エンド
長い間お読みくださりありがとう御座いました
m(__)m
最初とラストだけ決まってた話です
後書きも
少しお付き合い下されませ
あれからを文字にすると短い。
目覚めれば、自分の部屋で寝ていた。
たったそれだけ。
見慣れた部屋を見回すと、4月のカレンダーと高校の制服が目に入って…。
寝てるまま固まった。
…夢、みてた?
あれは夢だったの?
現実を理解出来たのは、起こしに来た母の顔が優しく笑っていたから。
母の顔を見て、泣きたいのに泣けなかった。
だから抱き付いた。
そして。
あたふたの入学式から、高校生活が始まった。
夢が覚めても現実はやっぱりしんどくて、話せないだけで悔しい事も変わらずあって。
それでついステータスを開きそうになったり。
入学して直ぐの私は、周囲から見たらかなり怪しい人になってたと思う。
『CWR』
ログインする勇気が中々出なくて、インできたのは5月の連休に入ってからで。
緊張してインしたゲームの中は、レベル解放だけで他は何も変わらなかった。
肩透かしされたような、ホッとしたような、言い表しにくい気持ちでその日1日はもやもやだった。
一番残念だったのは、アイテム欄が穴空きな事。
夢の中では後3つまで集めたのに…、やっぱりあれは夢だったんだ…。
また最初のゼロからこつこつレベルを上げていく。
夢の記憶を夢だと思えるようになった7月のある日。
夢はまた現実になった。
………
意識が戻ると、私はまたあの路地裏に立っていた。
嘘。
一瞬で、身体中に汗が吹き出した。
次の瞬間、頭の中でステータスを開いていた。
ネーム『ルアン』
レベル『160/160』
………
やっぱり夢なんだ。
ゲームのルアンはまだレベル52で、27の町のダンジョンに潜ってる。
つい笑ってた。
アイテムボックスを見れば、装備のアイテム欄はフルコンプまで残り3つ。
胸ポケットを確かめればSSSのギルドカードが入っていて、夢の続きと理解するには十分だった。
夢ならば、氷のダンジョンへ取り忘れた1つを取りに行ってみよう。
転移をタップしようとして、止まった。
スキルの下の方で転生が黒くなっているのが見えて、氷の竜のうつむいた姿が頭の中に浮かんだ。
夢なのにリアル過ぎる記憶。
あれは夢だったんだと頭の中で否定するのに、気持ちの奥底の何かはあれが現実だと迫ってくる。
氷の竜に会いに行きたい衝動を押さえて、氷のダンジョンに転移した。
その日は兎に角1階から順番に潜った。
そして、夜は20の町の家で眠った。
翌朝どちらの世界で目覚めるのか、ドキドキだった。
目覚めたのがゲームの世界だった時、母の居る世界へ帰りたいと思う気持ちが強かった。
22階で埋まってなかった1つを見付けた時、氷の竜へ向く気持ちを押さえられなくなった。
…会いたかった。
元の世界へ戻れない諦めを分かってくれるのは氷の竜だけだって、勝手に思い込んでた。
だから、無造作に氷の竜の前に転移した。
出た先は、白い世界だった。
はは…。
『氷の竜はどこ?』
『転生した世界』
まさか…、本当に私の魔法で転生したの?
本当に?
『泣いてない?』
白い世界は答えなかった。
暫く待っても白い世界は答えない。
不安で息が苦しくなってきた。
そうか…、私は氷の竜に自分を重ねてたんだ…。
その時の私は、悔しくて泣き笑いしてたと思う。
『あれの世界に生まれ変わるか』
…嫌だと首を振った。
『私は私の世界で生きていきたい』
少し待ったけど白い世界の返事はなくて、ゆっくり息を吐いて身構えた。
白い世界は、転生した氷の竜のところまで私を飛ばすつもりだと思う。
でもそれは違う。
『声を与える』
!!
心臓が跳ねた。
思い切り上を向いて目を瞑った。
…何て残酷なんだろう…。
………
ぶわっと膨らんだ殺意のぶつける場所がないってこんなに苦しい事だったんだ…。
殺意や怒りって、限界を超えたら『無』なんだね。
ステータスから使えるスキルを探した。
あるスキルで目が止まった。
ここで使ったら、死ぬかもしれない。
それでも、使うのはこれしかないと思った。
成功しても、失敗しても。
もう母親の元には戻れないだろう。
それでも、私が私であるなら良いと思えた。
エンド
ルアンが使った魔法は『転生』です
自分に掛けたのではなく
白い世界に向かって
掛けた終わり方になります
どうなったのかは
流れとして私の中に在りますが
終わりが見えてないので
ここまでとしました
ルアンの未来は
お読みくださった皆様の中に
ここまでお読みくださり
ありがとうございました