表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームの世界に転生?  作者: まほろば
20の町から27の町
46/95

ダンジョンとばかしあい



次の日から27の町のダンジョンに潜った。

このダンジョンはアンデットが多い。

10階までは脅かすだけで攻撃してこない。

気を付けなきゃいけないのは土のはにわに似た魔物が複数で出るから、そっちの方が危険だった。

急に地面や壁や天井から出て来て泥を投げる。

ただの泥なら良いけど、催眠効果のある泥だから寝てる間に…、とか厄介な魔物だ。

ゲームの時はセーブしてた場所に戻されるだけだったけど、今は死にたくないから目一杯防御を厚くした。

1階層から5階層まで1日で進んだ。

10階層までは敵か多くて更に2日掛かった。

11階層からは慎重に進む。

ゴーストは闇魔法。

先に仕掛けないと負ける。

光と闇の対決になった。

先に見付けるために神経がピリピしてて、夜中に飛び起きるとかなってきたから1日休みを入れた。

先を急ぐ気持ちが、行動を急かせて自ら危険に飛び込みかけて目が覚めた。


そんな日に、クラークさんから念話が来た。

『ルルが怪我をして村に戻ったそうだ』

『えっ!怪我の状態は?』

『かなり深手だ。話では無理な狩りをしてパートナーと2人別の冒険者に助けられたらしい』

『そうですか…』

『ルルが助けた冒険者に自分はチェスターのギルドマスターの叔母だと名乗ったからこちらに照会がきた』

『え?』

『信じられないだろう』

『はい』

『村人からの証言もこちらに送られてきている。クララが申し訳無いことをした』

『いえ』

『腕輪だが、軍に没収されたそうだ』

『やっぱり。怪我の度合いは?ポーションで治りそうですか?治るなら引き返します』

『治るが今は行くな。ねだればいくらでも装備が出てくると思っている。それはクララも同じだ』

『え?』

『クララが孫がギルドマスターでお前はその叔母だとルルに言い含めたそうだ』

『クララさんが?』

『それでルルは自分は偉いと勘違いしたんだ』

それも自分が装備を渡したせいだ…。

沈黙でクラークさんが察したらしく言ってきた。

『ルアンのせいじゃない』

『でも…』

『クララの家から青い顔して出てきたところを何人もの村人が見てる。そのあとにルルが装備と腕輪を自慢すれば誰でも分かるさ』

クラークさんが、申し訳ないと何度も謝ってくれた。

『ルルは村の青年と結婚して落ち着くだろう』

『そうですか…。あっ!クララさんからクラークさんのところに何か言ってきてませんか?』

『ジャンジャン来てるさ。自分とルルの擁護の手紙がな。自分は悪くない、なのに村人が村八分にするとかヒステリックな内容が毎日届いている』

『毎日ですか』

『チェスターに戻りたくても戻れないジレンマが性格を歪めたと村人は思っているそうだ』

『そうですか』

『腕輪は俺が必ず返す』

『いえ。腕輪は魔法の袋にいくつか有りますから』

そこでクラークさんとの念話を終えた。


クラークさんとの念話で気持ちの切り替えが出来たのか、1日1階攻略で5日後には15階層まできた。

期待していた休憩所にカレンとガウの姿は無かった。

ここで無かったら…35の町しか無い。

今すぐ行きたいけど、このレベルで35の町のダンジョンに潜るのは無理だと思った。

今はレベルを上げるのが先だ。

最上級装備で全属性を跳ね返す盾を持って、蝙蝠のボスに挑んだ。

素早さでは蝙蝠が勝った。

盾が無かったら確実に負けてる。

壁1面に蝙蝠がいるから、かなり魔力を消費する光魔法の光のシャワーを使うしかなかった。

ポーーン。

レベルが1上がった。

ここで最低でもレベル75まで上げたい。

ドロップは土属性の指輪。

攻撃魔法としては中の上くらいの威力がある。

転移で宿の部屋に戻ろうとした時、点滅してるイベントが目に入った。

27の町のイベントはボスのドロップの指輪を町外れの神殿に納める、だった。

報酬は裏ボスの情報。

無茶苦茶なイベントだと思う。

あの蝙蝠を倒せる冒険者とかゲームのプレーヤーしか居るわけ無い。

あっ!

もしかしたらこのイベントは私だけかもしれない。

前回の27の町のクエストはゴースト討伐。

それより明らかに難易度が高いくなっているから間違いないと思う。

思うけど、何故なのかが分からない。

取り敢えずイベントクリアが先だ。

宿に戻っておかみさんに神殿の場所を聞いて急いだ。

神殿は朽ち果てて足元も危なかった。

風魔法で神殿内を綺麗にしたら、中心に凹みがあって指輪がすっぽりはまった。

その瞬間、スライドみたいにダンジョンのある部屋が映って指輪をはめる扉が見えた。

中央の指輪を抜こうとしても抜けない。

また取りに行けって事なんだ。

諦めて夜に行ったけどボスは復活してなかった。

ボスが復活したのは2日後で、さくっと倒してスライドにあった12階層に飛んだ。

装備を変えて挑む。

裏ボスはストーンゴーレムだった。

周りには小柄なゴースト多数。

入った瞬間光のシャワーで全部消した。

ポーーン。

レベルが2上がった。

中央の小さなテーブルには土のドラゴンを彫ってある指輪が残されていた。

これで指輪は雷と土の2つ。

ここも何回も戦えるけどドロップは1回だけ。

ドロップは無くても経験値は高いから毎日戦って、レベル80まで粘った。

2日に1度の蝙蝠も忘れない。

レベル80になると速さでも蝙蝠に負けなくなった。

これなら35の町のダンジョンに潜れそう。


27の町から35まではモナーク国だ。

本線と支線。

迷わす本線を選んだ。

本線は30、32、36、だから36の町から35の町にひきかえすのが近道に思えた

馬車の乗り場で32の町までの馬車は明日だった。

支線の26の町までは5日で銀貨8枚、28の町には7日で銀貨9枚。

本線の30の町までは8日で金貨12枚とあった。

27の町を出る前に買い出しをした。

買える時に補充しないと、最近は足りなくなる時が時々あるから保険に多目に買った。

アイテムボックスにある食糧の半分以上は、私の分じゃなくて万一の時のための食糧。

「見付けたぞっ!」

買い物してる時、唐突に二の腕を捕まれた。

痛さに顔を歪めて相手を見たら、あの冒険者パーティーのリーダーだった。

「お前のせいでメンバーは冒険者が出来なくなったんだ、責任を取れ」

グッと捕まれてるから抜くことも出来ない。

それでも顔を歪めて腕を取り替えそうと引っぱった。

「止めときなよ。あんたもしつこいね」

見たらこの前の女の人だった。

「お前には関係ねぇ!」

「無いけど女の子に無理強いするのは良くないよ」

「こいつのお陰でうちのメンバーは大怪我したんだ」

「それをあんたら覚悟で馬車の警護してるんだろ」

言葉に詰まったリーダーが女の人を捕まえようとしたから、後ろから剣で気絶させた。

「あんた強いじゃん。私が出なくても良かったろ」

『ありがとうございました』

頭を下げて急いでメモを書いた。

「…え?あんた…喋れないのかい?」

『はい』

女の人は少し考えてから、付いてくるように言った。

女の人が入ったのは夜は酒場になる店だった。

「心配しなくてもいいよ。昼はお茶屋だから」

周りを見ながら女の人の前に座った。

「あんた名前は?」

『ルアンです』

「この町へは何で?」

まるで尋問みたいで、書くのを止めた。

「ごめん。私の知り合いが黒髪で喋れない友達が居るって話してたからつい」

………

この世界で喋れない人は少ないと思う。

モナーク国で喋れない私を友達と呼ぶのは…。

でもカレンが言うかな?

「もう1つだけ。兄貴を殺された子を知ってる?」

間違いない、カレンの事だ。

『22、3の女の人?』

「あぁ、2本の剣を使う」

『カレン』

「そうだ、知ってるのかい?」

『ずっと昔。20の町の近くの町で魔物の討伐依頼をしてたら、27の町の話が出て驚いていた来た』

「それにしちゃ長くいるね。探しに着たんだろ?」

『27の町に行くとしか聞いてなかったから、町の中を歩いてたら向こうが見付けてくれると思った。私は話せないから聞いて回る事は出来ないから』

「確かにねぇ。他に居そうな場所は知らない?」

『知らない。もう一月だから、この町には居ないのかもしれない。連絡の手段もないし』

「そっかぁ」

『何か知らない?』

「知らないから聞いてるのさ」

『そう』

女の人は立ち上がり掛けて聞いてきた。

「あんた、本当に喋れないのかい?」

『少しなら話せる。喉が悪くて、話した後ずっと咳き込んだり苦しいからどうしても話さなきゃいけない時だけしか話さないようにしてる』

喉を押さえて、voiceを使って説明した。

女の人は納得したように頷いた。

お茶代は奢りだと言って、女の人はどこかへ行ってしまった。


途中から、この人も軍の人だと気が付いた。

だからわざと何も知らないをアピールした。

27の町に着いた時助けてくれたのも、さっきも、私を見張ってたからだって今頃気付いた。

私がvoiceを使って話したのはあの荷台の青年を捕まえた軍の人たちだけだし、その軍の人から私の情報が伝わってるから最後の問い掛けになったんだ。

でも…。

何故こんなにしつこくカレンを探すんだろう?

まさかガウ?

でも、カレンも警戒してるから余程信頼してなきゃガウは誰にも見せないと思う。

じゃあガウじゃない理由でカレンを探してる?

それは何?

きっとこの町で参加してた集まりの事で追われてるに違いないと思った。

情報が足りなくて何故が解けない。

こうなると尚更カレンとガウは、35の町のダンジョンに居る気がする。

兎に角明日30までの馬車に乗ろう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ