97話『お茶会へのお誘い。』
今日は全体的に短いです。
授業が終わった教室に、私とベリアル様は戻ってきて早々、
エドワード殿下とマリエラ、レヴァンヌに声をかけた。
「私は大丈夫よ」「お菓子とドレスコード選びか……僕も大丈夫だよ」
とはマリエラとエドワード兄の言葉だ。
「ごめんね、エミリア。
今日の放課後はお茶会に呼ばれているんです」
レヴァンヌはお茶会の予定が入っているようだった。
「レヴァンヌ、気にしないで。私が突然誘ったのだもの。
ドレスコードと言っても、ケヴィン君を呼んで話を聞くだけなの。
お菓子は、希望があれば後からでも構わないわ」
「そうよ、レヴァンヌ。
また明日、私と一緒にカフェに行きましょう」
「ありがとう2人とも。明日がとっても楽しみです!」
マリエラがレヴァンヌを明日カフェに連れて行ってくれるようだった。
そのあと、私とベリアル様はマリエラとエドワード殿下を連れて
三ノ実教室に向かった。
三ノ実教室ではいつもの風景でナナリーにカイン様とコンラート様が
張り付いていた。
エドワード兄とベリアル様に気付いたナナリーが
こちらに寄ってくる。
「エド様ぁ! ベリアル王子ぃ!
私に会いに来てくれたんですねぇ! とっても嬉しいですぅ」
媚びた声でエドワード兄の腕に抱きつく。
引きつった笑顔のエドワード兄はやんわりとナナリーの言動を注意していた。
ベリアル様はナナリーの存在などいないかのように顔を向ける事もしない。
無表情だった。
「今日は、君達とお茶会の話をするために来たんだ」
「えっ!? 我々もですか!?」
カイン様とコンラート様が驚いていた。
この感じだと、エドワード兄が開くお茶会の話かなんかだと勘違いしている。
「エミリアの開くお茶会の話だよ。
もちろん、君達も参加するだろう? 楽しみだよね」
そう言って笑顔を向けるエドワード兄の言葉には
副音声として「お前達も参加するよな?」という意思が込められていた。
「え……ええ」「も、もちろんですぞ」「謹んで、参加いたします」
これじゃあ、ナナリーも、カイン様とコンラード様も断れない。
私は兄に目礼して会話を変わる。
実はここに来るまでにこういう打ち合わせをしていたのだ。
「では、ドレスコード選びとお菓子を選ぶために貴族食堂を
予約しています。そちらに向かいましょう」
私がそう声をかけると、怪訝な表情のイケメンs2人と
敵意むき出しの視線のナナリーがこちらを見てきた。
そんな警戒しなくても、何もしませんよーだ。
私はすました顔してマリエラとベリアル様に挟まれて先を歩いた。
中庭にはもう人数分の馬車も兄が用意済みなのでさっさと向かうのだった。
ありがとうございました。