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親子そろって悪役令嬢!?  作者: マヌァ
動き出す新たなる運命編。
110/232

109話『襲撃』

軽い戦闘シーンがあります。

苦手な方は、ごめんなさい。




2回目の休憩に入った。

1日に何本も飲むわけにはいかないので、

減った魔力は自己回復に任せることにした。


私は、桟橋の手前の広い場所に魔法陣を縫い付けたシートを敷いて休んでいる。


魔法陣の効果は空気調和機能じどうおんどかんりつきだ。

これは制服にも施されている機能だが、制服は魔道具扱いなので実は違う。

魔法陣は魔法陣の延長上の空間にも効果がある。


制服は魔道具なので、制服のみだ。

肌が見えている場所はあったかくならないのだ。

例えるなら、カイロで出来た服って感じだ。

(意味不明だったゴメン。)


休憩中、桟橋の前でベリアル様は氷を溶かす作業中だ。

もう満足するまで滑ったのでね。証拠隠滅中だ。

キラキラとゆっくり水に戻っていく。

眺めていてすっごく綺麗だった。




しばらくして、ザッザッという足音が聞こえてきた。

視線をそちらに向けると、フードを着た者達2人と

赤いマフラーの女性が一人と、小さな妖精が一緒にいる。

あれはナナリーの妖精リリンだ。

リリンは背の高いフードの男の肩に止まっている。




私とベリアル様が不思議に思っていると、

3人と1匹?はこちらに早足で来る。



そして、そのまま徐々に駆け出し―――






ガッ!!! キィーン!!!






剣を振り抜いたフードの男と女性の攻撃をベリアル様とポアソン君が

受け持った。


私は、突然の出来事にその場で動けずにいた。




そして悟った。


狙われたのは、私だった―――。




ポアソン君と女性はそれぞれ同じ長さの短剣だ。

交差した短剣からは火花が散っている。

お互いの力が拮抗きっこうしているのだろう。



「へぇ。お姉さん、やるねぇ」 「……貴方もね」


ポアソン君と女性はニヤリと笑っている。

そして、キンッ キンッ と打ち合いを始めた。


少しずつ離れていっている?


ポアソン君と一歩も引けを取らない女性。

ポアソン君の表情に焦りが見え始めていた。




ベリアル様とフードの男もロングソードを交えている。

フードの男が放つ連続の剣戟をベリアル様は顔色変えずに片手でいなす。

フードの男が両手に対してベリアル様は片手だ。

しかも、ベリアル様のほうが少しだけ刀身が細い剣だ。

※今更ですが、護衛の名目のあるベリアル様は常に帯剣しています。



「何のつもりだ?」


お互いに距離をとった状態で、

ベリアル様がフードの男に問いかける。


「貴方はまだ、エミリアを庇い立てする気か!?

 いい加減、目を覚ませ!!」


フードの男は私とベリアル様を知っているようだった。


「その女は悪女だ。

 貴方は騙されている!!」


困惑する私にフードの男は、剣先を向ける。


「どういう意味だ?」


「エミリアがここにいるのが何よりの証拠だ!!


 ナナリーとリリンから聞いた。

 この湖に昨日、エドワード様とナナリーが訪れた。

 そしたら、ナナリーが湖から出てきた醜い魚の魔物に襲われたそうだ!


 妖精リリンが言うには、魔物はエミリアが仕込んだものだ。

 今日ここに来なければ、証拠をつかめないと言われた!」


私とベリアル様はハッとした。

聞き覚えのある醜い魚の魔物、ピーラだ。

そして、フードで顔は見えないが、この声には聞き覚えがあった。


「身に覚えのある反応だな?」


いつのまにか後ろにいたもう1人の背の高いフードの男に私は首を掴まれた。


「アグッ……」


チラリと見えたフードの男の後ろには、倒れたカーラとメーデの姿があった。


しまったという表情のベリアル様は対峙しているフード男をそのまま剣で

弾き飛ばした。

ポアソン君も、口笛を吹き、森から動物達が駆け出して

女性を襲う。



「エミリア!!!」 「エミリア様!!!」



ベリアル様とポアソン君が私を助けようと動く。

ポアソン君は遠すぎて間に合わないだろう。


吹っ飛ばされたフードの男は体制を立て直し、自分の剣を投射した。

投げられた剣は、ベリアル様の足元に刺さった。


そのせいで一瞬動きが止まる、ベリアル様。



その僅かな時間で、私は、首を掴んだ男に湖に投げ出されていた。

ベリアル様と私はお互いに手を伸ばした。


しかし、伸ばしたその手は、お互いに届くことは無かった―――。





今更ですが、護衛の名目のあるベリアル様は常に帯剣しています。

騎士家や騎士科の生徒も帯剣している生徒はいます。


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