22話『王都へ』
エミリア視点に戻ります。
次の日、私とお母様、そしてベリアル様とでまた談話室に集合していた。
お母様は昨晩、眠れなかったのか、少しやつれているように見えた。
お洋服も、色の薄いオレンジ色のAラインのドレスだ。
ふんわりしているのに、色と表情のせいではかなげな雰囲気を醸し出している。
ベリアル様は相変わらず、お美しい。
白銀の長い髪をみつあみにして肩から垂れ下がっている。
お召し物は、紺色の燕尾服のような動きやすい服装だった。
私は青のハイウエストドレスに腰に茜色のリボンを横巻きして結んでいる。
長髪を後ろにながし、左右の襟足から少量みつあみにして前にもってきている。
談話室で話す内容は、ベリアル様についてだ。
「それで、エミリアの護衛として、ベリアル陛下がそばに居れるように
お父様を説得してほしいと?」
「そういうことです!」
だって、しょうがないじゃない。
ベリアル様が傍に居ないと、私は呪いを回避できないし。
話をじっと聞いていたベリアル様はニヤリと笑ったままだ。
お母様に説明したら、困った表情をしながらも、うなずいてくれた。
お父様は王都に居るので、会いに行くしかない。
私は今、領に戻ってお母様のお手伝いという名目で休暇をもらっているので
王都に戻ったら学園にも行かなければならない。
なんとしても、護衛としてベリアル様に近くに居てもらわなきゃいけないのだ。
※エミリアは、ナナリーとエドワード殿下を呪うために領帰り中でした。
お母様はうなずいて、準備を始めた。
馬車で1日半、少数の護衛と一緒に馬だと半日だ。
お母様は馬に乗れるので、護衛数人と一緒に馬で走ることになった。
私は、一人乗りできないのでベリアル様の馬に乗せてもらう。
今から出れば今日の夜にはつく予定だ。
軽く、早めの昼食を食べてから出発した。
ちなみにジョシュアは治癒院の寮にいるので家には居ないのである。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
王都の館に着いたのはだいぶ暗くなってからだった。
館を護衛している騎士たちが何事か合ったのかと驚いていたが、
来たのがお母様だと気づいたら、落ち着きを取り戻していた。
館に戻った私とお母様は、軽く食事をとることにした。
ベリアル様はお客様なので、客室用のお部屋に案内済みだ。
食事もそちらに配膳ずみである。
食堂で食事を終えて、紅茶を楽しんでいるとお父様がやってきた。
「2人とも、こんな遅くに帰ってきたのかい?」
タイミング的に、食事が終わるのを見計らって来てくれたようだった。
お父様はワインレッドのベルベット生地のロング丈のコートを着ていた。
コートの色とおそろいのベレー帽のようなものをかぶっている。
真ん中から分けられた髪はジョシュアと同じで明るいブラウンだ。
目の色は私より濃い紫のアメジストの輝きだ。
「お父様、ただいま戻りました」
「バース様、しばらく滞在いたしますわ」
私とお母様はそれぞれ挨拶を交わした。
「それはかまわないよ。
でも、急に戻ってくるなんて、何かあったのかい?」
「その件に関しては明日お話いたしますわ。
それと、今日は貴方に会わせたいお客様と一緒に来たのよ」
お母様は、明日紹介するための時間をお父様に作るように言った。
「それはまた急だね。
でも、愛する2人の頼みだからね。何とかしよう」
こうして、お父様にいろいろ話す機会を手に入れたのだった。
お父様とお母様の馴れ初め話も番外編として書いています。
投稿できるのは、だいぶ先ですが。




