150話『続・合同研修 1』
ー前書きー
年末年始の活動報告について。
12月30日から来年1月6日まで、1日1話の投稿にします。
投稿時間は21時固定です。
所用の関係で、誤字やなろうのページ確認もできなくなると思います。
ご了承ください。
「そろそろ、生徒全員が集まって来ましたね」
「そうですね」
キャシーさんの言葉で、広場を見渡すとほとんどの生徒達が
集まりつつあった。
その光景を眺めていると、ベリアル様に肩を叩かれる。
どうしたのかと、そちらに視線を向けると、
私達の班の担当の教師と一緒に、ナナリーがこちらに向かって来ていた。
近づいてきた先生は私達に話を聞くように合図した。
「ゴホン!
えーっと、今日から君達の班に新しいメンバーが加わります。
組み合わせは、ミスター・マリク。
君がペアを組んであげなさい。皆も、仲良くするようにな」
「よろしくお願いします」
ナナリーは私達に頭を下げた。
皆もそれぞれ言葉と自己紹介を行っていた。
ライナーは少しだけ、面白くなさそうな表情だったけれどね。
ナナリーが私達の班に来たのは、きっとお母様のはからいだろうね。
ナナリー達のもともとの班はジョシュアとシンシアが抜けている状態だ。
班を解体して、メンバーを他の班に振り分けたのだろうね。
しばらくして、治癒科と治癒学校の生徒全員が広場に集合した。
生徒達の前には、宿舎担当の教師が5人立っている。
他の教師達は横のほうに並んでいる。
教師の一人でこの宿舎の教師達を取り仕切る役目を担ったおじいちゃん先生、
ヒーラー副院長が大きな声であいさつをした。
「えー、皆さん。
先日、西門で起きた騒動についての詳しい説明を行います。
この中の生徒達も間近であの脅威を見た生徒も居る事でしょう。
心を落ち着かせて、聞いてください」
ヒーラー先生の話は、魔物が近隣の森に現れた事から始まり、
今回の流行り病の原因がその魔物にあることまでも詳しく説明していた。
病はかかっている人から別の人にうつることはなく、
病の元である魔物の吐く霧を吸い込まない限り大丈夫だと説明された。
街の住民が病に侵されていたのは、魔物の吐いた霧が森から風に乗って
街に充満したのが原因だった。
現在、外壁の上では魔術師達が交代で風除けの魔法を展開しているそうだ。
街の中にいる分には、病にかかる心配は無いということだった。
「最後にテスト研修について話します。
エレノア院長の指示に従い、今からテストを再開することにしました」
えっ!? 今から!?
私と同じように、皆驚いてざわざわしだす。
それを手を上げる事で先生が止めに入った。
まだ説明の途中だもんね。
「今から実施する研修内容は、炊き出しじゃ」
ふぉっ ふぉっ ふぉっ!
と笑うヒーラー先生はなんだかとっても楽しそうだった。
また長い1日編が始まったよ~。