを見ている。
「スライムと言ったらなんでも溶かしちゃうーって感じだよな。とりあえず岩の後ろにいたザリガニっぽいの投げってみるか....ほいっ。」
スライムは嬉しそうに捕食している。
「ほえー。外骨格を間接の部分から溶かして剥いてから中身をいただくんだね。....あ、結局殻も食べるんだ。....単純に硬いから溶かしにくかったってことかなあ。」
スライムはジト目でこちらを見ながら捕食している。
「おっ、全部溶かしたか。今度は無機物を食べてみてよ。ほら、石。」
スライムはふるふると震えている。
「食べないのな。次は液体かな。飲むという概念があるのかはわからんが。川の水...はなんか虐めてるみたいでやだな。.....っ、ほれ俺の血。」
『主従を手に入れた』
『受け入れられました。名前を決め、従者にしますか?』
スライムはみなぎっている。
「一緒に来たいか、そうか。じゃあ『ノン』で。」
ノンが仲間になった!