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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
記憶と状況理解とゲーム知識。
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1話『悪魔召喚したら記憶戻った。』

初投稿です。お手柔らかに、よろしくおねがいします。

私の小説は全体的に説明過多です。

苦手な方は申し訳ありません。


タイトル修正しました。

「悪魔呼び出したら記憶戻った。」から「悪魔召喚したら記憶戻った」


文章の説明をもっと簡素にわかりやすく訂正しました。

よければ、読み直しくださいませ。


石のレンガが積み上げられ囲まれた薄暗い地下部屋の中で

薄紫のシュミーズドレスを着た女性が佇んでいる。


燃えるような夕日の色をした髪を、耳の後ろからひとふさ片側に集めてお団子に

して結い上げ、後ろの髪はそのまま腰に流している。

整った顔立ちに薄紫色の瞳はタレ目で、やさしい印象のある女性だ。


だが、その瞳はドス黒く濁り、目じりには涙が浮かぶ。


名を、エミリア・ヴァルステイン侯爵令嬢である。


エミリアは右手に掲げた紫色の丸い水晶を勢いよく床に叩きつけた。


ガシャン!!


水晶は割れ、中に溜まっていた魔力を放出し、床の魔法陣を起動した。






まぶしい光と、黒く禍々しい煙が立ち上る魔法陣を眺めながら

私はボソリとつぶやいた。


「……や、やってしまったわ⋯⋯!!」


まぶしい光が強くなり、黒く禍々しい煙は形を整えていく。


魔方陣の真ん中。


そこに現れたのは、

清潔な白いシャツに紺色のベストとズボン、漆黒のマント。

金と紫の刺繍がされていて気品がある。

褐色の肌に白銀の長髪はとても映え、金の眼はトパーズのよう。

頭部には、ねじれたヤギの角をもつ……絶世の美青年だった―――――。


(や⋯⋯やってしまったー!!!ど、どうしましょう!?)


さて、なぜ私がこんなにも慌てているかというと、今私が行っていた儀式は、

私の運命を決定づける瞬間でもあるからだ。

そう、婚約破棄からの断罪と死だ。


なぜ、そんなことが分かるのか。それは私がこの世界に転生した転生者だからだ。

この世界は、私の前世でいう「ゲームの世界」に酷似こくじしている。

そして、その前世の記憶はたった今呼び起こされた。

魔法陣の眩しい光に目がくらんで。

たった今である!


こんなこと人に言ったら、なに言ってんだこいつ。と言われるでしょう。


だがしかし、私は前世で10周以上クリア回数を重ねた「聖霊の白乙女」という

ゲームと同じ名前の人物達と、国名の世界で乙女ゲームと同じ

ゲーム展開を繰り広げている。繰り広げちゃっているのだ!

そして、このままいけば私は、悪役令嬢エミリアとして断罪されてしまう!


とりあえず、この現状を打開する方法を考えなければ。

これからの事は後で考えよう。

そう決意したところで、目の前の魔法陣に佇む美青年がゆっくりとこちらを

見下ろした。


「これほどの狂った魔力とは、よほど恨みが深いのだろう?」


そう問うてくる、目の前の悪魔を見つめる。


さーて、どうしよう?

どう言って、お帰りいただこう?

正直、記憶が戻るタイミングおかしくない?

なんなのよこれ。もう詰みかけてるやん、わたし……。


とりあえず、この先に起こる展開をすばやく思い出す。

混乱していて抜けている記憶もあるかもしれない。


えーっと……この悪魔にお願いをするエミリアは

きっと自分の婚約者とヒロインを恨んでいて、呪いをかける。


そして、ゲームのヒロインであるナナリー・ランゲス男爵令嬢は

悪役令嬢エミリア・ヴォルステインの婚約者である王子、

エドワード・エルド・ドルステン第一王子殿下と一緒に呪いを、

聖なる白魔法で、エミリアに返して撃退するのだ。


撃退とは言ったものの実はこれ、呪い反射(白魔法のリフレクト)

を使って、呪詛返しするだけである。


もちろん、呪いはエミリアに全て返る。困ります。返ってこないで。


困るだけならいいんだなぁ。これが。

即死なのだ。2人分だから。困ります。返ってこないで。


結論から言うと、適当な願いを言ってお帰り願うしかないだろう。


「さぁ!願いは? じわじわ苦しめる呪いか? それとも、暗殺か?」


美青年悪魔はとっても嬉しそうに私を見下ろしている。


正直、ゲームの裏側での出来事で、エミリアが2人を呪った証拠がなかった。

呪った証拠がないと、ナナリーは最後までエミリアではないと言っていた気がす

る。まぁ、今現在私が召喚魔法を行っているので、事実だったと。


とりあえず、話をして時間を稼ごう。


「貴方が悪魔様ですのね。初めまして。わたくしはエミリア。

 エミリア・ヴォルステインと申します。

 悪魔様のお名前を伺ってもよろしいかしら?」


私は微笑を浮かべ、淑女の礼をとって、美青年悪魔に丁寧に話しかけた。

美青年悪魔は一瞬目を丸くしたが、微笑み返しながら答えてくれた。


「ククク。これは、ご丁寧に。私は魔王。魔王ベリアル・ヴェルノーマだ」


……ん?


今、なんて……? ま、魔王……?


目の前の魔王を名乗った美青年は、ちょっとだけドヤ顔にも見える。


あきまへん。これは、穏便にお帰りいただけまへんやん。


あまりのショックに変な関西弁?が出てしまった!


え?魔王?なんで?

ゲームでは魔王なんて出てこなかったよ……ね?



読んでくださり、ありがとうございました。

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