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勇者少女群  作者: お休み中
第一幕 哀は退路、愛は進路
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「くそっ! まさか……宇宙船が壊れるなんて」

 その時、謎の少女は、とある場所で自らの失敗を嘆いていた。銀色のケープに水色の長髪。明らかに、地球人のそれではない。

「まさか、フロートブースターが臨界点を超えるなんてな……。ちっ、だから私は開発局が嫌いなんだっ! どうする……。このまま現地民と接触するのは危険すぎる……。だがしかし……」

 少女はさらに独白を続ける。

「いや待てっ。この星には、確か先行調査隊がいたはずだ。……そいつらと合流すれば、まだ勝機はある。譲歩となるが、やむを得まい。ふっ、ふふふ……。私もまだヤキが回ったわけではなさそうだ……。賭けてみるか、この、運命という名の悪戯に」

「あのー、お客様」と、横にいた店員がいた。「ここ、コンビニの中なので、もうちょっと、お静かにですね……」

「なんだお前は?」睨む少女。「私を誰だと思っている? 私は、第三銀河王国特別部隊所属、キュア・ルーズヴィッヒ大佐だぞ。その口の聞き方はなんだ?」

「いや、えーとですね……」

「まあいい。今私は、特別に機嫌がいいからな。おい、で、お前」キュアは棚の一番下の雑誌を指差しながら「この、地図とやらをもらおうか。確かまっ○ると言ったか」

「は、はあ」

「地図と……、後は当面の食料があれば、どうにかなるか……」キュアは小さく呟く。

「え、えーと……。他には、なにかございますか?」頭に汗マークを浮かべながら、尋ねるコンビニ店員。

「ん? ああ。あとは、そうだな……」キュアは周りを見渡しながら「あの、さきいかとやらを、もらおうか。なんだか美味しそうな予感がする」

「は、はあ……。それはまた、随分と渋いものを……」

「む? なんだ? 文句でもあるのか?」

「い、いえ。それではお会計を……」コンビニ店員は、カゴにさきいかと地図を入れ、キュアと一緒にレジへと歩いた。そして、恐る恐る聞いてみた。「あ、あの、その衣装とか設定、罰ゲームかなんかですか?」

「ふっ。笑わせる」キュアは片眉を吊り上げる。「お前、冗談が上手いな。だが、その余裕が戦場では仇となる。気をつけた方がいいぞ。これは助言ではない。忠告だ」

「は、はあ」

「む、ところで」キュアは横を見ながら「なんだ、その保温ケースは?」

「え? ああ、それは、肉まんを売っている」

「その、キーマカレーまんとやらを、一つ」

「は、はあ……。えっと、あなた本当に宇宙人、ですか?」

「勿論だ。最初から、そう言っているだろう」

「は、はあ。えっと、じゃあお会計を」

「このマ○ターカードで。代金は……プライスレスだ」

「えっと、絶対地球人ですよね?」 

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