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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
学園生活開始~学園祭。
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61話『続 劇の練習』

壁ドン! シーンが書いて見たかったんや!!!

悔いは無い! 悔いは無い!! 悔いは無いぞ!!


あの後、結局犯人は誰かわからずじまいで、

寮にある適当なパーティドレスで劇をする方向になったようだった。

まぁ、三ノ実クラスのことは三ノ実クラスで解決してもらうことにして、

私達は教室に戻ってきたのだった。


一通り流れをエドワード殿下とマリエラに見せて

細かい動きは、舞台でぶっつけ本番になってしまった。

『最後の場面で棺桶に寝ている姫に誓いのキスをする』のシーンで、

ベリアル様が硬直するからだ。


(ポアソン君、やっぱり完璧じゃなかったよ!)


「最後のシーン、やっぱり変更にしたほうがよろしいかしら?」


「そうだね。でも、演出など今から皆に説明しなおす必要が出てくるよ?」


マリエラとエドワード殿下は相談中だった。


ベリアル様は、台本を握り締めて読んでいる。

繰り返し読んでいる。しかも、最後のページのみだ。


最後のページのキスシーンで終わるという場面は、

ただ顔を近づけて振りをするだけでいいのだ。

姫は棺桶に入っているしね。角度的に見えないから問題ないのだ。

あとは、演出と幕を下げてごまかすのだ。


(まさかとは思うけどベリアル様、恥ずかしいのかな?)


よし、ベリアル様を励ましてあげよう。


この時、私は図に乗っていた。

ベリアル様に、私ごときが演目への変更の話なんてするもんじゃなかった。

と後悔した。



「ベリアル様、最後のシーンについてですが」


「エミリア嬢。すまない……。どうしても、緊張してしまってな」


ベリアル様は、しょぼんとしていた。


「変更するというのはどうでしょうか?」


ベリアル様は無表情でこちらを見つめる。


「このシーン、なにも王子がわざわざ棺桶に眠る姫に

 キスをしなければならないシーンではないと思うのです。

 前のシーンのセリフで、王子の姫への想いは十分伝わります。

 削るか、それとも、そのシーンでは棺桶の中身を空にするなど

 変更できると思うんです」



「エミリア嬢は、それで平気なのか?」


うん?

そういえば、演技している時に気づいたけど、どうやら私は役に入ると

恥ずかしさとかそういうのが無くなるのだ。

治癒科の時もそうだったけど、治療に集中すると男性の裸を見ても

気にならなくなる性格らしかった。


そう伝えると、ベリアル様は少し怒っていた。


「そうか。でも変更はしなくてもいい」


「え?! で、ですが……」


「大丈夫だ。心配いらない」


不機嫌の理由はわからないけれど、ベリアル様はやる気を出したようだった。



お昼休みになり、私とベリアル様は一般食堂へと向かう。

学園祭中はカフェになっているので、

サンドイッチやパイなどをマリエラとエドワード殿下のぶん含めて

作ってもらってから教室で4人で食べるつもだりだ。

怪我人2人はおるすばんです。

※マリエラはめんどくさくて動きたくないだけ。


廊下の途中で、こちらに近づいてくる人物がいた。

イケメンsナンバー3のコンラート・バイゼイン様だった。


あれ?なんかデジャヴ?


彼は、私に鋭い視線を送ってどんどん近づいてくる。

そして――


ガッ!!


「っ!?」


いきなり、私の肩を掴んで壁に押し付けられた。 

何っ?! 新手の壁ドン!? いきなりドン!?


「エミリア様」


「な、なんでしょうか?」


「ナナリーのドレスをやったのは貴女ですね?」


は???

その話、もう終わったんじゃなかったの!?


「ち、ちが……っ」


私は否定しようとしたけれど、掴まれた肩に力を込められて

言葉を遮られた。


「やめろ」


ベリアル様がコンラート様の手を掴んだ。2人は睨み合う。


「あんたは?」


先に声をかけたのはコンラート様だった。


「ベリアル。ヴェルマの王子。

 そして、エミリア嬢の護衛だ」


ベリアル様は、簡素な答えを口早に言う。


「王子!?」


知らなかったであろうコンラート様は、自分の言動の失態に焦る。


「彼女から手を離してもらおう」


ベリアル様の睨みを受けて、コンラート様の手の力が弱まった。


「貴方は、エミリア様がやったことを理解しているのか?」


コンラート様は、さも知っているんだぞという顔をして私を見た。

ベリアル様が問いかける。


「どういう意味だ?」


「エミリア様は、自分の手を汚さずに、他人に命令して

 ナナリーのドレスを破いた。これが真実だ」


そう言って、掴まれていたベリアル様の手を無造作に振り払った。

私の肩からいきなり払われたのでちょっとビビった。

私は反論しようとした。けど……


「――貴方達、そこで何をしているの?」


そこに声をかけてきたのは教養の教師テティーア先生だった。


コンラート様は、素早く私から離れて騎士の所作をする。

まるで、自分は何もしていませんよ。と言っている風にも見えた。



「テティーア先生。何でもありません」


言葉もまんまだった。


少しムカついた私は、壁際で両手を胸元にあてて神妙な面持ちで目線を下に。

ベリアル様も空気を読んで、私を庇うように腕を肩に回した。

表情は、心配する表情だ。ベリアル様、グッショブ!


「……そうですか」


テティーア先生は鋭い目線でコンラート様を見た。


「そ、それでは、私は失礼します」


無言の圧力を感じたであろうコンラート様は、そそくさとその場を後にした。

コンラート様を見送ったあと、テティーア先生は私とベリアル様に

優しい視線を向けて頷き、ゆっくりとした動作で来た道を戻っていった。


私とベリアル様は、ほっと胸をなでおろした。

いろいろ言いたいことや疑問もあったけど、まずは軽食を取りに行こうと

意識を切り替えたのだった。


その後、予定通りサンドイッチとパイを大量に教室に持って帰った。


なぜ大量かって?

ベリアル様がサンドイッチを気に入って、

全種類制覇すると息巻いて量が多くなったからなのは言うまでも無い。



ベリアル様は怒っていたわけではありません。

スネていただけです。

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