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ノーマン物語-サバイバル刑務所  作者: じゃむ
プロローグ
44/153

.10

5回この地獄を体験したドミトリーですら気が狂いそうになる。


彼にも幻聴が聴こえる…風の音が聞こえなくなる幻聴が。


外の様子は風の音でのみ判断する。


[おい。風が止んでるぞ!]

ドミトリーは隣に横たわっているドクターに声をかけた。


ドクターは悲しそうに首を横に振った。

ドミトリーが毒づくとドクターが慰めの言葉を言った。

[お前さんが幻聴を聴くとそろそろ本当に冬が明けるぞい]


ドミトリーは信じなかったが、それは本当の事だった。

それから一日後か一週間後か一ヶ月後か分からないドミトリーだったが、風の音は確かに弱まりつつある事に気付いた。

部屋にいるノーマン達も頷く。


ドミトリーはドクターに期待の目を向けた。

ドクターはモゾリと起き上がると壁の霜を乱暴に拭き取り、耳をあてた。


ドミトリーと他のノーマン全員がドクターに期待の視線をぶつける。


壁から耳を離したドクターは言った。

[いつでも動けるように、ゆっくりと身体をほぐしておけ]


歓声があがった。

皆の思いは1つだった。

[あぁ…生き延びた]


その日はドミトリーが幻聴を聞いてから20日後の事だった。

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