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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
仮装パーティ編
70/232

69話『妖精』

自分のキャラの行動が読めない。

仮装パーティ当日。


今日の天気は雨だ。

ゲームのときには天気なんて関係なかったけど、

ここはゲームじゃない。天候変化も当たり前に存在する世界なのだ。


天気がよかったら、グラウンドが会場になっていた。

だけど、今日の仮装パーティは校舎内だ。

1階全域のみで、教養の教室が一番広いことから、ダンス会場と化していた。


私はもちろん、エドワード殿下とベリアル様とトリオでいる。

着ている衣装は、例のヴァンパイアスタイルだ。

2人の格好は眼福だ。実はこっそり、デザイン画を

私の部屋に飾っている。毎朝、によによするのだ!


ちなみに、従者達にもちょっとだけヴァンパイアスタイルだ。


私の侍女の2人には

メイド服に血糊ちのりをまぶらせて、青白い化粧をしてもらった。

髪飾りはおそろいのコウモリの形だ。


ベリアル様の侍従であるポアソン君も同様にヴァンパイアスタイルだ。

燕尾服の色は灰色で血糊をまぶし、コウモリのワッペンを所々に取り付けた。




皆で向かうのは、教養の教室だ。


教養の教室は向かい合わせで2部屋ある。

部門わけでショーも開始されるので、都合がいいのだ。


私達が通るたびに感嘆のため息が聞こえる。

羨望せんぼうと嫉妬の眼差しを向けられる。

イケメン2人に囲まれる私も、もちろん美少女なのだ。


「え、エド様、ベリアル王子ぃ!?」


教養の教室に向かう途中の廊下で後ろから声をかけてきたのは

もちろんナナリーとイケメンsの2人だ。


くっくっく。 驚いてる。 驚いてる。


「やぁ、ナナリー。 ご機嫌いかがかな?

 ちゃんと、礼節はわきまえるようにね」

 

無作法を怪訝に思いながら、エドワード殿下がナナリーに返事を返す。


「えっ……あっ……」


ナナリーは注意されるとは思ってなかったのかどもっている。

エドワード殿下は、話を切り替えて問いかける。


「君達も会場に向かうのかい?」


「あ……そ、そうです……」


「じゃあ、僕達の部門とは会場が違うね。

 君達もがんばってね」


エドワード殿下は、ナナリーの後ろにいる緑の妖精2人にも

声をかける。カイン様とコンラート様だ。

2人は驚いた表情だった。


「え、ええ」 「は、はい」


気を取り直し、前を向いて立ち去ろうとする。


「ちょ、ちょっと待って! エド様、ベリアル王子!

 その格好どうしたんですか?!」


ふりふりピンクの妖精がヴァンパイアに掴みかかる絵図がなんかすごい。

ベリアル様は、無表情に眉間のしわが追加された。


「どうって? この衣装はエミリアが僕達のために用意してくれたのさ」


エドワード殿下が嬉しそうに、衣装を自慢する。

私の名前が出たことで、ナナリーがこちらに気づく。


(この子すっごい睨んでくるー。 ヤダー。)


今にも私に、食って掛かりそうなナナリー。


「あんた―――」


「あらあら? 騒がしいわね。どうかなさったの?」


そこで、何か言おうとしていたナナリーを遮って、

私達に声をかけてくる人物がいた。来た方向は、教養の教室だった。


(絶対、遮るために声かけたよね……。)


声が聞こえたほうを見た私は驚愕し、心の平穏を保つので精一杯だった。




そこには、真っ赤なプリンセスラインのドレスに白の斑模様をあしらい、

ドレスに巻きつくトゲトゲしい蔓がいろいろな方向に飛び出していて、

さらに頭には巨大な斑模様のラフレシアの帽子、その中央には牙の生えた口。

肌を緑に染めた、マリエラが立っていた―――。




あきまへーーん!!! ちょ、なんちゅう格好してんねーん!!


驚きすぎて、変な関西弁? が出てしまった!


てゆーか、マリエラの考えがまったく読めないよ!!!

とりあえず、目がチカチカした。



次回、茶番回ふたたび!

こうごきたい!(自分でハードル上げていくやつー。)

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