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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
学園生活開始~学園祭。
52/232

51話『密談 1』

長いです。そしてエドワード王子視点です。

時系列的に、ずっと後の話になります。


エドワードは誰に向かって話しているのか?

それを想像しながら読んでくださいませ。


表現が誤字で表示されている箇所を修正をしました。



エドワード殿下の目の前には誰かがいます。

インタビュー形式で、エドワード殿下が一方的に語っている風です。

そういう体で書いています。ご了承ください。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


僕の名前はエドワード・エルド・ドルステン。

これでも、ドルステン王国の第一王子です。


え?普段通りで良いって?

ははは。わかったよ。


僕には、産まれる前からの婚約者が居たんだ。

この国は治癒魔法が発展していて、その治癒魔法で国を

発展させた家の子供との婚約だったよ。


その子の名前はエミリア・ヴォルステイン。


治癒魔法のおかげで、妊娠初期から子供の性別などが

分かるようになったこの国では、

産まれる前からの婚約者を決めることが多くなっていたんだ。


僕の婚約者もそうだったよ。


僕は、婚約者ありきの生活を送っていた。

それが僕にとっての普通で、周りからも祝福されていたんだ。


7歳になった年、僕は初めて婚約者と面会したよ。


僕の婚約者は燃えるような夕日色をした、お人形のような子で、

一目見て、僕は彼女を気に入ってしまった。


最初はかわいい妹を持った気持ちで接していたよ。


彼女は幼いころから僕の婚約者として育てられていたからか、

何に対しても僕を優先して、何に対しても僕の味方で。

彼女にとって、僕がやることは全てが正解で全てが善行で。

勉強だって、やれて当たり前だと言われている気がして。

周りの大人達もそうだった。

今更ながら善行を少し行ったくらいで、褒め称えすぎていた気がするけどね。

※この話での善行とは、炊き出しなどの教会の手伝いなどです。


僕は正直、王子という肩書きが嫌いだった。

何に対してもちやほやされて、お前は将来国を背負うと

両親に言われるのが苦痛でたまらなかった。


それからの僕は、しては悪いと言われることをし始めたんだ。

けれどエミリアは、僕が何をしても文句を言わず、

僕が罪を被せても何食わぬ顔をしていたんだ。

僕はいつからか、彼女を本物の人形のようだと思っていたよ。


貼り付けた笑み。上辺だけのおべっか。

僕を叱りつける言葉さえ、用意された言葉の羅列に聞こえた。


僕はそんな人形エミリアに飽きていたんだ。


僕とエミリアは社交界デビューを果たした。

彼女は美しかった。だけど、それだけだったよ。

僕は、彼女に心を動かされなかった。

あの頃の僕には彼女の貼り付けた笑みが、僕のためだと言われているようで

気味が悪く見えていたんだ。


彼女は僕の婚約者になるべくして作られた人形だと

改めて実感したよ……。




エミリアと共に学園に通うことになり、僕の今までの常識が変わったよ。

門の前でおどおどする少女を見かけたんだ。

どうしたのかと声をかけると、馬車が帰ってしまって寮までの

道がわからないということだった。

門から寮まではまだまだ遠い。僕は少女と寮まで一緒に行くことにしたんだ。


それから、少女との接点は増えた。


少女の名前はナナリー・ランゲス。


ナナリーの話は新鮮だったよ。

庶民の暮らしについての話を聞いて、彼女の生い立ちには心が痛んだ。

彼女は、生い立ちに関する悪口を言われても負けずに、頑張っていたよ。

学園生活は、もともと庶民である自分には辛い事ばかりだと、

授業にもついていくのがやっとだと言っていたけれど。彼女は諦めなかった。

いつでも元気で、明るく振舞っていたよ。

僕は、そんな彼女の姿が眩しかったんだね、きっと。


ああ……、そんな顔をしないであげて。

彼女も彼女で、きっと頑張っていたんだ。ほんとうに。


話を続けるよ?


学園生活に慣れてきた頃、ナナリーが噴水前で泣いていたんだ。

理由を聞くと、彼女の悪口を広めている生徒がいるという話だった。

生徒の名前はエミリア。僕の婚約者であるエミリアだった。



僕は疑った。そんなはずは無いと思った。

だけど、ナナリーの友達も同じ答えだった。

――エミリアのせい。

それがナナリー達のお馴染みのセリフになっていった。


ナナリーの友人、コンラートは教養の教室に向かう廊下で

ナナリーに文句を言う女子生徒からナナリーを助けたと言った。

文句の内容は、僕と必要以上に仲良くするナナリーに

嫉妬するエミリア様がかわいそう。ということだった。


(嫉妬……、されているのか?)


この時、僕は言いようのない感情が襲ったよ。


そのあと僕は、エミリアへの、この気持ちを確認するために

ナナリー達と共に彼女に会いに行った。


そして確信し理解したよ。エミリアの僕への気持ちに。僕に生じた感情に。




その後は、ナナリーへの嫌がらせの数が増えた。

制服が破かれる。ノートが無くなる。

魔法ペンが折れるなどだ。


ナナリーの友達のコンラートとカインの2人はエミリアが犯人だと

確信しているようだったね。



それから、学園に通ってから約半年経った頃かな。

エミリアは実家の手伝いに呼ばれて領へ一時帰宅した。


エミリアが帰った後も、ナナリーへの嫌がらせは続いていたよ。

コンラート曰く、エミリアがあらかじめ友達にやらせるように

仕組んだということだったよ。


それからは、ナナリーと共に過ごす時間がさらに増えたよ。

彼女は、僕のほしい言葉を常にかけてくれるし、一緒に居て楽しかったかな。


けれど、彼女は同性に対してすこし高圧的だったね。

何度か注意したけれど、彼女も頑張っているのだと

カインとコンラートに諭された。


それからしばらくして、エミリアが学園に戻ってきた。

相変わらず、僕に振舞う態度は人形のようだったけれど。


でも、少しだけ変化が生じていたんだ。

よく表情が動くようになっていたし、

僕以外の異性と楽しそうにしゃべっていたから。

エミリアの隣にいる男……。


留学生ベリアル・ヴェルノーマ。


ヴェルマ国の王子。

彼の保証人はヴォルステイン家ということになっていたね。

学生として学園に通い、エミリアの護衛も兼任していた。


国王である父上に彼の身の上を聞いたら、

王子というのは間違いではなく、父上はベリアル王子を

気に入っているようだった。


それに……こんな話するのはどうかと思うけれど、

あの時は、彼のエミリアに向ける眼差しに、

僕の心になんともいえない不快感が起こったんだ。

そして、エミリアも彼には親しく話し掛けていたよ。


僕は、そんな彼の人柄を探ろうと学園の案内を申し出たんだ。



けれど、そこにナナリーが現れた。

ナナリーの彼に対して向ける表情がなんとも奇妙だった。

貴族としてのマナーを無視した誘うような態度に、

まるで媚を売っている娼婦のように見えたよ。


(これではまるで、噂通りじゃないか……)


そんな目で僕をみないでくれよ。

あの時は、本当に悪いと思っていたんだ。

じゃ、じゃあ、続けるよ。


えと、そのあとは、馬車の中でベリアル王子と話をして。

あの時のベリアル王子は

将来、国の頂点に立つことを誇りに思っているように見えたんだ。

そして、その言葉は、エミリアがいつも僕にかける言葉と似ていた。


責任……僕はその言葉の重みをわかっていなかったんだ。


彼は僕と同じ立場なのに、ちゃんと自分の運命と向き合っている。

それに比べて僕は、なんて浅はかだったのだろうか。


エミリアは王妃になるべく努力していたんだ。

人形だなんて言って、彼女の努力から目を背けていたのは僕だった。

彼女の行動はすべて僕のためだったというのに。

そして気づいたんだ。いつも僕の傍で僕を支えてくれていたのは

エミリアだったことに。


僕は、目の前の人物、ベリアル王子に深い感謝を感じた。

僕の目を覚まさせてくれた。


そして自分の失態に気づいたんだ。

婚約者の前で他の女性の長所を言ってしまった。

馬鹿な行為だったと今でも落ち込むよ。

隣のエミリアの様子を窺うと少しだけ拗ねている様な表情だった。


この時僕の胸には歓喜が襲った。



まだ、僕は彼女に思われている――?


僕は、今からでもやり直せるだろうか―――?


そして僕は決心した――。


そ、そんな目で見ないでくれよ。

あの時は、本当にそう思っていたんだ。


うん? ああ、続きね。わかっているよ。


続きます。

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