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異世界に響く銃声  作者: レコア
第2章 召喚された高校生銃士
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第五話 異世界なのに戦闘Ai?

物は試しと、口に出してみるのもいいと思う

 服のポケットに飴があったのでなめてのどの渇きをごまかしつつ、森を当てもなく彷徨った。方向感覚なんて無いし、同じ景色ばかりでぐるぐる回っているようにしか見えない。できるだけまっすぐ歩こうとしたが、交互と言ってもいいレベルに木が密集している場所でどっちへ進んでいたか分からなくなってからは完全に迷った。太陽が今ちょうど真上なので今は昼なのだろう。腹は減っていないが、一応食べられそうな木の実でも無いかついでに探している。カブトムシが好きそうな木の実のならない木ばっかりで食べられそうな物は皆無だったが、水の音が聞こえ始めたので川が近いのかもしれない。

「さすがにのど乾いたな」

若干声がかすれ始めるが、まだ水は遠いようだ。普通異世界召喚と言ったら、美少女のお姫様とサンタクロースみたいな髭の王様、眼鏡で嫌味な魔術師などが居る城に連れていかれて、[勇者様、この世界を魔王からお救いください]なんて頼まれるものだと思うのだが、そんなものかけらもなかった。

「せめて話し相手くらいは欲しいよな。森に一人とか気が狂うぜ」

などとぼやくと

『了解。音声アシストに移行します』

「うおっ」

突然声が聞こえた。女性の声だ。なんとなく機械的な音と発言なのが気になる。周りを見回すがもちろん誰もいない。

「誰かいるのか?」

『私は戦闘支援用Aiです。この音声はあなただけにしか聞こえません。必要事項に関してできる限りサポート致します』

ファンタジーの中にいきなりSFかよ。機械的だと思ったら本当に機械らしい。マジすか・・・。

「AIって、お前は何ができる?」

『あなたの戦闘とそれに関係する事柄をサポート致します』

「ほう。例えば何をしてくれる?」

『敵の索敵、武器の情報表示や収集、武器の改造、修復、複製、戦闘時の身体強化、思考加速による戦闘の効率化・・・・・・』

「わ、わかった。もういいから、とりあえず状況を整理させてくれ。ここはどこか分かるか?」

何ができるのか聞いてみたら多すぎて頭が痛くなってきた。ずっとしゃべり続けるAIにやめるように言って、とりあえず現在位置を知らないか聞いてみる事にする。戦闘に関係ないのでわかるのか疑問だが、今どこにいるのかは知りたい情報だ。

『オックス原生林の一部になります。より詳細な位置を掌握するには情報が不足しています』

「やっぱり森なのか。一番近い町か村は?」

『300㎞南と、500㎞東に村があるようです。より詳細な情報を掌握するには情報が不足しています』

「300km・・・。一番近い飲み水が手に入る場所は?」

300kmって、すごく遠いじゃないか。剣道の関係で体力は並み以上あるはずだが、そんなに歩ける自信なんかない。

『50m南東に小川があります』

よかった。水は近くにあるようだ。ついでに食べ物の位置も聞いてみるか。

「一番近い食料の手に入る場所は?」

『12時の方向に10cm、地上から5mに木の実が生っています。食用可能です』

「近いな。採る方法は?」

言われて目の前にある木を見上げる。近いなとは言ったが、地上5mってそれなりに高いと思う。

『木の表面に毒を持つ敵性生物を確認しています。上るのは危険な為、射撃により撃ち落とす事を推奨します』

撃ち落とすって、木の実を銃で撃つと食べられなくなるんじゃないだろうか? そんなことを疑問に思うと。

『問題ありません。木の実が生っている枝を狙って射撃し、枝を破壊してください。射撃のアシストはこちらで行います』

と答えが返ってきた。思っただけでも会話が成立するようだ。心を読まれるのはなんか怖い気もするが、他人がこの場に居れば独り言をずっとつぶやいているように見えるはずなので、いい事だと思って装填を行う。早くはないが、アシストのおかげで装填は楽にできる。装填後、銃を構えて木を見上げると、高い所に青っぽい実がいくつか生っていた。自然な色って感じじゃなく、ペンキを塗ったような青だ。形はリンゴっぽいが、距離のせいなのか小さく見える。一番近い実の生えている枝を狙って照準が作動し、実の近くをロックオンした。銃身が長いこのライフルは重心がズレるせいか射撃姿勢が不安定なので、親父に習った精神統一法で心を落ち着かせてブレを無くす。引き金を引くと肩に衝撃があり、少し遅れて乾いた雷のような音が鳴る。見事枝に命中して木の実が落ちてきた。落下の衝撃で潰れるんじゃないかと今更ながらに心配したが、木の根元に落ち葉のクッションがあったため木の実は無事だ。同じ要領で5つほど木の実を手に入れ、とりあえずポケットに突っ込む。小さく見えるのは距離のせいだと思っていたが、実際に近くで見てみると本当に小さかった。サイズ的には大きめのミカンといったところか? そのままかじるのは少し躊躇いがある為、川で洗ってから食べようと思っている。川があるという方向に歩いていくと、確かに水の音が大きくなってきた。どうやら川と並行に歩いていたのでいつまで経っても水場にたどり着けなかったらしい。その後このAiに根掘り葉掘り聞いてみたが、どうやら元の世界で試作されていたような学習型Aiに近い存在のようだ。生き物が生まれながらにして本能を持つようにいろいろ機能を持っているが、子供が知識や経験不足なように情報や経験の蓄積が無いと使いこなせないようで、さっき街の場所を質問した時のように情報が足りなくて答えが正確でない事もあるらしい。万能なのか器用貧乏なのかいまいち分からないが、アニメの主人公のようなチートな異能に化ける事を期待して知識と経験を積ませようと思う。俺との会話、機能の使用で経験が、俺が見聞きする事で知識が蓄積するそうなので、いろんな事を試せば万能超人も夢じゃないかもしれない。そんな事を考えている内に川にたどり着いた。確かに川だが、源流が近いのか地面のくぼみをちょろちょろ流れる程度の小川だ。湧き水ってこんな感じなのではないだろうか? Aiに確認したが情報不足で名前は分からなかった。水は冷たくて気持ち良い。水に触れた事で情報が入ったらしく、底の方の土を掻き出したりしなければ飲めるとの事だった。手ですくって飲んでみると、水道水なんか比べ物にならないくらいおいしい。水を飲んでうまいと思ったのは初めてだ。透明度が高く、流れていなければ近くから見ても水の存在がわからないくらい澄んでいる。冷たい事も乾いた喉によく染みた。

『水場には生き物が集まります。水分補給と栄養補給を済ませ次第移動する事を推奨します』

「何か反応しているのか?」

『現在、半径100m圏内に敵性生物の反応はありません』

「お前の・・・やっぱ呼びにくいわ。何か名前無いの?」

『名称は存在しません。あなたに命名権があります』

「俺か・・・じゃあ、アイで!」

『了解。名称をアイに設定します』

「思い付きで言ったのに採用するのか。お前はそれでいいの?」

『異議はありません』

「マジか・・・」

ちょっとあきれつつも、さっきの実を水に入れて軽く洗う。皮がむけなかったのでそのままかじったが、リンゴっていうかナシっていうか・・・。まあ、まずくはなかった。とりあえず2つほど食べて、水を飲んでから立ち去ろうとする。そこでふと、人が居ないのかを聞いていなかった事に気がついた。村が遠いと聞いてなんとなく人類未開拓の地な気分でいたが、森があって村があるなら猟師とかが入っていたりしないのだろうか? 猟師でなくても、山菜取りに来る人とか、どうだろうか?

「アイ、どうだ?」

思っている事は筒抜けのはずなので、どうかとだけ問う。

『小川沿いに20km南下した所に20名程の集団がいるようです。年齢や職業などの詳細は情報が不足しています』

「お、やはりいるのか。敵意があるかは分かるのか?」

『敵意感知レーダーの有効範囲は現在半径100mまでです』

とりあえず行く当てもないし、その人達に合流して助けを求めよう。木の実がまだ3つあるし、水は川から飲めばいいが、どう考えてもここは長期間人間が生活するには向いていない。旅の行商人とかなら人のいる場所に連れて行ってもらう代わりに護衛でもやればいいのではないだろうか? 旧式とはいえ銃があるし、剣道をやっているから体力には自信がある。山賊とかが出てきて殺し合いになったら怖いが、ゴブリンみたいなRPGの定番雑魚キャラ程度ならこれで何とかなるだろう。そう楽観的に考えて、俺は川沿いに下りだした。20km歩くなんてそうそう経験した事無いし、川沿いは石が多くて足元がグラグラする為歩きにくかったので、川を少しだけ離れて森を歩く。時々遠くで動物が動いたと思われる草木の揺れが見られるようになってきたが、アイ曰く魔物ではない普通の野生動物であり、縄張りに入ったりしなければ敵対しなくて済むそうなので、周囲に気を配りつつひたすら歩く。5㎞進んだ頃にもう一度アイに確認してもらったが、さっきの人達はそこを動いていないらしい。人数が減ったりもしてないそうなので、普通に休んでいるだけだろう。小休止とかで暗くなる前に移動を始めたりされないか心配していたのだが、どうやら今晩は今いる場所に腰を落ち着けるつもりらしい。近い村まで300㎞とかあるのに、暗い夜道を移動するのは危険だという事を忘れていた。日本なら道がちゃんとしてれば夜でも大丈夫だが、この手の世界の夜は魔物やら何やらが出てきてきっと自殺行為に等しいんだと思う。アニメとかの異世界において、夜の森の移動はタブーだ。きっと彼らもそう思って川があって水を補給できる場所で野宿するつもりなのだろう。夜になると周りが見えなくなるから、いきなり現れたら盗賊とかと間違われて攻撃されるかもしれない。できれば明るい内に合流したいが、走っても夕方になる気がする。そんな事を思っていると、アイがナイスな提案をしてきた。

第五話です。ファンタジーファンタジー世界に戦闘支援Ai登場というまさかの状態になにこれと思った方もいるかもしれません。主人公を強くするにはどんなことをしようかと考えてこうなっていますので、温かく見守ってください。これで連続投稿を終了し、次話からは間を開けて順次公開していきます。2~3週間に1話のペースを検討中です。次回もお楽しみに

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