.48
[地球履歴世界白書から抜粋]
2049年。世界宇宙科学研究所はノーマンである[アルバート三世]を乗せた有人ロケットを火星に向け打ち上げる。
アルバート三世は宇宙に行った最初のノーマン。
一年後の2050年。火星の引力軌道上に到着前の、地球時間7月17日3時17分。
突然、アルバート三世はロケット内から姿を消した。
バイタルサイン(生きてる証の意味で、心拍数・体温・血圧などを測る装置)は、彼の生命存在を表示しているが、モニターやカメラには彼の存在が全く映らない状況が続いた。
体温、血圧は著しく低下し睡眠状態の状況。
有人ロケットは操作不能となり、火星の引力軌道上を永遠に周回する事になる。
それから50年後の2100年。バイタルサインはアルバート三世の生命を確認し続けている。だが彼の姿はモニターに一度も映ってはいない。
補足。アルバート三世の名前は、人間以外の動物が初めて宇宙にいった1949年、アカゲザルのアルバート二世から名前をとった。
アルバート二世は1950年にパラシュートの故障により落下死している。
アルバート三世の元名は
[ドミトリー・フルチェンコフ]
これは公式に発表されてはいない。