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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
テスト期間編
147/232

146話『失ったもの 3』

エレノアお母様の会話シーンを一部修正しました。





ジョシュアにシンシアを任せて、

私達は、さっきまで私が寝ていた部屋に戻ってきた。


シンシアの状態を簡単に説明するなら、記憶喪失というやつだろうね。


「困ったわね。シンシアがあのまま記憶を取り戻さなかったら

 シンシアのご両親にジョシュアとシンシアを引き離される可能性もあるわ」


お母様の言葉に私とナナリーはショックを受けた。


「そ、そんな……」


ナナリーは泣き出してしまっている。


「わ、わたしの……せいで……」


そう呟くナナリーを私はそっと支える。


「なんにしても、ジョシュアとシンシアを

 このままコルトに置いてはおけないでしょうね。

 私は、今からシンシアのご両親と両陛下に手紙を書くわ。


 あの様子だと、シンシアは日本語しかしゃべる事ができない。

 ご両親に引き渡したとしても、あの子が気の毒だわ。

 できる限り、日本語をしゃべれる人の傍に置いてあげたいわね」


お母様の言葉に、皆頷いていた。


「それと、ナナリーさん」


名前を呼ばれたナナリーは、顔を上げお母様を見つめる。


「貴女の処遇についてはまだ保留よ。

 西門で、貴女は兵士たちを必死に癒し続けたわ。

 複数の兵士たちが、貴女のおかげで助かったって言っているの。

 それも含めて、貴女の犯した罪がどうなるか、

 両陛下に聞いてみないと分からないわ」


「……わかりました」


頷いたナナリーに納得したお母様は、

ベリアル様と私にあいさつをして部屋を出て行った。


きっと両陛下も分かってくれる……

それでも、責任は取らなきゃいけないだろうけど……。

どんな処遇だとしても、ナナリーはきっと受け止めるだろう。


とりあえずナナリーの処遇の件は、お母様に任せよう。



お母様が居なくなった部屋で、

今まで何かを考えていたベリアル様が、私とナナリーに声をかけた。


「エミリア、ナナリー嬢。 少しいいか?」


「ベリアル様、どうしました?」


「シンシアの状態について、シェイドが気づいたことがある。

 私の説明と仮説を聞いてから、意見をくれるとありがたい」


ベリアル様の説明を要約すると、

シェイド様やアリエ様、星霊だけが見える運命の糸と言うものが存在する。


それは、強い運命に導かれる者が一番多く持っているもの。

運命の糸は関わりあう人たちは全て同じ色をしている。

私達にもその糸は存在していて、

ゲームの運命に関わる糸もここにいる3人共、絡まっているそうだ。


シェイド様達が何を言いたいのかと言うと、

シンシアのゲームに関わる糸が綺麗サッパリ消えている。

と言うことだった。


記憶を失ってしまったから運命の糸から解放されたというのが

ベリアル様の仮説だった。

私とナナリーも同じ考えだった。


しかし、ここでアリエ様が爆弾発言。


「『桃色ノ子の糸も消えつつあるのであーる』」



運命の糸がナナリーからも無くなりつつある?


どういう意味だろうと考えて詳しく聞こうとしたけれど、

アリエ様は私の三つ編みに潜り込んで眠りについた。


ベリアル様が言うには、

星霊のこの行動は「これ以上は言えないよ!」という意思表示らしい。


運命の糸が消える……

つまりは、ナナリーの記憶も消えちゃうということかな?

これ以上考えても、私達には新しい考えは浮かばなかった。




ありがとうございました。

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