88話『私の部屋での話し合い』
前回、前々回とふざけ過ぎました。ごめんなさい。
会話開始します。
レアチーズケーキを堪能した後、会話スタートだ。
私とエドワード兄はベリアル様にお昼に話した事を教えた。
「というわけで、エドワード殿下は前世での私の兄でした」
「興味深いな。
前世の記憶を取り戻したら、婚約者が前世の兄妹だったと?
エドワードは、ずっと一緒に居て気づかなかったのか?」
ベリアル様は、近くに居た私の前世でのクセなどで分からなかったのかと
聞いているようだ。
「それがまったく。
エミリアの仕草は僕の前では淑女の鏡のような綺麗な所作だからね。
前世の記憶にある妹も、小さい頃ならともかく、大きくなるにつれて
僕達は一緒に居る時間がほとんど無くなっていたんだ。
気づきようがないよ」
兄の言葉に私も頷いた。
そういえば、食堂で兄が言った内容を思い出したので聞いてみた。
『ごめん、エミリア。
僕は、君を……殺してしまったんだ』
その事について兄はなんだか言い難そうだった。
ベリアル様は神妙な面持ちで黙っている。
そういえば、兄はベリアル様には全部話したって言ってたっけ。
「エミリアは、タイムリープって信じる?
僕は一度、この世界でタイムリープを経験したんだ」
私は唖然とした表情で兄を見つめた。
タイムリープという言葉に近い表現を私は知っている。
私は経験してはいないけれど、母とマリエラから聞いた言葉だ。
『やり直し』兄はそれを経験したと言ったのだ。
それは、転生者だけの特殊な能力のようなものだ。
あの言葉の意味は『やり直す』前に起こったことを差す……?
私は顔色が悪くなった。
(やっぱり私、2年後死んじゃうんだ……)
「エドワード」
ベリアル様が兄を呼んだ。
「私とエミリア嬢の話を聞いてくれ。
今のエミリア嬢は話せそうに無いだろうから、私が変わりに話そう」
ベリアル様の気遣いが嬉しかった。
正直助かった。ベリアル様に目礼する。
ベリアル様は、お母様とマリエラの話をした。
『やり直し』の詳しい内容だ。
ラナー様やマリエラの時と同じ内容の仮説も加えて。
最後に、リリーナのこと。
リリーナにラナー様とお母様、そして私が命を狙われていること。
その話を聞いた兄の顔色も私と同じくらい悪くなっていった。
「お前が以前話してくれた内容は、ナナリーとお前が呪いを
エミリア嬢に返したんだったな?」
「……それで合っているよ」
兄は私を気にして苦渋の表情で頷いた。
「エミリア嬢」
ベリアル様に呼ばれて顔を上げる。
「エドワードは1度目では記憶を持っていなかった。
そして、エミリア嬢が以前、私に教えてくれたゲームの内容と同じ
人生を歩んだそうだ」
ベリアル様が話す内容は、ゲーム通りに進んだ展開だった。
だけど最後だけが違っていたという。
ナナリーとエドワード王子は幸せにはならなかった。
なぜなら今、目の前にエドワード王子が2回目を経験しているからだ。
「ベリアル。僕が話すよ。
君達が話してくれたゲームの展開の『ラスト』と『その後』の話を」
エドワード兄は決意を決め、ゆっくりと語りだした。
友が、『エドワードが知っている前回の話とはいったい・・・!?』
という、いい感じの場所で終わらせる私はかなり鬼畜らしい。
引きがいいと言ってくれ・・・。




