118話『ラナー様のお茶会 2』
誤字など訂正していたら、投稿遅くなりました。
ごめんなさい。
よろしくおねがいします。
ラナー様のお茶会に参加しているのは、転生者がほとんどという、
驚くべき状態だった。
しかし、ここでベリアル様が爆弾を投下。
「エミリア。シェイドが言うにはもしかしたら、私も転生者らしいぞ」
というベリアル様の言葉にお茶会のメンバー全員が驚いた。
星霊シェイド様が言うってことは、もうそれ予言じゃん!?
なんでベリアル様は、そんな落ち着いていられるのか……。
ちなみに、今更ながらベリアル様は
他人の前でも私の事を呼び捨てにしているよ。
お母様も両陛下も特に何も言ってこないし、
私も嫌ではないので、特にいいかな。
「でも、そうですよね。
ゲームをやっていた僕達がこうして転生して、ゲームの重要人物に
なってしまっているんですからね。ありえますよね」
とジョシュアは納得していた。
「ジョシュアとシンシアは記憶はいつからなの?」
私は気になっていたことをジョシュアとシンシアに聞いた。
要約すると、シンシアが先に記憶を取り戻したらしい。
このままだとジョシュアをナナリーに取られると思ったのか、
学園に通うのを辞めて、ジョシュアに相談したらしい。
そしたら、偶然その話を聞いたジョシュアも、
その場で記憶を取り戻したのだとか。
記憶を取り戻してみると、2人は前世での恋人同士だったのだと。
神様、ジョシュアの記憶を取り戻す瞬間が雑くない?
まぁ、いいか。
前世ではジョシュアはシンシアと一緒に『聖霊の白乙女』をしていたらしい。
恋人同士で乙女ゲームやるってなんかすごいね。
ゲームの内容も私より詳しい件。 くっ、悔しくないもん。
しばらく、お互いの記憶やゲームについて話していると、アスト陛下が
入室してこられた。
皆席を立って、あいさつをする。
「皆、楽に」
アスト陛下の合図で皆、席に着く。
アスト陛下はラナー様とベリアル様と少しだけ話して席に着いた。
「では、アスト様も到着したので、現状の報告会をしましょう」
というラナー様の号令で本格的に秘密のお茶会という会議が開始した。
最初の話し合いは、先日私の身に起こった内容についてだった。
私とお母様は両陛下に頼んで、ある対策を取ってもらった。
あとは、お母様に任せてもいいだろう。
お母様や両陛下は、私に学園を辞めてもいいとのこと。
それか、ヴォルステイン領にある治癒学校への転学も考えてくれるようだ。
今すぐ転学はできないからいろいろ手続きだけ
進めてくれる手はずになった。もちろん、ベリアル様と一緒に。
その次は、私と殿下の婚約について話し合った。
先日、エドワード殿下と相談した結果を報告した。
そしたら、アスト陛下もラナー様もその事についてエドワード殿下から
聞いていたようだった。
今すぐに婚約の解消は出来ないので、後日、星教会へ書類などを取り寄せて
くれるようだ。
婚約の解消後、私の婚約者は居なくなるが、
新薬とスクロールに専念するので、婚約者探しは保留にしてもらった。
次に話し合う内容もマリエラとカイン様との婚約破棄の件だけれど……
「それならマリエラちゃんは、エドワードと婚約してみない?」
というラナー様の気楽な提案が出された。
マリエラはカイン様以外なら誰でもよさそうだった。
アスト陛下に至っては、マリエラなら礼儀作法や血筋なども
申し分ないという事でほぼ決定しそうな勢いだ。
2人の婚約破棄の理由は、カイン様が働いた私への粗暴を理由にするらしい。
その件が片付いたあと、正式に婚約の解消をするようだった。
まぁ、エドワード兄の意思をほぼ無視しているけどね。
でも、個人的にはマリエラと兄のコンビも合ってるかもね。
これでほぼ、
ゲームのエミリアの問題は解決されたはず、だったのだが……。
最後に、挙手したのは、ジョシュアだった。
「僕は今日、皆さんにご相談したいことがありまして」
ジョシュアに皆が注目した。
「皆さんは、『聖霊の白乙女』の続編についてどの程度知っていますか?」
続編?
そんなものあったっけ?
ジョシュアの言う続編を知らなかったのは、
ラナー様とアスト陛下、お母様と私、もちろんベリアル様もだ。
マリエラとシンシア、ジョシュアは知っているようだった。
お母様とラナー様、は『聖霊の白乙女』のゲームを
やっていないからしょうがない。
アスト陛下とベリアル様は前世の記憶がないので論外だ。
ゲームをやっていて続編を知らないのは私だけということになる。
「前世の私が死ぬ直前までは続編の話なんて無かったわ」
という私の言葉に、ジョシュアは答える。
「そう考えると、前世の姉様と僕達が死んだ時期はかなりズレがありますね」
ジョシュアたちが詳しく話してくれた内容は、
『聖霊の白乙女』から5年後に続編が発売したようだ。
マリエラは続編が作成されるという発表を聞いたことがあり、
そのあと、病気が原因で亡くなったそうだ。
シンシアは続編を予約しに行った帰りに事故にあったのだと。
「そしてその続編の登場人物達が来年の学園に入学します」
※来年とはあと3ヵ月後のことを差します。
この世界では、4月の建国祭の日が年の切り替わりになっています。
ジョシュアの話にお茶会の全員が深刻な表情になった。
というか、アスト陛下含めて、大人陣が疲れた表情だった。
「僕の話はまだ終わっていませんよ」
ジョシュアは更なる爆弾を抱えていた。
「続編での悪役令嬢が姉様、貴女なんですよね……」
は?
はああああああああああああ!?
ちょっとまってよ!! ラブミー社、私に何か恨みでもあるの!?
私の感情が表情に出ていたらしく、
マリエラとベリアル様が左右からやさしく背中と肩をなでてくれた。
「どういう理由で私が悪役令嬢になるっていうのよ……」
私は愕然とした。
「姉様、僕達は貴女を助けたい。
だから、この話を聞いてどうするかは姉様に任せます」
真剣な表情のジョシュアに見つめられ、私も覚悟を決める。
(いいわよ。神様の試練がどんなことだって、私は乗り越えてみせるわ!!)
背筋を伸ばして、ジョシュアを見つめる。
「聞きましょう」
覚悟を決めた私を見て、ジョシュアは少しだけ笑って頷いた。
そして、ジョシュアは『聖霊の白乙女』の続編のゲーム
『聖霊の2人の乙女』について話し始めた。
エミリアは、やっと婚約破棄と断罪の未来からの解放かと思いきや、
新しい運命が待ち受けていた!!