169話『援軍到着 3』
会話シーンが少ないと注意を受けましたので多めにしていきます。
でも、これって話数も多くなるんじゃ・・・?Σ(゜ロ゜;)
クレス殿下に手を引かれて、
なぜかクレス殿下の隣に腰を降ろすことになった。
ベリアル様は私の後ろで静かに立っている。
クレス殿下はベリアル様を一瞬だけ見て、頭をかしげていた。
何か気になることでもあったのかな?
「エミリア様!
いままでの愚兄の愚かな振る舞い、申し訳ありませんでした!」
エドワード殿下の後ろに立っているバイゼイン家の美女が
私に向かって頭を下げた。
マリー副団長もすぐに頭を下げ、
コンラート様の頭を掴んで下げさせている。
下げられたコンラート様の表情は窺えない。
私は直ぐに3人に顔を上げるように声をかける。
「頭を上げてください。
謝罪はもう十分受け取りましたから。
それと、えーっと……」
私は、コンラート様のことを愚兄と言った美女に顔を向ける
「申し送れました。私の名前はリーテ。
リーテ・バイゼインと申します。
エミリア様、ベリアル王子、どうぞお見知り置きを」
リーテ・バイゼイン!?
リーテって、ジョシュアが言っていた続編のヒロイン!?
私は内心の驚きが表情に出ないようにし、優雅にお辞儀した。
思っていた印象より、リーテは律儀で礼儀正しい。
綺麗な騎士の所作で敬意を示してくれる。
「リーテ様、どうぞ仲良くして下さいね」
「もちろんです! エミリア様!
ベリアル王子も、良ければ貴方の剣術の腕を後で見せて頂きたい。
エレノア様から、1人でヴェルフェボア2匹を相手に立ち回ったと聞いて、
一度貴方と手合わせをしたいと思っておりました。
若輩者の私ですが、これでも母と父に鍛えられた身。
どうか、私の相手をして頂けないだろうか?」
リーテ様は、ベリアル様に視線を向けて微笑む。
リーテ様の頬が少しだけ染まっているのは、興奮しているからだろうか?
それとも……?
私は、チクリと痛む胸を我慢して成り行きを見つめる。
ベリアル王子は難しい顔をして、言葉を発した。
「すまないが……断らせてもらう。
私より、エレノア姫の方が剣の腕前で言うなら上だ。
私は我流だし、魔物を倒したのも星霊シェイドの力ありきだ。
魔法を使って戦うのと剣術だけで戦うのとは違うからな」
ベリアル様はそんな言い訳でリーテ様の誘いを断った。
「そうか……。
わかりました。 無理を言ってしまい申し訳ない」
リーテ様は、切ない表情を浮かべてベリアル様を見たあと頭を下げた。
頭を上げた時には、少しだけ落ち込んではいたが、
さっきまでの微笑みに戻っていた。
ベリアル様が断った時、私は少しだけうれしい気持ちになってしまった。
リーテ様には申し訳ないけれどね……。
私達があいさつを済ませたあと、クレス殿下が焦れたのか声を発した。
「ねーねー、早く本題に入ろうよ。
エミリアとベリアル王子にも無関係じゃないんだからさ。
さっさと話し合いを終わらせて、夕ご飯を食べたいなぁ」
「そうだね。
じゃあ2人にも最初から説明しないとね」
エドワード殿下の言葉に、お母様とバイゼイン夫人は頷く。
私達にも無関係じゃない?
疑問を浮かべる私とベリアル様に視線を向けて
説明するために一歩前に出たのは、コンラート様だった。