124話『テスト期間』
テスト期間の話開始です。
かなり長くなります。
ラナー様の秘密のお茶会から半月が経過した。
今日の私は、ベリアル様と、レヴァンヌと一緒に新薬を
取り扱う商店の目録を精査していた。
「扱わせるお店は信頼できる場所を」とお母様に言われたからだ。
主に扱わせるお店は、貴族を対象にした店舗だ。
王都にお店を構えていて、貴族の顧客が多いお店がいい。
そのうち、回復のポーションだけでも、一般人にも買える値段設定に
するつもりだ。
売るポーションの中には、滋養強壮系や媚薬、育毛剤なども含まれている。
実は、ホットネン伯爵家でのお茶会に呼ばれたときに、
伯爵に相談されたのが作るきっかけだ。
この時、相談されたのは育毛剤。
育毛剤の作る行程で、滋養強壮や媚薬が出来ちゃったのは
ちょっと驚いたけれど……。
ちなみに、薬を試したのは言いだしっぺのホットネン伯爵だ。
薬の感想を細かく纏めた紙を見たときは、正直引いた。
いい歳したオッサンの夜のハッスル内容が書かれていたからだ。
卑猥な内容じゃないよ?
ある程度、扱ってもらう商店を決めて今日は解散となった。
2人を玄関で見送ったあと、寝室の机に置いてある陛下からの手紙を手に取る。
内容は、私とエドワード殿下の婚約の解約が正式になされた事と、
お母様と両陛下に頼んでいた事もあり、カイン様とコンラート様は、
学園を退学になったことについてだった。
学園やお茶会では、有名な家名の2人が退学なのだから、
他家のお茶会では2人の噂で持ちきりだ。
今年のお茶会には2家はもう参加も開催もしないようなので、
余計にさまざまな噂が飛び交う事となった。
私は、先日イケメンs2人からも正式に謝罪された。
家族で頭を下げられた時は大事になり過ぎていてあせったけどね。
まぁ、貴族ならこんなものか。
それと、湖にいた女性の事は結局、誰か分からなかった。
イケメンs2人が言うには、リリンの連れて来たまったくの知らない人らしい。
だけど、ポアソン君が言うには、
バイゼイン家の関係者だろうとは言っていた。
もしそうであるならば、バイゼイン伯爵と夫人が黙っていないはずだけど、
家に訪ねてきて、謝罪された時は何も知らないようだった。
私も、特徴や顔など記憶に無いので、この件は保留となった。
※認識阻害のマフラーのことを、エミリアは知りません。
そして現在、1月の学園では、学年末のテストが行われている。
基礎学科のテストは終了し、残りはそれぞれの選択科目のテストと
教養のテストのみとなった。
治癒科も教養も両方実技テストだ。
明日から5日間が治癒科のテストなので、私は準備をする。
ベリアル様は治癒科の護衛なので、とうぜん治癒科のテストに参加だ。
護衛といえども、『聖霊の契約書』に署名済みだ。
それに、治癒魔法が使えなくとも、応急手当や医療器具や病気の種類、
衛生管理法などを授業で一緒に学んでいる。
卒業後は、サポーターの免許を習得できるのだ。
護衛兼、任意でサポーターとして医師の近くに居る事が出来るのだった。
鞄に詰めるのは、5日間分の着替えの制服と、
パジャマは裾の長いパンツタイプだ。
ルームウェアはもこもこパーカーと太腿カボチャパンツ。
ラフなワンピースも一緒に詰める。
それぞれ2着ずつだ。
着替えは多いに越した事はないのでね。
最後に、新薬とスクロールとレポートも鞄に入れる。
新薬とスクロールは私の作った魔法薬なので、実技テストでも使えるのだ。
レポートは、それぞれのスクロールと新薬の効果を書いたものだ。
準備が完了し、湯浴みをして今日は早めに休むことにした。
ありがとうございました。