145話『失ったもの 2』
やばい、寒い。
手が震えてタイピングが上手くできない!
誤字が多いかもしれません><
シンシアは脅えた表情で、私達や周りを見回していた。
『な、なに……あなたは、だれ? ここは……どこ?
わ、わたし……わたしは……? あ、あれ??』
シンシアは気が動転しているのか、
周りを見回して酷く脅えた表情だった。
それに、しゃべっている言葉は日本語だ。
「シンシア……?」
『……ここは……?
わたしは…………? わたし……は……?』
私は、どうしたらいいのか分からずに、振り返ってお母様たちのほうを見た。
お母様とベリアル様は悲痛な眼差しで、ナナリーは今にも泣きそうな顔だった。
ジョシュアの表情は俯いていて、わからなかった。
私は、シンシアに視線を戻した。
シンシアは、ただただ頭を抑えて自問自答を繰り返していた。
ジョシュアがゆっくりとシンシアに近づいてきた。
場所を譲って、私はゆっくりと下がる。
「シンシア……」
シンシアは、ジョシュアが近づいてくるのに気づいて身構えている。
すごく脅えた様子で、ベッドの端っこに移動して身を縮ぢ込ませていた。
ジョシュアは、シンシアの傍にゆっくりと腰を下ろした。
『こんにちは』
ジョシュアが日本語で話しかける。
『こ、言葉が分かる……』
少しだけ緊張を解いたシンシアは、ジョシュアを見つめる。
『僕の名前はジョシュア。 君の名前はシンシアって言うんだ』
『ジョシュア……シンシア……』
シンシアは名前を呟いて、頭を抑えた。
『私は、シンシア……? でも、分からない……』
不安げな表情のシンシアに、ジョシュアはゆっくりと話しかける。
『シンシア。 君は僕のお嫁さんなんだよ』
『およめさん……?』
『そうだよ。 ほら、お揃いのリングをしているでしょ?』
左手の薬指に填めてあるお揃いのリングを見つめるシンシアに、
やさしくジョシュアは微笑んだ。
ジョシュアの表情を見たシンシアは、ずっとジョシュアを見つめている。
『僕は、君の夫だ。
君が記憶を失ってしまっても、それは変わらない。
僕は君を守り、支え続けるよ』
ジョシュアはそっとシンシアの左手の指先に触れた。
シンシアは戸惑いつつ、涙を浮かべている。
『でも、わたし……何も分からない……』
『大丈夫。 今は何も分からないだろうけど、
少しずつ覚えていこう。
僕がずっと傍にいるから。 安心して』
ジョシュアの言葉と行動にシンシアの頬は少しだけ赤く染まる。
「大丈夫。 安心して」と何度も語りかけるジョシュアに、
シンシアの表情も柔らかくなっていた。
肩を叩かれて振り向くと、お母様たちが静かに廊下に出ようとしていた。
そうだね、あとはジョシュアに任せてもいいかもね。
私は頷いて、皆と一緒に部屋を出て行ったのだった。
記憶喪失になった人の不安ってどんなもんやろうね?