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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
白魔法の文献編
161/232

160話『白魔法の文献 1』

時間軸がさかのぼります。

エドワード視点です。


文献探し編とでも言いましょうか・・・。


章が長くなりそうだったので、章の数字を取っ払いました。




エミリア達がテスト研修のため学園を出発する少し前、

エドワード殿下は、『白魔法の文献』を探すため、

マリエラと王都中を探し回っていた。


僕の部屋には3人の人物が机に向かって座っている。

僕の隣にマリエラ嬢、机を挟んだ向かいにロットナー商会のケヴィン氏だ。


「目的の本はこちらで間違いなかったでしょうか?」


僕の目の前に座るハーフエルフの青年、ケヴィン氏は、

皮制の鞄から一冊の本を取り出し机に置いた。


彼は、僕が頼んでいた本が商会に置いてあるか問い合わせしてくれたのだ。

そして数日前、本が見つかったという事で、

わざわざヴォルステイン領にある実家の商会まで取りに行ってもらったのだ。


僕が探し続けていた本。

それは『白魔法の文献』だ。


中身を隣に座るマリエラ嬢と確認する。


本の中身は、達筆な日本語で文字が書かれていた。


「大丈夫。これは僕が探していた本だよ。

 ケヴィン殿にはわざわざ実家まで取りに行かせてしまって

 申し訳なかったね」


隣に座るマリエラ嬢は顎に手を当てて、

真剣な表情で本の中身を確認している。


「しかし、本当にその本でよろしかったので?

 この国にいる誰にも読めない暗号の様な本だそうですよ?

 父が言うには、我流言語で書かれた日記だと言っていましたが……。

 僕には良く分からない記号というか絵の様にしか見えませんでした」


「そのようだね。

 けれど、問題はないよ。

 この本はまさに僕が探していた本だから」


僕はティーカップを傾けて口を湿らせる。


「それならば、良かったです」


ホッと息をついたケヴィン氏もティーカップの中身を飲み干して、

帰り支度を始めた。


「それでは、僕はそろそろおいとましますね。

 また何か有りましたら、ぜひロットナー商会をご贔屓に」


綺麗なお辞儀をしてケヴィン氏がこちらに笑顔を向ける。


「ケヴィン殿、この本のお礼は貴方の商会に相応の金額を送ります」


目を丸くしたケヴィン氏はニッコリと笑って頷いた。

そして、侍従と共に僕の部屋を出て行った。



ケヴィン氏が帰ったあと、

僕は真剣に文献の中身を確認するマリエラ嬢に向かって声をかける。


「マリエラ嬢、中身はどうだい?」


「この文献も日本語みたいですね。

 それと、エドワード殿下の読みは当たっていますね。

 呪いを返す方法と呪いを解く方法、両方の説明があります。

 だけど……」


開いた状態で見せられたページをマリエラ嬢は指で差し示す。


上の方には、呪いを解く方法と日本語で書かれ、

肝心の内容は切り取られた楽譜だけが書かれている。


マリエラ嬢は、王家の宝物庫から探し出した文献の、

同じページの部分も同時に並べている。


そこにも切り取られた楽譜のページがある。

それも2つの文献、それぞれ違う場所が切り取られている。


文献は2つとも糸綴じ本なので紐を解いて楽譜の部分だけを取り外す。

並べると楽譜の書かれ方が同じなのが分かる。


しかし、王家の宝物庫から出てきた楽譜の部分とは一致しない。

間に当てはまる譜面が他にも必要なのだろう。


「これは、全て探し出すのにはかなりの時間が掛かるね」


「そうですね。

 だけど、エミリアとラナー様のためだもの。

 エドワード殿下、何としても全ての文献を集めましょう!」


真っ直ぐに見つめて鼓舞してくれるマリエラ嬢がとても頼もしく見える。


「そうだね、頑張ろう」


母上のため、そしてエミリア、ナナリーのため。

早く、文献を探さなければ……。



皆様、お正月休みどのように過ごされたでしょうか。

私は、久しぶりのお姉さんやお兄さんと遊びまくりました。

遊んでいたからストックが溜まらなかったんじゃないよ!

本当さ!

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