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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
白魔法の文献編
177/232

176話『森の魔物討伐戦 2』

エレノアお母様視点続きます。


前話で小麦粉を使った粉塵爆弾の話を魔法道具によっての

粉塵爆弾と訂正しております。


小麦粉時点で読まれた方は、読み直ししてくださいませ。




広場にはヴォルステイン家の紋章の大きな馬車が1台止まっている。

馬車から降ろされる木箱には

薄いガラス瓶に赤い液体と青い液体が詰まっている。


エミリアが開発し作成した回復と魔力回復のポーションだ。

この魔物討伐には兵士に治癒のポーションを2瓶ずつ配給する予定だ。

魔術師には魔力回復のポーションだ。


現在ヴォルステイン領でポーション開発に携わっているのは

ほとんどが、うちの専属の治癒院の研究者と魔族領からやって来る魔族たちだ。

回復のポーションを研究者達が、魔力回復ポーションを魔族達が作っている。


魔族達はブルード城の地下研究室にベリアル陛下が設置した魔法陣から

毎日、勤務してきている。


そして、1日の決まった量のポーションを作成しては帰って行くのだ。


魔族達へのポーション作成の見返りは、小麦やお酒、エルフ織など

の特産品だけという破格の契約を結んでいる。


それらの契約はエミリアが自身で取り付けたのもだ。

我が娘ながら本当に関心するわ。


そんな事を考えながら、木箱のポーションの数を確認する。


「ポーションの数は頼んでいた数、全て揃っているかしら?」


木箱を下ろす兵士達に声をかける。


「はい、大丈夫です」


「では、これらを出発までに兵士達に配って置くように。

 兵士には治癒のポーションを2瓶。

 魔術師達には治癒のポーション1瓶と魔力回復ポーションを1瓶ずつね」


「「わかりました!」」


兵士が頷いたあとは、出発まで待機する事にした。





■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■






隊列を組んだ兵士達が隊別に分かれて、雪原を進む。

私は馬にまたがり、歩を進める兵士の足並みにそろえている。

大体30分くらいで目的の場所まで到着した。


この場所に本陣を設置し、主に救護のテントなどを置く。

森から300メートルほど離れた場所が本陣だ。


他の場所に展開している兵士達の準備が整うまで私達は待機をする。

このまま魔物が森から出てこなければ、こちらから打って出る予定だからだ。


エドワード殿下の考えた作戦は、包囲網完成まで襲ってこなければ待機。

包囲網完成後、南側と西側の兵達が光玉を使って合図し、

それを合図に北側が霧を晴らすという作戦だ。


森の様子をうかがう。

森の周囲はうっすらと白くかすんでいる。


「あれが斥候が言っていた視界を奪う為の霧ね」


「とても厄介ですね。

 固まって移動しないとはぐれてしまいそうです」


私の言葉に反応したのは、私と共に戦ってくれる第3兵隊班長のシュゼルツ殿だ。

彼の班は、先日からの魔物退治で私と共に戦ってくれた者達だ。

一度私と組んでいるので、連携が取り易いだろうと言う、エドワード殿下の

はからいで、私は彼達の班に加えられた。


(シュゼルツ殿とは戦いの連携も取り易いから正直、助かるわ)


私が使える魔法についてはシュゼルツ殿と兵士達に説明済みだ。

上手く巻き込まれないように立ち回ってくれるだろう。


「でも、固まっていると魔物の思うツボでしょうね。

 あの突進は厄介だわ。

 魔物に触れただけで、状態段階3は確実だったわね」


実際に経験したし、そんな状態の私を運んでくれたのも彼達だ。


「霧に対しては北側のエドワード殿下率いる魔術師達に

 任せるしかないようですね」


頷いた私は、森を見つめる。

こんなに大勢の人間が雪原にいるのに、森からの反応は無い。


(静か過ぎる……少し不気味ね……)


そんな事を考えていると、

南側と西側の兵士達が準備完了の光玉を空に打ち上げた。

それを合図に、北側からも赤い光が舞う。


北側の魔術師達が森の手前から魔法粉を布を使って巻き上げ、

巻き上げられた魔法粉は、風に乗って森へと流れていく。

そこに、無数の火魔法が放出されたようだ。



ボボンッ!!!!



という、低音が効いた爆発の勢いは、

音に反して思った以上に森へのダメージが多きかった。


ほぼ森とは言えなくなった状態の森に、北の魔術師達が爆発魔法で煙を流す。


北側からのその音を合図に、私達は突撃を開始した。




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