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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
テスト期間編
146/232

145話『失ったもの 2』

やばい、寒い。

手が震えてタイピングが上手くできない!

誤字が多いかもしれません><




シンシアは脅えた表情で、私達や周りを見回していた。


『な、なに……あなたは、だれ? ここは……どこ?

 わ、わたし……わたしは……? あ、あれ??』


シンシアは気が動転しているのか、

周りを見回して酷く脅えた表情だった。

それに、しゃべっている言葉は日本語だ。


「シンシア……?」


『……ここは……?

 わたしは…………? わたし……は……?』



私は、どうしたらいいのか分からずに、振り返ってお母様たちのほうを見た。


お母様とベリアル様は悲痛な眼差しで、ナナリーは今にも泣きそうな顔だった。

ジョシュアの表情は俯いていて、わからなかった。


私は、シンシアに視線を戻した。

シンシアは、ただただ頭を抑えて自問自答を繰り返していた。


ジョシュアがゆっくりとシンシアに近づいてきた。

場所を譲って、私はゆっくりと下がる。


「シンシア……」


シンシアは、ジョシュアが近づいてくるのに気づいて身構えている。

すごく脅えた様子で、ベッドの端っこに移動して身をぢ込ませていた。


ジョシュアは、シンシアの傍にゆっくりと腰を下ろした。


『こんにちは』


ジョシュアが日本語で話しかける。


『こ、言葉が分かる……』


少しだけ緊張を解いたシンシアは、ジョシュアを見つめる。


『僕の名前はジョシュア。 君の名前はシンシアって言うんだ』


『ジョシュア……シンシア……』


シンシアは名前を呟いて、頭を抑えた。


『私は、シンシア……? でも、分からない……』


不安げな表情のシンシアに、ジョシュアはゆっくりと話しかける。


『シンシア。 君は僕のお嫁さんなんだよ』


『およめさん……?』



『そうだよ。 ほら、お揃いのリングをしているでしょ?』


左手の薬指に填めてあるお揃いのリングを見つめるシンシアに、

やさしくジョシュアは微笑んだ。

ジョシュアの表情を見たシンシアは、ずっとジョシュアを見つめている。


『僕は、君の夫だ。

 君が記憶を失ってしまっても、それは変わらない。

 僕は君を守り、支え続けるよ』


ジョシュアはそっとシンシアの左手の指先に触れた。

シンシアは戸惑いつつ、涙を浮かべている。


『でも、わたし……何も分からない……』


『大丈夫。 今は何も分からないだろうけど、

 少しずつ覚えていこう。

 僕がずっと傍にいるから。 安心して』


ジョシュアの言葉と行動にシンシアの頬は少しだけ赤く染まる。

「大丈夫。 安心して」と何度も語りかけるジョシュアに、

シンシアの表情も柔らかくなっていた。



肩を叩かれて振り向くと、お母様たちが静かに廊下に出ようとしていた。

そうだね、あとはジョシュアに任せてもいいかもね。

私は頷いて、皆と一緒に部屋を出て行ったのだった。



記憶喪失になった人の不安ってどんなもんやろうね?

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