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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
学園生活開始~学園祭。
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31話『お昼休み』

―まえがき―

ざまぁとは何か?と友達に言われたのでここで説明。

因果応報ってことです。え、違う?


多分ですが、自分がどうしてそのような目にあうのかを

本人にわからせるというものです。


私もよくわかってなかった・・・。


この話のざまぁ対象はヒロインです。

いままで悪いことは全部、他人のせいにしてきたのでその報いが

ヒロインにふりかかり始めます。

原因が自分であることに、それに気づけるのかは、

ヒロインしだいですが・・・。


これがざまぁです。たぶん。








午前の基礎学科である3つ目の授業が全て終わり、

私とベリアル様は食堂に向かうことにした。

お昼休みの時間は1時間だ。


そして、なぜか、エドワード王子も一緒だ。


「エミリア。僕も食事と案内に付き合うが、いいかい?」


私はうんざりしながらも、表情には出さずに答える。


「エドワード殿下? 珍しいですね。

 私はかまいませんよ」


エドワード殿下は、ベリアル様に視線を移して言った。


「であれば、王族専用の食堂に行こう。

 ベリアル王子も、かまわないだろうか?」


「私もかまわない」


ん?

以外と物事を考えている発言にちょっと感動した。

ベリアル様も雰囲気がやわらかくなっている。

ちょっとだけ口角を上げて答える。


「もとより、エミリア嬢に従うつもりだったのだ。

 彼女がいいのなら、それでいい。」


「分かりました。では、こちらへ。 さぁ、エミリア」


エドワード殿下は私をエスコートしつつ、ベリアル様と親しげに

会話を始められた。


並び順で言うと、私、エドワード殿下、ベリアル様だ。


ちょっとまって!! この人だれ?


と思う私は表情に出ないように必死だった。

王族用の食堂は貴族食堂の奥にある。

豪華な個室は、王族専用としてしか利用されない。

主に、パーティや学園祭で国王夫妻が来たとき用の場所だ。

殿下への来賓客がきた時にも利用する。


私とエドワード王子の2人きりで食事する時も利用できる。

仲が良かったら、そんな未来もあったのかもしれないね。


そんなことを考えながら歩いていると中庭の入り口についた。

中庭と校舎を繋ぐ石畳に停まっていた王家の紋章のついた馬車。

※あらかじめ、殿下が用意させていた。

それに乗り込もうとした時だった。


「エド様っ!?」


ヒロインであるナナリー きたーー!


ナナリーは焦った表情でエドワード殿下とベリアル様に近づく。

ベリアル様が無表情になり、眉間にシワができる。

淑女としてあれはどうかと思ったけど、2人が何も言わないなら

私も気にすまい……。 苦言は心の中で言うが。


「エド様、あの、お昼ご飯っ――」


「すまない、ナナリー。今日は一緒にお昼は食べれない」


ナナリーの言葉を遮ってエドワード殿下が言葉を放った。


「えっ!? ど、どうしてですか!?」


ナナリーは泣き顔を作りはじめる。


「この国の王子として、他国からの留学生であるベリアル王子を

 案内しなければいけない」



おおおお!

えらいぞ、エドワード殿下! ちょっとみなおしたかも!

王子としての役目をちゃんと覚えていたか!

きっと、急いで王族用の政務室でベリアル様の書類関係を読んだんだね。


「だ、だったら、私もご一緒したいです!いいですよね?」


んんんーー!?

これは、やばいかもわからんね……。


たったっという感じでベリアル様に近づいたナナリーは上目遣いで言った。


「あ、あの!ベリアル王子、さっきはごめんなさい!

 私、庶民だったから、貴族の人達のこと分からなくて。

 お詫びがしたいんです! 一緒にご飯、食べませんか?」


小首をかしげる小動物ナナリーにベリアル様は無表情だ。

まだお怒りは治まってない様子です。


さて、お前の手腕にかかっているぞエドワード。

チラっとエドワード殿下に目線を送る。アイメッセージは「拒否」だ。


私のメッセージを受け取ったエドワード殿下は

ズズイッとナナリーとベリアル様の間に入る。


「すまない、ナナリー。

 これからいく食堂は王族専用なんだ」


よくやったー!

私は、エドワード王子を手放しで褒め称える気持ちだった。


「で、でも……。」


ナナリーは悲しい顔をした。

そして、私のほうを向いて何か思いついたらしく言った。


「酷いです!エミリア様は良くて、私はダメなんて」


おいおい。

君と私とじゃ、ぜんぜん立場が違うでしょうが。


わたくしは、エドワード王子の婚約者ですので。

 将来の王妃になる私が居てもなんらおかしくは無いでしょう?」


ざわつく胸を無視して、続ける。


「それと、ナナリー様はお友達を増やすなら

 異性ではなく同性も、増やす努力をしたほうがよろしいかと。

 変な噂を払拭ふっしょくできるかもしれませんよ」


この子、すっごい怖い顔して睨んでくるー。 やだー。


「エミリア、言いすぎだよ。ナナリーだって、同性の友達を増やす努力を

 しているんだ」


おっと!?

エドワード殿下がナナリーをかばいはじめたぞ!?

ニヤリ顔とドヤ顔のまざったナナリーがはらたつ。


「さようですか。では、私は今後も、何も言いませんわ」


「エドワード王子、エミリア嬢。そろそろ行かないか? 

 食事の後に他の場所を案内してくれるのだろう?」


成り行きを見守っていたベリアル様が焦れてきている。

不機嫌オーラを出しかけているぞ。


「そ、そうだな。では、行こうか。またな、ナナリー」


エドワード殿下はベリアル様の言葉にすんなり従った。

教室のベリアル様が相当怖かったんだね。



私たちは、ナナリーを無視してそそくさと馬車に乗り込んだ。


その場に1人ぽつんと残されたナナリーは俯いていて表情は見えなかった。



ありがとうございました。

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