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「なんだと? できるだけ地味にしたつもりだったが……、あれのどこが派手なんだ?」
「全部よっ!」
一時限目が終わった後の、休み時間。
スミレ、ユリ、キュア、ミカゲの四人は、階段の踊り場にて、緊急会議を行っていた。
「あのね、なんで私がこんなこと言ってるかわかんないんだけど」とスミレは前置きしながら「あなたたち、仮にも、隠れてる身なんでしょ? 学校なんてきちゃダメじゃないっ。ていうか、百歩譲って、まだ学校にくることをよしとしましょう。でも、なんなのよ、あの登場の仕方は。あんな、宇宙一目立つ登場して、見つからない方がどうかしてるわよっ!」
「ふっ、褒めてもなにもやらないぞ」キュアは髪を手でなびかせた。
「褒めてないっ」
「でもでも、聞いてください、スミレさん」横にいるミカゲが言った。「大佐とユリさんが使う、勇者の力は、常に契約者二人がともにいないと、成立しない力なんです。ですから、この転入は、ある意味地球の存亡を賭けた転入なんです」
「う、うーん……。それにしても、もっとやり方あったと思うけど……」
「あ、ちなみに、私は、大佐のボディガードのために、一緒にきたので」にっこり微笑むミカゲ。
「へいへい」項垂れるスミレ。
「でも、私は嬉しいよ」ユリが微笑みながら言った。「そこまでして、私と一緒ににいてくれるなんて」
「当然だ」キュアは腰に片手を当てながら言った。「私たちは、赤い鎖で結ばれているからな」
「まあいいや。でさ」スミレは言う。「あんたたち、この学校にきたってことは、泊まる場所はどうするの? 寮に泊まるんだよね?」
「ふっ、わかりきったことを聞くな」キュアは腕組みをしながら「まあ、今宵を楽しみにしておけ」
「は、はあ……」
「そういえば」と、ユリが言った。「もう二人の……、転入生は、キュアとミカゲの知り合いか?」
「いや、全然」首を振るキュア。「まあ、似たような顔のようなやつは見たことあるが……。宇宙は広い。おそらく違うだろう。名前も違うし」そして彼女はミカゲを見ながら「なあ?」
「ええ」頷くミカゲ。「ちょっと、顔が、宇宙海賊のトップワン・トップツーに似ているような気もしますが……。おそらくは他人のそら似、ってやつでしょう」
「え? それ、そうなのかなぁ……」スミレは、目を細めて脱力しながら「なんか、私の勘だと、また、ややこしいことになっているような気がするけど……、うーん」




