127話『合同研修 2』
ーまえがきー
ちょっと、説明過多です。
誤字や脱字、言葉の言い回しの修正など、ありがとうございます。
日本語は難しいので助かっております!
これからも、頑張っていきますので、
どずぞ、よろしくおねがいします!
馬車が目的の街に着いたのは、夕方を過ぎたあたりだった。
ちなみに、昼食は途中休憩があり、暖かいシチューを食べました。
大きな石壁が丸く街全体を囲む、この街の名称はコルト。
ハイライト王国との貿易の物資が必ず通る街である。
街の中には東側と西側に門が設置してあり、
私達の馬車が入るのは東側の門だ。
コルトは、王都とハイライト王国の国境砦までの道は舗装され、
タイル一枚一枚に雪と魔物避けの効果のある魔道具を設置してある。
ここで、魔道具とは?と皆さん思っただろう。
魔道具とは、魔力石と呼ばれる鉱石で作ったもののことを差す。
魔力石は、魔力溜まりの多い鉱山などで発見される鉱石だ。
少し前までは、レアな代物だったものが、
人工で作れる事が研究でわかり、魔力石は一般的な魔道具として普及した。
今では、他国にも技術提供がなされ、国の安全に貢献しているのだった。
閑話休題。
コルトの街入口の門前には検問待ちの旅人や行商人の姿があるはずだが、
流行り病のせいか、そう言った類の人たちはまったく見かけなかった。
馬車はそれぞれ街に入っていく。
街の様子は、中央に広場があり、東門と西門を繋ぐ大通りが通っており、
大通りから100メートル感覚に碁盤の目状に道が北と南に細かく伸びている。
それぞれ、中央から北東寄りに庶民街があり、北西寄りに商店街がある。
南側は裕福な民家や貴族家、商家や役所などがある。
馬車は、街の中央にある広場に綺麗に整列し停車した。
馬車から降りてそれぞれ班を作って待機する。
停車した馬車は生徒達を降ろした後、広場から南にある駐車スペースへと
向かっていった。
私達学生は、今日から3日間この広場前にある兵士用の宿舎を借りるようだ。
石壁と中庭に訓練場まである大きめの宿舎だ。
5階建てで横に広い日本の学校の様な造りだ。
班分けは、治癒学校の生徒達と混合だった。
私の班には護衛としてベリアル様と王都の治癒学校の双子の少年少女だ。
名前は姉のキャシーさんと弟のセンラ君だ。年齢は16歳。
2人とも、毛先にクセのある茶髪に瞳は深緑だ。
オソロイの赤い飾り玉のついた髪紐で髪の毛を低い位置に一つに束ねている。
「これから3日間よろしくお願いします」 「よろしくです」
センラ君がキャシーさんの護衛ということになっているようだった。
あいさつを交わして、一緒に宿舎の部屋に向かう。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ベリアル様は静かに目礼をしていた。
4人1組の部屋で、男女同室なのは仕方ないのだ。
これも経験だ。上流貴族には辛いだろうけれどね。
もし、治癒院で働く事になったら、今よりも酷い環境の場所に
派遣される場合もあるのだ。
そういうことも含めて、今の内から慣れておかなければいけないからね。
それに、皆さん忘れてはいけないのが、現在テスト中なのである。
貴族のボンボンたちは忘れがちだけれど、
文句を言えばそれだけ減点なのだった。
宿舎の中は、階層ごとに部屋が10部屋ずつあり、
私達の班は2階の端っこの部屋だった。
階段を挟んで5部屋ずつの配置で、階段から右奥が私達の部屋だ。
部屋の中は10畳ちょっとの広さで、2段ベッドが奥のほうに並んでいる。
真ん中には獣の毛皮の絨毯と正方形の机があり、火鉢が用意されていた。
入口の扉から左側に、鏡付きの小さな洗面台があり、
部屋の端にはハンガーのかかった、ハンガーラックとハットスタンドに
衝立が置いてある。
女性が着替えるときは、これを使えということだろうね。
荷物は、それぞれベッドの下にダイヤル式の鍵のついた引き出しが
設置してあり、そこに収納するようだった。
「これは……。
ここで、3日間生活ですか……」
キャシーさんの言いたい事がすごく分かる。
「とりあえず、掃除しましょう」
私達は頷きあい、部屋に入っていきなり掃除を始めた。
まず、部屋の中は少し埃っぽい気がしたので、
奥行きのある出窓を開けて換気をする。
「ベリアル様は、高いところをハタキで埃を取ってください」
高いところの埃を先にハタキで叩き落とし、次に床や机の埃を拭き取るのだ。
出窓から見える中庭では、他の生徒達も掃除を始めていて、
絨毯をパンパンしたり、火鉢の灰をかき出したりしていた。
「センラ君は、火鉢を先にお願いします。
終わったら、絨毯と布団を手伝ってください」
私とキャシーさんとで、窓や洗面台などを掃除するのだ。
こうして、私達は役割分担を決めて掃除に取り掛かった。
病気を抑えるには、衛生面から配慮するのは当然だ。
キャシーさんとセンラ君もさすが王都の治癒学校の学生。
とっても手際がよかった。
年末に向けて、我が家も掃除しないとなぁ・・・。
そんな事を思いながら考えた話です。