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ノーマン物語-サバイバル刑務所  作者: じゃむ
プロローグ
78/153

.44

いつでもすぐに脱出できる準備だけは万全にしてあった。


掛け時計は8時を指していた。


星明かりと白い雪で真っ暗ではないにしろ、ソリを慎重に進める。


星座から進路、脱出ルートも分かる。


ソリのスピードは思ってた以上に早かった。

ドミトリーは練習をしなかった事、発信機に気付けなかった事に何度も悔やみながら、転ばないように運転に集中した。


風の音でドミトリーには聞こえなかったが、ドクターは聞こえたらしい。


ドクターの止まれのジェスチャーでソリを止める。


聴覚を集中する…風の音より低い音が、かすかだが遠くから聞こえる。


ドミトリー達が進む方向から飛行機のジェットエンジン音。

飛行機の明かりが全く見えないのに音が聞こえてくるのは、一機だけではないという事。


ソリを止めた場所は、隠れる場所も、隠せる場所もない平坦な場所。

なるべく平坦な場所を脱出ルートにしたのだから当然でもある。


人間も、ボストーク基地から脱出ルートを割り出してやってきてるのだろう。


懐中電灯で地図を開く…何枚か風で飛ばされたが、かまってられなかった。


夜で雪が凍り、風が強いおかげでソリはスピードを出せる。ソリの走った跡は雪で消えていく。


だが飛行機にはかなわない。人間の科学技術にはかなわない。


ドクターが風の音に負けないように怒鳴る。

[どうするんじゃ?]


ドミトリーは答える事はできなかった。

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