151話『続・合同研修 2』
予約投稿中。
投稿日時は12月29日。
ヒーラー先生に代わって、隣に居た小太りの先生が前に出る。
炊き出しについての説明だ。
「まずは班を大きくするので、先生の指示通りに動いてくださいね。
1班~9班を合同グループ1、とします。
10班~17班を合同グループ2、とします。
18班~24班を合同グループ3とします。
これから先、1グループと呼ばれたら1~9班の事を差すので
覚えてくださいね。
皆さん、グループごとに固まって列を作ってください」
グループの立て札を持った先生が3人等間隔で生徒達の前に立った。
先生の指示通りに生徒達が移動を開始する。
私達は18班なので、グループ3に移動した。
1グループにつき60人強くらいだろうか?
班ごとに皆、綺麗に並んでいる。
並び終わった生徒に満足した先生は、説明を再開する。
「それでは、炊き出しの詳しい説明をします。
まずは、グループ1は中央広場で炊き出しを行います。
材料は兵士達が運んで来てくれた木箱の中にあります。
グループ2は東門前の広場で。
そちらにも同じく、材料の入った木箱は運ばれています。
グループ3は西門付近にある星教会で行ってください。
そちらにも、材料の入った木箱は運び済みです。
木箱の中身は街の住民達が、治療のお礼にと皆で持ち寄ってくれた食材です。
無駄にせずに、それぞれ何を作るか相談し合って作ってくださいね。
班ごとに分けて別々のものを作るのもありですよ。
皆さんが作った料理がそれぞれ皆さんのお昼ご飯にもなります。
頑張って食べられるものを作ってくださいね」
食べられるものをって……
まぁ、ちゃんと味見しながら作れば失敗する事もないさ……。
私はちょっとだけ不安になった。
説明が終わった先生が下がったところで、10分間だけ話し合いを設けた。
我々グループ3、総勢約60名は、3班ごとに分けて料理を作る事になった。
被りなしだから、うちの班達はこれを作る!と言ったもん勝ちになっている。
22、23、24班がスープ系、
20、21班に野菜系を宣言されてしまったので、
18、19班はご飯やパン系、もしくは肉系の担当になってしまった。
グループごとの立て札を持った先生の誘導で帆馬車に乗り込んで、
西門近くの旅宿前、つまり昨日私達が泊まった場所に到着した。
あれ? と思ったけれど、良く見ると隣に立派な教会が建っていた。
昨日いろいろありすぎて、周りを見ていなかったからね。
負傷した兵士のほとんどが教会に入れられて、
昨日宿屋に居た兵士は教会に入りきらなかった兵士達だったのだろうね。
旅宿部屋の部屋が空いていたのに、
兵士が部屋に入れられてなかったのが気になっていたのだ。
教会は木材で出来た横に広い形の建物だ。
雪下ろしのされた屋根は赤レンガの瓦で造られていて、
星教会のシンボルマークの青い星が
太陽の光を浴びて、てっぺんで輝いている。
教会の前には花壇と広めの広場になっていて、
広場の雪は、かき集められ綺麗に花壇の両端に積まれていた。
その手前には16個の木箱と麻袋が6袋、
天幕型のパイプテントが並べられている。
教会の子供達が元気良く駆け回って遊んでいた。
帆馬車に気づいた数名の子供達は、
驚く子や、興味津々でこちらを窺っている子、手を振る子など
さまざまな反応だった。
それぞれの班の先生達が先に降りて、
教会の神父様とシスターにあいさつをしに向かった。