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76話『お茶会シーズン』

ちょっと説明過多です。

申し訳ありません。



ベリアル様への想いを育てていく決意をした仮装パーティから半月たった。

季節は冬まっさかりの12月。

雪が降り積もるこの国では、道の石畳のタイル一枚一枚に施された

魔法のおかげで、道路には雪が積もることなく歩くことや

馬車での走行が出来ていた。


もちろん、学園の石畳も同様である。


そして12月~2月はこの世界でのお茶会のシーズンでもある。

一般的に貴族のお茶会シーズンと言えば8月頃だろうか。

前世の世界での貴族というものを知らないのだから適当だが。


しかしこの世界では8月~10月は実りの時期として貴族達が自領に帰ったり、

冬への貯えを調整したりする時期であった。

領を持たない貴族も、狩に行ったりクラブを楽しんだり、

晩餐会と大変忙しい時期だったりする。


12月~2月頃は冬ということもあり、皆暇なのだ。

暇な時期はどうするのか?

それは、貴族達は冬でも『我が家は凄いんだぞ』と見栄を張り茶会を開くのだ。

招待された貴族達は開いた茶会での料理や装飾品、調度品のセンスに

主催者のドレスのセンスや部屋の温度など目ざとく見てくる。

部屋が暑すぎて、お菓子が溶けるなんてことにならないようにしなければ。

逆に寒すぎたら、お客が来なくなる。

暖房をケチっていると言われる場合もあるのだ。難しく、非常に面倒くさい。

招待状もバンバン届くしね。まさに茶会シーズンなのだった。


招待状の数でその人物の注目度がわかる。

ある意味、リアル好感度のようなものだ。

多ければ、注目度や他貴族から好かれているということ。

また、お近づきになりたいという意図もある。

逆に少なければ、期待されてないのか、嫌われているのか、のどっちかだ。



現在、私達は教養の教室にいる。

今日の午前の授業は教養なのだ。


もちろんエスコートのお相手はベリアル様だ。

寒さを理由にちょっとだけ距離を縮めている。

私の精一杯の好きですアピールだ……(照)


茶会シーズンについての説明をテティーア先生が詳しく説明していた。


「最低でも5回開いて、5回招待されてくださいね。

 行う場所は学園の敷地内ならどこでも構いません。

 期限は3ヶ月後の冬休み終了時まで。皆さんにはレポートを提出して貰います。

 サロンと同じで1回1枚です。

 しかし、サロンとお茶会は違いますからね。

 今回は男女等しく招待してください。かたよったりしないように。

 それと特別教室やカフェ、食堂を使いたい生徒がいる場合は予約制にします。

 使う場合は申請してください。先着順で日取りを取り付けますからね。

 談話室の使用時には立て札を用意してくださいね」


※特別教室とは、学園の図書室や教養の教室など。


と、テティーア先生からの茶会シーズンの課題が言い渡された。

課題の期限は2月の冬休み終了時まで。※3ヶ月間。

冬休み中にも茶会を開いてもいいのだった。

ここらへんはゲームと違うものだよね。やっぱり。


あとは茶会時の細かいマナーなどを説明された。

これは貴族なら知っていて当たり前なので皆聞き流していた。


「あとは、分からないことがあるようなら聞きに来てください」


テティーア先生の説明が終わり、皆それぞれ行動を開始した。

従者に招待状の便箋と封筒を買いに行かせる者。

先生に茶会時のマナーなどもっと詳しく聞きに行く者。

近くの生徒と茶会についておしゃべりしている者などだ。


私とベリアル様もマリエラとレヴァンヌに声をかけられたので、おしゃべりだ。

マリエラは周りにいたクラスの男女にも声をかけていた。

こういう時、公爵家のマリエラはすごい便利だ。


貴族の位が高いものから低いものに声をかけるという常識を大いに活用できる。

まぁ、うちの学園は平等をうたっているけども、貴族マナーは優先される。

それを突き通す貴族はやっぱり多かったりする。

下級貴族や商家の出の庶民たちには、差別に思えるかもしれないけれど、

この学園に通っている以上はそれら貴族のマナーを学ぶ為に来ているのだ。

それを無下むげにして、差別だなんだと叫んでいたら、

何の為にここに来ているのかと白い目で見られるだろう。


話がそれた。


「それで、私はクラス全員にだけ、招待状を配ろうかと思いますの」


マリエラが周囲に聞こえる大きさで言う。

副音声はそれ以外には送らねーよって込められている。


「私達もよろしいのですか!?」


下級貴族の令嬢と商人家の令嬢が嬉しそうにしていた。


「当然でしょう? 同じクラスだもの。」


「同じクラス」を強調しているマリエラ。

よっぽど他のところを招待したくないのね。


私とベリアル様、レヴァンヌも便乗してクラスのほとんどの生徒を招く約束を

取り付けた。招待状は明日にでも教室で配ることにしたのだった。



「どうゆうことですか!?」


私達が楽しく茶会について談笑していたら、テティーア先生の近くから

大声が聞こえた。この声には聞き覚えがある。


(またか……)


とは私の周囲にいる全員の表情が示す言葉だった。






ありがとうございました。

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