17話『話し合い』
よろしくおねがいします。
修正
お母様の最後のセリフが意味不明だったのでスッキリさせました。
談話室の扉の前にいた侍従がすばやく扉を開けてくれた。
私は、エスコートされたままベリアル様と談話室に入る。
私達が部屋に完全に入ると静かに扉が閉まった。
今、自分の顔は何ともいえない顔をしていることだろう。
チラリと私を窺った母が今にも噴出しそうにプルプルしていた。
扇子で口元を隠してもバレバレですよ。お母様。
「お母様。こちらが今回ご紹介したいベリアル様ですわ」
とベリアル様を紹介すると、お母様の様子が変わった。
ぇ? と小さく呟いた。
「久しぶりだな。エレノア姫」
ん? え? お久しぶり?
「ええ……」
お母さんは歯切れが悪い返事だ。
どうしたのだろう?とお母さんを見つめるとしょっぱい顔をしていた。
ん???
私は、おどおどと、ベリアル様とお母様の顔を交互に見ていた。
「とりあえず、腰を下ろさないか?」
ベリアル様の提案で、私達はソファーに座ることにした。
私とお母様が隣同士で座るのを確認したあと、ベリアル様が向かいに座った。
すばやく、紅茶を用意した侍女は、静かに隣の待機室に下がる。
どういうことだろう?
お母様とベリアル様はお知り合い?
私の心境が顔に出ていたのだろう。
お母様が深く息を吐き、ベリアル様を見た。
「貴方はお変わりありませんのね」
お母様の言葉にベリアル様は苦笑した。
「君も、昔と相変わらずお美しいな」
社交辞令のセリフっぽいけど、なんだか心がこもりすぎていた。
いたたまれない気持ちになっていく私がいた。
「ラナーが言ってましたよ。
自分が会いに行くと貴方はいつも悲しい顔をされるって。
まだ、ご自分のことを責めてらっしゃるの?」
何の話だろう?
お母様の言葉がすごく気になる。
私がこのまま、聴いていてもいい話なんだろうか?
チラリとベリアル様を窺うと傷ついたような顔をされていた。
お母様は、複雑な顔だ。
「その話はまた今度にしないか?」
何でだろう?ベリアル様のことがすごく気になる。
知り合いってことは、昔なにかあったのかな?
少し考え込んでいたら、お母様は少しだけ怒ったような表情で言った。
「そういう訳にはいきませんわ」
ちょ!
お母様、ベリアル様、嫌がってるよ?!
私は止めに入ろうと思ったが、お母様の言葉はまだ終わってなかった。
「だって、次のリリーナの標的はエミリアなんですもの」
は? な、なに? 標的? リリーナってだれ!?
お母様の言葉の意味が分からない。
だけど、ベリアル様は驚いて目を見開き、顔色が悪くなっている。
この2人は「何か」を知っている。
だけど私は、その「何か」が分からない。
私は、ただただ困惑するだけだった。
「お、お母様も、ベリアル様も何をおっしゃっているの?」
絞り出した声はとても小さかった。
お母様とベリアル様は目配せして私のほうを向いた。
お母様は意を決して口を開いた。
「貴女に、話さなければならないことがあるわ。
それは彼にも貴女にも関係があること。
覚悟して聞いてちょうだいね。」
お母様とベリアル様は話してくれた。昔何があったのかを。
ありがとうございました。