86話『降りかかるポア害』
ナナリー視点です。
ざまぁ、は 今回なし!
ベリアル王子と2人きりで食事なんてラッキー!!
やっぱり、私は選ばれし者なのね!
だけど、この横に居るベリアル王子の下僕がちょっと邪魔ね。
ベリアル王子の下僕だから、私が命令できないのがシャクだけど。
下がるように言ってくれないかなー?
ベリアル王子も、私と食事したい。だなんて、
思っててくれてたんなら、もっと早く言ってくれればいいのに!
なんでいつもエミリアと一緒にいるの?
きっと、エミリアに騙されてるんだわ。かわいそうなベリアル王子。
エミリアも、エド様のこと好きじゃないなんて嘘ついちゃって。
ちゃっかり2人きりで食事してるじゃない。
きっと、エド様の気を引くために考えた作戦だったのね。
※2人きりで食事する事になったのは、ナナリーが来たせいです。
あー、エド様もかわいそう。
エミリアのせいで辛い幼少時代を過ごされて。
絶対に私が救ってあげるんだから!
ベリアル王子の下僕が食事を次々に運んでくる。
ちょっと量多くない?
「どうしたナナリー嬢。 たくさん食べてくれ。
さっき言っていただろう? 庶民だったときは食べる物も少なかったと。
貴族になってからも残す事はしないと」
そうは言ったけど……これはちょっと多すぎるわ。
ベリアル王子は大食いなのかしら?
「そ、そうですね……。」
私は、次々に運ばれてくる料理を全部平らげた。
くるしい。お腹が苦しい。
先に食べ終わっていたベリアル王子にデザートが運ばれてきた。
デザートのパンケーキがタワーを作っている。
それにベリアル王子がシロップをたっぷりかけている。
む、むりむり……さ、30枚以上ある……!?
あんなの食べたら胸焼けしちゃう!
ベリアル王子との食事はうれしいけれど、これはさすがに辛いわ。
ベリアル王子と一緒に居るエミリアって、いつもこんなに食べてるの!?
こんなに食べて、あの体型っておかしくない?!
神様って理不尽すぎよ!!
紅茶を用意するベリアル王子の下僕に向かって手招きする。
私のパンケーキの量を減らすようにこっそりと伝える。
ニヤリと笑った猫顔の下僕は、パンケーキが3枚乗ったお皿をもってきた。
3枚でも多いっつうの!!
しかも、パンケーキの間にはクリームがたっぷり詰まっている。
私は、変わった色の紅茶で流し込みながら、パンケーキを平らげた。
それにしても、ベリアル王子ってすごいわね。
ゲームではご飯を食べるシーンなんてなかったし。
やっぱり、リアルになるとキャラそれぞれの特徴があるのね!
私がヒロインだから気づけることよね。
やっぱり私は選ばれし者なのよ!
ぐるるるるるる……
私のお腹が怪獣の様な悲鳴をあげた。
恥ずかしさのあまり、顔が真っ赤になった。
ベリアル王子と下僕はキョロキョロしている。
気づかれなかった!?
私は、2人に席をはずす旨を伝えてトイレに駆け込んだのだった。
※
変わった色の紅茶は、ポアソン特製の下剤入り紅茶です。
たっぷりのクリームもポアソンが詰めました。
タイトルのポア害とはポアソンから受ける被害の略です。
どういう気持ちでポアソンが給仕をしていたのか、
想像するだけでも楽しいかもしれませんね。
ポアソン君の言葉
「もちろん、陛下の紅茶には下剤なんか入れませんって!後が怖いしさ!」
だそうです。




